毎秋恒例(?),新しいライトが登場です!(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
毎年のことですが,秋になると買いたくなるのが自転車用ライト。
暗い時間帯に走ることは少ないのですが,逆に言えば,それゆえに「手軽に着脱できる明るいライト」が欲しくなるのです。
てなわけで(?),秋になるたびにライトが増えているのですがが,今年の秋は,LEZYNE社の『HECTO DRIVE 300XL』という,手軽に着脱できる明るいフロントライトが仲間入りしました。
気に入った点
- 十分な明るさと,広い配光パターン
- ゴムバンドによる簡単な着脱
- USB充電式のバッテリー
- 高速・低速の点滅モード
- IPX7相当の防水性能
イマイチな点
- 7つもある発光モードの切り替えが面倒くさい
- USBコネクタ直結の充電
フロントライト2015秋に求めるスペックは?
我が家にある,全焼等前照灯として使える,明るさを持ったライトは以下の4つ。
- guee社の『SOL200』
- GENTOS社の『閃355』
- CATEYE社の『HL-EL520』
- CROPS社の『antarex SX7』
(注)道交法上の前照灯の必要要件ではなく,普通の道を夜に走るのに使えるか,という私見です
記載は明るい順で,『SOL200』が一番明るい200ルーメンです。
どれも,市街地を走るには十分な明るさがあり,特に『SOL200』や『閃355』は郊外でも走ることができるほどの明るさです(高速走行は難しいかもですが)。
しかし,『SOL200』はこちらの記事で紹介したとおり,史上最凶・最悪のダメマウント(言いすぎ?)のために,ロードバイクでまともに使用することはできません(日常生活では,とても役に立っています)
そのほかの3機種(GENTOS,CATEYE,CROPS)も専用マウント方式なのですが,どのマウントもロードバイクでの使用を前提とした形状ではないので,イマイチしっくり取り付けることができません。
また,冒頭にも書いたとおり,もともとロードバイクで夜は走らず,たまに暗くなりそうなときに付けるだけなので,専用マウント方式ではなく,ゴムバンドで簡易に着脱できるとうれしいのです。
そんな,簡単に着脱できて,かつ,十分に明るいライトなんて・・・,ありました!(^^)
LEZYNE社の『HECTO DRIVE 300XL』登場!
次男坊用に色々と自転車用品(ブレーキシューやオイルなど)を購入した際,どさくさで,LEZYNE社の『HECTO DRIVE 300XL』(以下,300XL)というライトを購入してみました。
300XLは,我が家最強の明るさ(と最悪のマウント)を誇る『SOL200』の1.5倍にあたる,300ルーメンの明るさを誇る明るいライトです。
新しいライトを購入した際の恒例ですが,主要スペックを歴代のShiro家のライトと比較してみましょう。
モデル | LEZYNE HECTO DRIVE 300XL |
guee SOL200 |
GENTOS 閃355 |
crops antarex SX7 |
CATEYE HL-EL520 |
---|---|---|---|---|---|
明るさ(cd) | 不明 | 不明 | 不明 | 1000cd | 1500cd |
明るさ(lm) | 300lm | 200lm | 100lm | 36lm | 不明 |
発光モード | 点灯 (4パターン) 点滅 (3パターン) |
点灯 (弱/中/強) 点滅 (低速/高速) |
点灯 点滅 |
点灯 点滅 |
点灯 点滅 |
点灯時間 | 1時間(最強) 2時間(普通) 4時間(弱い) 18時間(最弱) |
6時間(弱) 4.5時間(中) 3時間(強) |
10時間 | 120時間 | 60時間 |
点滅時間 | 10時間 (3モード共通) |
6時間(低速) 12時間(高速) |
22時間 | 350時間 | 120時間 |
重量 | 78g | 45g | 97g | 108g | 180g |
防水 | IPX7相当 | IPX5相当 | 生活防水 | 生活防水 | 非防水 |
外装 | アルミ | プラ | 金属 | プラ | プラ |
電源 | リチウム イオン |
リチウム ポリマー |
単4×3 | 単3×3 | 単3×4 |
お値段 | 4300円 | 2400円 | 2400円 | 1500円 | 4000円 |
紹介記事 | – | こちら | こちら | こちら | こちら |
小さいけど大パワー。期待が高まります(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
他のライトと比べると,一番明るいことは間違いないですが,実際には廃校配光パターン(照射角)次第でもあるので,この点は使ってみないと分からないですね。
でも,期待が高まります(^^)
『HECTO DRIVE 300XL』使用レポート
多くの期待を集めて登場した300XLは,結論から言ってしまうと,大満足です(^^)
具体的に,どこらへんが良いのか列挙していきましょう(○△×は気に入り度を表しています)。
【○】明るい300ルーメン! そして,広い配光パターン
ライトですから,まず一番気になるのは明るさと配光パターンです。
300XLには7つの発光モードがあるのですが,そのうち4個が連続点灯で,最強の300ルーメンから,最弱の15ルーメンまであります。
■点灯モード(4つ)
モード名 | BLAST | ENDURO | ECONOMY | FEMTO |
---|---|---|---|---|
明るさ(ルーメン) | 300 | 150 | 75 | 15 |
バッテリー寿命(時間) | 1:00 | 2:00 | 4:00 | 18:00 |
■点滅モード(3つ)
モード名 | FLASH1 | FLASH2 | PULSE |
---|---|---|---|
明るさ(ルーメン) | 50 | 50 | 50 |
バッテリー寿命(時間) | 10:00 | 10:00 | 10:00 |
備考 | 低速な点滅 | 高速な点滅 | なめらか光量変化 |
4つの点灯モードについて,カメラの露出を固定した上で,手持ちのライトと比較してみました。
比較対象は以下の3つのライトです。
- HECTO DRIVE 300XL (300ルーメン)
- guee SOL200 (200ルーメン)
