藤田一咲 『お茶と写真の時間』
「
えい文庫」はとても面白い文庫です。
趣味がメインの文庫本シリーズなのですが,カメラ・写真に関する楽しい本が沢山あり,どの本も小さく(当たり前か),ほのぼのした写真があり,そしてテキストがとても面白いのです。
そんな,「えい文庫」を読み始めるきっかけになったのが,藤田一咲さんの『
お茶と写真の時間』です。
藤田一咲さんは,『アサヒカメラ』とかにも連載を持つ方なのですが,カメラや写真に対する考え方が,とてもシンプルで好きな写真家です。
その考え方とは,「肩肘を張らないで,自分の好きなスタイルで,自由に撮りましょう」といったところだと,おいらはとらえています。そう,まるでお茶(コーヒーでも紅茶でも日本茶でも)を楽しむように,自分の好きなように。
氏の「好きなように」は,モータードライブ(もう,古い言葉だ。「冷房車」くらい・・・)やデジ一眼で,じゃんじゃか連写しまくるのではなく,12枚撮りくらいのフィルムを持って,のんびり散歩でもしながら,好きなものをちゃんと見て撮るといったスタイルが好きなようです。(仕事での撮影は別でしょうけど)
おいらは,デジ一眼になってからは,じゃんじゃか撮る派になってしまい,ゆっくりと見て撮る派にあこがれて(?)はいるのですが,なかなかできません。だって,好きな対象物が,じっとしていない,言うことを聞かない,チビ達が圧倒的に多いからです。そのうち,落ち着いてきたら,ゆっくり撮れるようになりたいなぁ,と思っています。
この本には,30話弱のエッセイが収録されていて,冒頭の方では,「ひいおじいさんのカメラ」「おじいさんのカメラ」「おとうさんの『どこでもドア』カメラ」「ぼくらのカメラ」という連作があり,家族や好きなものを撮ってきたカメラの歴史が語られていて,とても楽しいエッセイです。

また,「木のパワー」というエッセイでは,春になると,たくさんの人が訪れる有名な桜の木について書かれています。古くから多くの人を魅了し続ける桜の木の魅力はすばらしいものです。でも,その桜の木を写真に収めるために,寝転がって撮ってみたり,高~い三脚を持ってきて見下ろすように撮ってみたりするのは,どうなのかなぁ・・・,というお話です。
確かに,他人が見たこともない斬新なアングルや画角で撮られた写真には新鮮さがあり,商業写真ならばそれで人を驚かせたり,惹き付けたりすることができるかもしれません。
でも,ふつうの人が,自分の感じた気持ちを写真に収めるのとは,ちょっと違うかもしれません。決して,「悪い」わけではないのですが,なんだか,とても疲れそうな気がします。
まぁ,「好きなものを撮る」を越えて,「撮ることが好き」になったと思えば,そう思えなくもないのですが・・・。

おいらは,フォトコンとかの雑誌の「こうすれば良くなる」的コーナーで,応募作品のトリミングをして,「こうやって切り取ればもっと良くなります」というのが,とてもキライです。
なんだか,国語の授業で,
先生:「作者はどう感じたか?」
生徒:「悲しかったと思います」
先生:「いや,やりきれない無念さを感じた,が正解だ」
みたいなやりとりを連想してしまいます。確かに「悲しかった」よりもなんとなく高尚(?)な気がしますが,だからどうしたの? と感じてしまいます。
ある程度の基本(まっすぐ撮る,目を見る,目が見ている方向をあける,くらい)が押さえられれば,自分の好きなもの,好きな人を,好きなように撮ればいいんじゃないかな~,なんて思っています。(だから,上達しないのかもしれないけど・・・)
というわけで,「えい文庫」シリーズ第1話は終了。全部で10冊以上読んだので,お話はしばらく続きます~
〔追伸〕 この「えい文庫」の「えい」は,見慣れない漢字で「木世」と書きます(本当は1文字ですけど)。なにかの想いがあって付けたのでしょうが,いかんせん,漢字が古い。Amazonでも,「えい」の字が文字化けしまくっています・・・。
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せなけいこ『おばけえほんシリーズ』
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重松清『エイジ』
重松清 『流星ワゴン』
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角田光代 『対岸の彼女』
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梨木香歩 『西の魔女が死んだ』
Rachel Carson “The Sense of Wonder”
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『天国までの百マイル』(浅田次郎),読み終わり
『薔薇盗人』(浅田次郎)読み終わりました
『一瞬の光』(白石一文)
『霧笛荘夜話』(浅田次郎)読み終わり
続いて,東京湾景
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