なんだか,後戻りできない地点に来た気がする写真・・・。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
日曜日の夜9時,ツマが「炊飯器が壊れた~,買い替えだ~♪」と言い出しました。
カメラやロードバイクのパーツは,少し傷が付いただけでも上位機種に買い換えますが,家電製品は意地でも直して全臓器不全になるまで使い続けるのがShiro家の(っていうか,おいらの)ポリシー。
我が家の炊飯器は勤続10年目ですが,可動部のほとんど無い(蓋とコードリールだけ?)製品ですから,軽く20年くらいはコツコツと働いていただきたい。
そこで,いつものように,ケチケチ根性で修理に挑んでみました。
症状分析編
具体的にどう壊れたのかを聞いてみると,「時計表示がおかしくて,タイマー予約ができなくなった」とのこと。
前面に付いている時計を見てみると,確かに表示が「–:–」となっていますし,「予約」ボタンを押してもまったく反応しません。
これが修理前の状況。時計表示が「–:–」となっていて,タイマー予約ができません。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
取扱説明書を調べてみると,時計駆動用のリチウム電池の寿命なのでお買い上げの販売店に修理に出すが良い,とのこと。
さらに,ネットで電池交換にかかる費用&期間を調べてみると,なんと驚きの「最高で8000円&2週間」とのこと。
たかが電池交換に,2週間もかけた上に8000円も取られたらたまりません。
横で「やっぱりダメ?買い替え?♪」と期待するツマを制し,リチウム電池交換に挑むことにしました。
修理方針決定編
説明書に「リチウム電池」と明記してあるからには,充電式(=2次電池)ではなく,使い切りの1次電池(CR2032や2025などのコイン型?)が,多くのパソコンなどと同様,基板上に半田付けされていると推測できます。
修理に出すと,この部分を取り替えるのは面倒くさいので,たぶん,基板ASSY丸ごと交換で8000円というお値段になるのでしょう。
「お買い上げの販売店に任せるべし」と書いてあるだけあって,どこにリチウム電池が実装されているかは説明書には書かれていないので,自分で探してみます。
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炊飯器の大雑把な構造を見ると,大部分がお釜になっていて,その下には熱源(うちのはインダクションヒーティング)があります。
前面には液晶画面や操作ボタンが並んでいるのですが,そういった制御回路系を内蔵できるのは前面パネルの直下くらいにしかなさそうなので,まずは,前面パネルを引っ剥がしてみることにしました。
前面パネルはプラスチックの爪と接着剤で固定してありましたが,幸いなこと(?)に,長年の使用で接着剤は脆化していて,あっさりと剥がすことができました。
パネルと本体の隙間にマイナスドライバーを差し込んで,チョイチョイっと(^^)
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
すると,案の定,パネルの裏には制御回路が詰まっていて,液晶パネルやAC/DC電源や冷却ファンなどが見えます。さらに,それらの隙間に,黄色い絶縁カバーがされたコイン型のリチウム電池を発見しました!
真ん中のボタンの右下に,僅かに見える黄色い物体がリチウム電池(のカバー)
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
こいつを取り替えればいいのですが,前面パネル開放だけでは手が出せそうにないので,やむなく,炊飯器全体をバラバラにしてこの電池を取り替えることにしました。
明日の朝までに間に合うのかな・・・,少し心配。
修理してみたよ!