- CATEYE HL-EL520 (1500カンデラ)
【HL-EL520】かなり小さい光の球になります。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【SOL200】HL-EL520よりは明るいけど,まだまだ。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【300XL】ブラストモード(300ルーメン)出た~! 猛烈な明るさです!!
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【300XL】エンデューロモード(150ルーメン)。SOL200と同じくらいか?
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【300XL】エコノミーモード(75ルーメン)。さすがに暗いです。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【300XL】フェムトモード(15ルーメン)。前照灯としては全く使えません。マーカーなら。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
写真のとおり,300XLはShiro家ライトの中では圧倒的な明るさです。
HL-520ELがいくらなんでも暗すぎですが,本物はもう少し明るいです。
300XLに合わせて暗めに写真を撮らないと,真っ白になってしまうためです。逆に言えば,300XLは肉眼だともっと明るいです。
配光パターンについても,車のヘッドライトのように面的に明るく照らしてくれるので,とても見やすいです。
局所的に明るい「光の球」がハンドル操作に合わせて動いてしまうEL520とは対照的です。
配光の様子を詳しく見るため,もっと真っ暗な公園で試してみると,こんな感じに一定の幅を均一に照らしてくれていることが分かります。
着火前。照明が無い,真っ暗な公園です。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
着火! おぉ~,幅広く明るい(^^)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
市街地走行で角度がズレたときも,ビームのように細い光ではないので対向車などへの被害は少ないのでは?と思います(でも,十分まぶしいので気をつけないとダメでしょうけど)
正面から。やっぱりまぶしいか・・・。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
とにかく,明るさ・配光パターンについては大満足です(^^)
【○】ゴムバンドで装着が簡単!
すでに手元に明るいライトが何個もあるのに,(ツマに隠れて)300XLを購入した理由は「装着の容易さ」。
使用バイクが完全に固定化されていればマウントの方が着脱は容易です(容易じゃないマウントもありますが。しつこい?)
しかし,いつもデカライトを装着する必要があるわけではない,おいらみたいな人(=ほとんど昼間しか走らない)であれば,ゴムバンド方式の方が簡単ではないかと思います。
とてもシンプルな,ゴムバンド方式です。幅がかなり太いので安定感があります。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ごく普通に,ハンドルバーに巻くだけです。装着時間30秒!(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ゴムバンドの長さはオーバーサイズのハンドルバー(31mm)よりも,もう少し太い場所まで対応でき,ステムやフロントフォークなどにも取り付け可能です。
また,ゴムバンドの基部は六角ボルトで固定されていて,ココを緩めることで360度,角度調整が可能になっています。
太い六角ボルトで固定されています。角度は360度自由に回ります(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
下ハンドルにも付けられます。これは意外と便利かも(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
バンドは強力なので,フォークにも付けられます(お勧めはしませんが・・・)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
バンドの幅・長さとしてはフォークに付けられますが,万が一,ライトが外れた時にはスポークに当たったりして大変なことになりそうなので,あまりお勧めしません(おいらもやっていません)
300XLはかなりごっついゴムバンドで固定するようになっているので,ゴムバンド式にありがちな,走行時の不安定さはありません。
カーボンハンドルだと,色んな小物を取り付けるときに,その固定力に気を使うのですが,ゴムバンド式ならその心配もありません。
先日の裏ヤビツ紅葉ツーリングでは丸一日装着した上,長いダウンヒルもありましたが,ぐらつきは皆無でした(^^)
1日100km,ダウンヒルも段差もありましたが,びくともしません(^^)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
【△】こまめに調節可能な発光パターン
前述のとおり,300XLは7つの発光パターンがあります。
高速点滅・低速点滅があるのはうれしいですが,点灯が4パターンもあるのはちょっと多すぎる気がします。
7つの発光パターンの切り替えが物理的なダイヤルやスライダでできるのならいいのですが,例によって,たった1個のボタンで順次切り替えるだけなので,目的の発光パターンに辿り着くのが大変です。
1個のボタンで,7つの発光モードを切り替えるのはちょっと面倒・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
フルパワーの300ルーメンでは1時間しかバッテリーが持たないので,光量をセーブしたモードが必要なのは分かるのですが,やっぱり,7モードは多すぎです。
この点はちょっと残念。
【○】IPX7防水
過去に購入したライトは「日常生活防水」のものが多く,中には「非防水」という,今思えば信じられないライトもありました。
暗い夜道,雨が降ってきたらライトは仕舞わなければならないのですが,「雨&無灯火」って,これ以上危険なライドはないような・・・?
