今回の作業の細かさは尋常じゃないです。米粒が大きく見える・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
先日,フォトポタ研究所の家電修理作業史上,もっとも細かい作業を完遂しました。
8年前にやったQステアの修理ではその細かさから「脳外科手術並み」と世界中から賞賛されました(うそ)が,今回の修理は「米に文字書く職人並み」と言っていいほどです。
どちらがすごいか分かりにくい例えですが,いずれにせよ,40過ぎの目にはかなり辛い作業でした・・・(^^;)
NEXUS(2013)タブレットのマイクロUSBコネクタ不良発生
我が家では,男3人衆(おいら,長男,次男)がそれぞれ違うタブレットを使っています(Xperia,NEXUS,iPad mini)
そのうち,長男が3年前から使っているGoogle NEXUS (2013)の調子が良くないとのこと。
マイクロUSBケーブルを挿しても充電がうまくできないそうで,ご近所のビックカメラに持ち込んでみたところ,「だいたい12000円くらいかかる。ア~ンド,修理しなくても見積もり料はいただくゼ?」と脅されたそうです(多少,誇張アリ)
2万円そこそこで買ったタブレットを,たかがコネクタ不良ごときで12000円も払わされたらたまらんので,いつもの「家電ケチケチDIY魂」に火がついてしまいました(笑)
根本的に,こういう作業が好きなんだろうな・・・(写真はQステアのコイルの断線状況を確認しているところ)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
まずは症状を正しく見極めよう
長男からNEXUS7を受け取り,不良の様子を確認した結果,以下のことが分かりました。
- コネクタの挿し込みがとても緩い(コネクタがバカになってる感じ)
- 普通にケーブルを挿しただけでは充電が始まらない
- ケーブルを上下に揺らすと,充電が始まる場合がある
問題のマイクロUSBコネクタ部。NEXUS7は,この部分の弱さに定評があるそうです・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
大事なのは3つめの「揺らすと充電できるときもある」というところで,これによって,ソフトウェア関係ではなく,電気的・メカ的な不具合っぽいことが推測されます。
具体的には,以下のような不良が推測できます。
- マイクロUSBの受け側(コネクタ)がユルユルになっていて接触不良を起こしている
- 〃 の足(ピン)の半田付けが基板上で外れている
- 〃 の足が断線しかかっている
もしかしたら3つの症状を併発しているかもしれません。
さてどうしたもんか・・・?
まずは,マイクロUSBのコネクタ購入
上の分析の通り,少なくともコネクタがユルユルになっていることは確実っぽいので,コネクタは新たに用意しておく必要があります。
なんとなく「汎用品かも?」と思いつつも,違っていたら面倒なので,「NEXUS7(2013)用」と明記されているものを用意しました。
お世話になったのは,スマホやタブレット類の各種基板やパーツが信じられないくらいの品揃え(と安さ)の無問題(MOUMANTAI)というネットショップ。
なんか,名前がちとアヤシイ感じがして(失礼)不安ではありましたが,無問題でした。
というか,注文受付・在庫確認・発送の各段階で確認メールが到着し,また,注文から3日で我が家に届くAmazon並みの素晴らしさ。
梱包も丁寧ですし,送料込みで1個824円というのはとてもリーズナブルで,まったくのMOUMANTAIです。
にしても,送られてきたマイクロUSBコネクタの小ささには驚愕してしまいました。
ち,小さい!! あきたこまちと比べてもこんなに小さい~
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
写真で一緒に写っているのは,米粒(2014年産あきたこまち)です。
左右に4本出ている足は,おそらく基板に本体を固定するため(兼アース)のもので,それなりに大きいと思うのですが,下に生えている5本の細いピンは細さもさることながら,そのピッチが尋常じゃない狭さです。
もちろん,修理作業の中では誰かがこれを基板に半田付けしなければなりません。
えっ? おいら?
もう50も近くなってきたし,目もしょぼしょぼなんですけど・・・
さぁ,取り掛かろう!
「無問題」さんからの荷物を開梱したとたん,コネクタの小ささにドン引きしてしまったおいら。
ネット情報を探したのですが,「私にはこんな小さいパーツのハンダは無理!」と言って,コネクタ単品ではなく,周辺基板ごと交換してしまう人の方が多いようで,だんだん心細くなります。
さらに,良く考えたら,新しいコネクタを基板に装着する前に,現在ダメになっているコネクタを取り外す必要があるじゃないですか・・・!
こんな小さなパーツ,周囲を傷つけずに取り外せるのか!?
しかし,先にパーツを買ってしまった手前,後戻りはできません。前進あるのみです!
【STEP 0】まずは装備確認!
作業を始めるにあたって用意した工具たちは以下の通りです。
作業前に準備した工具たち。全部使ったわけじゃないですが・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
作業をやる前に撮った写真なので使わなかった物もあり,実際に使ったのは,以下の4つだけです。
- 虫眼鏡
- 子供が持っていたヤツ(博物館で購入)。あまりにパーツが細かいので絶対に必要です。
- ハンダゴテ
- HOZANの小型15Wハンダゴテ。ハンダゴテに限っては,絶対に「大は小を兼ねない」ので小さめのハンダゴテは1本持っておくといいでしょう(ある程度なら,小は大を兼ねられます)
- ハンダ吸引器
- 取り替えるコネクタを基板上から剥がす際,ハンダ吸引器が必須です。ハンダ吸引器はあまりに安物だと,先っぽが融けたり,吸引力が弱かったりするので,ある程度のお値段のものを使いましょう(といいつつ,800円ほどですが。笑)
- ピンセット
- 世界のダイソー製です(108円)。意外と出番は少ないですが,ハンダで熱くなった部品を持つときなどに(本当は熱遮断タイプがいいのですが,そこまで凝らずに大丈夫)
他のものは見慣れているかもしれませんが(?),ハンダ吸引器は家電修理バカ以外ではあまり見かけないかも。
基板上で溶かした半田を「スポ~ン」と吸い込んでくれる素晴らしい工具で,多数の足が生えたICやコネクタを基板上から取り外す際には必須の工具です(グダグダやっているうちに,基板の配線パターンを損傷させてしまう)
この道具は実にピンキリですが,おいらはAmazonで800円で買ったブツを使っていますが,先端は融けないし吸引力も十分です。
ただし,商品名が少し怪しくて「新しいマザーボードの修復ツール真空ガンはんだ除去ポンプ」です。意味が分からんです・・・)
お値段は安いですが,しっかりした作りで性能も十分な「新しいマザーボードの・・・」
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
後半(作業編)につづく
いつものようにダラダラと書いていたら,いつものようにとても長い記事なってしまいました。
この調子で作業の様子まで紹介すると,長編小説になってしまうので,とりあえず,今日はここまで。
修理作業(分解・取り外し・取り付け・組み立て)の様子は次回「作業編」で紹介します。
つづく・・・(^^)/
>cressonさん
おっ,このヘンテコ名称の謎が・・・?(^^)
コンデンサもモノによっては電解液の封止部分がダメだったりして,設計寿命よりはるかに短く液漏れしやがる奴もいますね。
そういや,おいらも昔やったことあったなぁ,コンデンサ交換。
cressonさんもDIYマニアですな(^^)