藤田一咲 『ハッセルブラッドの時間』
今日も,また藤田一咲さんの本,『ハッセルブラッドの時間』について。
正直に言って,ハッセルブラッドは現時点では欲しいカメラではないです(そもそも,買える値段じゃぁないんだけども)。もっと年をとって,ゆっくりと撮れるようになれば,使いたいとは思うのですが,今のおいらの被写体(チビ達)を撮るには,さすがに機動性が低いからです。
でも,書店でこの本をチラッと立ち読みした時,その正方形なフレームに切り取られた,すばらしい写真達に魅入られてしまい,ハッセルブラッドに興味があるわけでもないのに,買ってしまいました(もちろん,本の方ね)。
この本の中の写真は,当然ですが,すべてハッセルブラッドで撮られています。なので,8×8の正方形の写真となります(実際には,ハッセルは6×4.5も撮れるけど)。
本を開いて,最初にこの「正方形の写真」を見た時の感想は,一言,「懐かしい~」。
なぜ,懐かしいかというと,おいらが中学生だった頃の我が家の主力カメラは,同じ正方形フォーマットの
ゼンザブロニカだったからです(いや,たぶん,ブロニカしか無かったと思われる)。
どっから見ても,「ハッセルじゃん!」というくらいそっくりのブロニカは,やっぱり正方形フォーマット。
35mm版のように,縦にすると意外性があったり,横にすると妙に落ち着いたりすることなく,いつも正方形で安心できるフォーマットです。
小さい頃からおいらが撮ってもらった写真は,正方形の写真が圧倒的に多く,だから,懐かしく思えてしまいました。
この本に出てくる他の写真も,どれを見ても,なんかほっとする雰囲気があります。もちろん,著者の腕の良さがあってなのですが,正方形であることも5%くらいは加味されているかもです。(^^)

この本は,ハッセルの魅力が書かれているのは,まぁ,書名からしても分かるのですが,氏の他の本と同じく,「カメラ・写真との,ゆったりとした関わり方」が書かれていて,心が和みます。
確かに,ハッセルは(ブロニカも・・・),撮るのにはかなり手間がかかります。シャッターをえっちらおっちら巻き上げ,絞り,シャッター速度,ピントを全部自分で決めて,ようやく1枚。すぐにフィルムが無くなるので,フィルムバックを丸ごと外して新しいフィルムを装着・・・。でも,この手間のかかりようが,のんびりとした,暖かい写真が撮れる秘訣なのかもなぁ・・・。
この本の中の写真は,すべておいら好みの写真ばかりですが,一番好きな写真はP43の「しまじろうを抱きながら泣いている男の子」の写真。もう,たまらなく好きです。まさに,おいらが撮りたい,今のうちに撮っておきたい,子どもを見つめる暖かい視線が感じられる写真です。
正方形なので構図で悩むこともなく,かつ,ウエストレベルファインダーのおかげで低い位置から撮れるハッセルは,意外と子どもを撮るのに向いているのかもしれません。(でもうちのチビ達をマニュアルフォーカスするのは無理だなぁ・・・)
読み終わって,「よし,ハッセルを買うぞ!」という気にはなりませんでしたが,とても心温まるフォトエッセイ集なので,何度も何度も読み返している,藤田一咲さんでは一番好きな本です。
(追伸)
ゼンザブロニカは,現在はwatalissさんが所有中。それにしても,あの「ガッシャーン!」というシャッター音はすごかったなぁ。「撮った」というより,「どっか壊しちゃったか?」とか「なんか発射しちゃったか?」と思っちゃうくらい・・・
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