300XLはIPX7相当(1m水没×30分)の防水性能なので安心です。
しかし,重ね重ねですが,非防水のライトの方が非常識な気がしますが・・・(^^;
【△】USBコネクタ直結の充電方法
300XLはUSB経由の充電式バッテリーですが,接続方法がちょっと変わっています。
普通は,マイクロUSB(or ミニUSB)のケーブルを接続して充電するタイプが多いと思いますが,300XLの場合は「USBコネクタへ直結」なんです。
ライト後部のカバーを外すと標準サイズのUSBコネクタが出てくるので,これを直接パソコンのUSBポートに差し込んで充電します。
このまま,パソコンのUSBポートにブッ挿しますが,パソコンの置き場やポートの向きによっては使いにくいのです・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
代理店のHPでは「コードレス充電」とかすごいこと書いてありますが,Qiのような非接触充電ではなく,単なるポート直結です(笑) まぁ,確かにコードはないですけど・・・(^^;
デザイン的に面白いし,ケーブルレスで便利と言えば便利ですが,パソコン側のUSBポートの位置や向きによっては使いにくかったりします。
おいらの場合,ノートPCだと300XLが上下逆さまになるので充電ランプが見えないし,デスクトップPCだと足で蹴飛ばしたりしてコネクタを折損してしまいそうで,どちらもイマイチな環境です。
この点については普通のように,USBコネクタで充電するほうがいいなぁ。
【○】デザイン/サイズ
LEZYNEと言えば,アルミのCNC削り出しの美しさがシンボル。
300XLもアルミボディなのですが,どうも,そんなに美しくないのがちょっと残念。
表面がポリッシュだと輝いて格好いいのですが,微妙にザラザラ加工なのです(まぁ,この辺は好み次第でしょうか)。
いつもの(?),LEZYNE製品のピカピカなポリッシュ仕上げではありません。ちと残念。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
全体的なデザインは,普通は筒状に長いライトを,大きめな消しゴムみたいな四角い形なのは面白いです。
バッテリーのエネルギー密度がデカイので,乾電池使用のライトより大分コンパクトです。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
前方から見たときも,小さな丸ではなく,車のヘッドライトのようなデザインなのが気に入っています。
小さな,車用ライトのような四角いデザインです。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
まとめ
発光パターン変更の操作性や,USB充電コネクタの使いにくさなど,若干の弱点はありますが,全体としてはとても気に入っています。
とにかく面的に明るくて走りやすいですし,ゴムバンドで簡単に着脱できるので,週末以外は最寄り駅までのママチャリ通勤にも使っています。
これだけの大光量のライトが4000円ちょいというのは,かなりのコストパフォーマンスの良さと思います。
昼間でも十分な視認性があります。峠道でもおすすめ!(^^)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
汎用のLEDライトに比べて異様に高価な製品が多い自転車用ライトですが,ようやく,常識的なお値段の製品もでてくるようになったなぁ,という気がします。
同じようなサイズですが,両者には1000倍くらいの明るさの差があります。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
5年前なら,数千円も出したのにローソクみたいな明るさ,というライトも珍しくなかったですから・・・。
個人的には300ルーメンあれば十分ですが,LEZYNEの上位機種では700や1500なんていう化け物みたいなライトもあるようですので,必要に応じてご検討いただければ,です(^^)
おわり。