炊飯器全体をバラすことにしたのですが,ひっくり返してみると,5箇所ネジがあることが分かりました。
ケータイやウォークマン,ノートPCなどでは,見えるネジだけ外してもバラせず,エンブレムやゴム足などの裏に隠しネジが仕込まれていることがあります。
が,炊飯器はそもそも分解しようとするバカは少ないのか,前述の5本のネジを緩めたら,あっさりとバラバラになってくれました。
明らかに大変なことに一歩踏み込んでしまった感があります・・・。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
さらに,前面にある制御基板を支えている4本のネジを外すことで,目的である制御基板を炊飯器内部から引っ張り出すことに成功し,目標であるリチウム電池を発見しました。
制御基板を引っ張り出せました(^^)
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攻撃(?)目標のリチウム電池を発見! 苦労させおって・・・。
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ダメだ。ガッチリと半田付けされている。吸引器持ってないし・・・。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
予想通り,リチウム電池は基板に半田付けされています。
また,この手の造作に多い,基板装着用端子つきのコイン型リチウム電池です。
残念ながら,こんな,使い道の少ないコイン型電池の在庫は我が家には無いので,手持のCR2032で代用することにしました。
動作電圧は3Vで同じですし,ちょっと薄くて容量が少ないですが,空になったらまた同じ作業で交換すれば良いでしょう。
端子をニッパーでぶった切って取り外します。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
ということで,元の電池はニッパーで基板から切り離し,新しいCR2032(ダイソーで2個105円)をリード線でつないでやりました。
リード線はCR2032に直に半田付け。コツは表面をヤスリでざらざらにしてやると,半田がしやすくなります。
【2023/4/1追記】
当時はCR2032にはんだで直結していましたが、いくら短時間とはいえ電池を加熱することは好ましくないので、普通に電池ボックスを使うことを推奨します。
電子部品屋さんなら1個50円くらいですし、Amazonでも似たような単価(ただしものすごく多数)で売っていますので、こちらを使いましょう。
こんなやつ(↓)
配線が終わったら,CR2032を絶縁テープでぐるぐる巻きにして,さらに両面テープで所定の位置に固定します。
ハンダの乗りが良くなるように,電池表面を少し傷つけます。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
リード線を切らしていて,子供の電子工作セットから失敬(^^)
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絶縁テープで巻いて,両面テープで基板上に固定。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
あとは,大量に撮った分解途中の写真と照合しながら,元通りに組み立てて完了です(^^)
作業時間は約50分でした。
無事にタイマー始動!(^^)
組み立て後もタイマーは「–:–」表示でしたが,時刻設定操作をやると無事に動き始めました。
また,当然ですが,タイマー予約設定などの操作もできるようになりました。
9時に作業を開始して,完了は9時52分!(^^)
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
修理に出せば,2週間&8000円もかかったところを,たったの50分&52円(電池代)で終了です!! 修理時間は1/400,費用も1/150と超経済的(^^)
一応,技術料として5000円をツマに請求してみましたが,せっかくの買い替えのチャンスを潰された腹いせか,いまだに不払いです(涙)
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それにしても,そもそも時計用電池くらい,21世紀には交換可能なように設計できないものなんでしょうかねぇ?
超小型製品ならまだしも,内部はガバガバにスペースが余っているし,コストだってたいしてかかるものではないと思います。
仮に,壁時計が電池交換不可だったら消費者は黙っていないと思いますが,炊飯器だと許されちゃうものなのかなぁ。
修理代も痛いですが,2週間も米を炊けないとなれば,ほとんどの家では新機種に買い換えざるを得なく,半ばそれを狙っての設計では?と疑ってしまいます。
低消費電力,簡略パッケージなどで「超エコです♪」なんて言っていますが,一番のエコは長く使い続けること。
今も多くのご家庭で,「げっ,時計電池が空になっただけで買い替えかよ・・・。DURAのスプロケ買えちゃうじゃんか」と嘆くお父さん,心中お察しします。
メーカーさん,なんとかして~
おしまい(^^)
【おまけ1】
あ,もちろんですが,自己責任でお願いしますね。
これもコストダウンなんでしょうけど,ネジを5本外しただけで,内部の高電圧部分(インダクションコイル)も全部丸出しになりました。パネル部分は3Vですが,それ以外の部位には十分,お気をつけください。
【おまけ2】
このような強引修理をやっていると,ツマにも逆襲されて,「Edge705の電池がヘタった? お得意の電池交換すればいいじゃん!」と言われるかも・・・(笑)
奥さん可哀想に・・新品の炊飯器が・・。
もう買い替えられたと思いますが。。
自分は電池が切れても、コンセントを繋げば時刻再設定してタイマー(時刻再設定せずとも逆算)が使えましたので、最近まで使い倒しました。笑
新品いいですね。音が静かなんです。