コンデジ(Caplio GX100)に装着したSB-800。どの部分がカメラなのか分からないカモ・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
3部作(の予定)でお届けしている「D90とスピードライトSB-800」の2回目は,SB-800をコンデジで使った実験を紹介します。
「実験」といっても,手持ちのコンデジ(RICOH Caplio GX100)に外付けスピードライトを付けて撮影するだけですが・・・。
実験の前に
一昔前の外付けスピードライトは,カメラ~スピードライト間の通信といえば「X接点」だけ。要するに,カメラからの「発光しろ!」信号だけでした。
スピードライトのGN(ガイドナンバー)を元に,フィルム感度,被写体までの距離をもとに人間が頭で計算し,手でカメラの絞り値を決めていました。頭&手作業で設定しなければならないという面倒くささがあるものの,逆に言えば,どこのメーカー製であっても基本的には互換性がありました。
ところが,TTL測光が当たり前になった現代のスピードライトは,カメラ本体と有線・無線で様々な通信を行い,高度な制御をしています。説明書を見ても詳しくは書かれていないのですが,普通にカメラに直付けで使っていても,X接点のほかに,絞り値,レンズ焦点距離(ズーミング),撮影感度,スピードライトヘッドの角度,デフューザーの有無なんかの情報をやりとりしているように見えます。
なので,基本的にサードパーティー製でも問題なく使える「交換レンズ」とは異なり,スピードライトを使う場合には,カメラメーカーの純正品を選んだ方が無難です。というか,純正でないとできない機能が多々あります。
しかし,せっかく高機能なスピードライトを純正カメラだけで使っていてはもったいない! という相変わらずのせこい精神を発揮し,手持ちのコンデジでスピードライトSB-800を試してみました。
コンデジ RICOH Caplio GX100登場
今回ご登場いただいたRICOH Caplio GX100は,一応,「高級コンパクト」なる不思議な部族に位置づけられるカメラで,このクラスのカメラはたいてい,外付けスピードライトを付けられるアクセサリーシューを装備しています。
もっともGX100の場合は,RICOH純正でスピードライトも作っていないし,もっぱら,液晶ビューファインダー(VF-1)の装着が主目的のような気がします。で,今回はココに,カメラ本体と比べると恐ろしく巨大なSB-800を装着して,テーブルの上のサボテンを撮ってみることにしました。
真ん中あたりがカメラです。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
まずは本体だけでがんばってみる
まず,普通にカメラ内蔵フラッシュで撮影してみます。
GX100にはポップアップフラッシュが内蔵されています。広角側でGN5~6くらいの小さな(コンデジでは普通かな?)フラッシュですが,一応,1段階だけ発光量を減らせる(何EVかは不明)「ソフト発光」モードがあります。
今回は,至近距離,正面からの撮影なので,フラッシュ光による白飛びを少しでも抑えるため,「ソフト発光」モードで撮影してみました。
カメラ内蔵のフラッシュ(ソフトモード)で撮影。白飛びしちゃうし,どぎついナリ・・・。
RICOH Caplio GX100
結果はごらんの通り。いくらソフトに発光しても,こんなです。カメラ本体の機能というより,フラッシュの発光量制御が2段階しかないので,しょうがないかな,というところです。
ちなみに,撮影場所の状態は,窓のシャッター(サッシのね。カメラじゃなくて)を閉めて部屋を薄暗くしての撮影です。GX100の撮影感度はISO=50しかないので,スピードライトなしでは手ぶれしてしまって撮ることができない暗さです。
フラッシュ無しではこの状態。
RICOH Caplio GX100
スピードライトSB-800を使ってみる
次に,SB-800を付けてみます。
本当は,GNと絞り,被写体までの距離から発光量を決めるべきなのですが,はっきり言って面倒くさいので(おいおい),デジタルであることの利点をめいっぱい生かし,撮影→確認→発光量設定変更,を繰り返し,ほぼ適切と思われる発光量を手作業で決めてみました。
で,できたのがこの写真。
天井バウンスで。1枚目と同じカメラとは思えない~
RICOH Caplio GX100
リビングの天井(バカみたいに高くて3.3mもある)にバウンスさせ,拡散光で撮ってみました。白飛びは無くなりましたが,ちょっとまだ発光量が少なかったかもしれません(ヒストグラムをちゃんと見るべきだったカモです)。
続いて,スピードライトヘッドを回し,被写体の右横2mくらいにある白い壁にバウンスさせ,横方向からの光で撮影してみました。
右側にある白い壁にバウンスさせて撮影。もうちょっと弱く発光したいかも。
RICOH Caplio GX100
最初の,カメラ内蔵フラッシュとは比較にならないくらい,まともな写真になりました。
手作業で発光量を決めてやるという手間がちょっと(っていうかかなり)面倒ですが,やる気になれば,コンデジ+外付けスピードライトでもここまでできることが分かりました。
ここで使ったのは,JISで仕様が定められている「X接点」だけですから,スピードライトのメーカーはどこでもいけるはずです(ミノルタ・ソニー製はダメかも。独自サイズだった気がします)。
しかし,各社の「高級コンパクト」の仕様を調べてみると,驚くべきことが分かりました。たとえば,Nikon P6000やCanon PowerShot G10なんかでは,自社製のスピードライトであれば,ちゃんとTTL測光できるそうです!!
おまけで左方向のバウンスも。
RICOH Caplio GX100
普段はモタモタしているコンデジなのに,自社製のスピードライトと合体したときは,超高速でTTL測光してスピードライトを制御しているようです。ちょっとオドロキです。まぁ,RICOHには純正スピードライト自体が無いので関係ありませんけど。ぐすん。
ですので,デジ一眼+スピードライトを持っている方で,サブ機でコンデジも買おうと思った方は,できれば同一メーカーにしておくと,意外と便利かもしれません。
ただ,なんせ見た目がこういう状態になるので,せっかくの「コンパクト性」が完全に失われるため,素直にデジ一眼を持ち歩いた方がいいような気もしますが・・・。
見慣れてくると,意外と格好良かったりして♪
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
というわけで,意外とまともに使えるぞ?ということが分かったところで,今回の実験はオシマイ。次回は,「フォトポタ日記」に多数寄せられる質問である,「どうやって自転車パーツ撮ってるの?」についてご紹介します~(あんまり期待しないでください。たいして工夫してないので・・・)
おわり。
【追伸】
同一撮影条件で,デジ一眼(D90)でも撮ってみました。こちらはフルオートでの撮影ですが,ほんわかとした「雰囲気」のようなものが写し止められている気がします。
D90で天井バウンスです。やっぱりええなぁ・・・。
Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
広角で風景を撮るなら,コンデジでも十分きれいですし,記念写真もコンデジの方がうまく撮れることがままあります(おいらの場合デス)。
が,テーブルフォトでは圧倒的にデジ一眼の方がいいと感じています。やっぱり,あの浅い被写界深度のおかげでいい雰囲気が出せるからだと思います。まぁ,あんなでかいカメラを持ち出して撮るくらいですから,「やる気」が違うのかもしれませんが(^^)
やっぱり,コンデジは自転車ツーリングのお供としてが一番似合っているのかもしれません。おいらにとって,GX100は最高のツーリングカメラです。
>親方さん
こんばんは~
カメラがデジタルになって一番恩恵を受けているのは,
ストロボを使うプロのカメラマンかもしれませんね。
なんせ,今までは「現像してみるまで分からない」という状態だったのに,
多くのライトを実際に光らせて,その結果をすぐ見られるんですから・・・。
逆に,ブツ撮りフォトグラファーへの尊敬度合いが減ったりして(?)
AFが登場する前は「ピントを合わせられる」というのは,
立派な「技術」でしたが,今では当たり前すぎることになってしまいました。
話は逸れましたが,ストロボって本当に面白いですね。
いつも真っ正面からしか見ていないときが付きませんが,
横から光を当てたりすると,対象物の思わぬ姿が見られて驚きます。
ストロボの発光制御は,コンデジと一眼では雲泥の差があります。
親方さんも,是非,デジ一眼ワールドへどうぞ~!(^^)
昔は100万でしたが,今や5万円以下でも
買えますよ~(^^♪