蓑毛に向かう,すがすがしい9%勾配。たのくるしい~(^^)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
ここ数回のヤビツアタックでは,「序盤で飛ばしすぎない!」を合言葉にクレバーな走りを心がけています。
にも関わらず,家に帰ってから簡易計算のパワーグラフを描いてみると,毎回のように「序盤で飛ばしすぎて,後半にヘタる」という形になってしまっています。
以前に比べて,おいら的にはかなり序盤を抑えているつもりなのですが,一体どれくらい抑えればいいんでしょう・・・?
長いけど,要するにこんなお話です(^^)
- 簡易パワー計算では,おもにタイムと標高差でパワーを推定
- タイムはいいけど,標高差は気圧高度計なので誤差が大きい
- 過去16回のデータから平均値を求めたら,意外な事実が・・・
- 今後は,平均値データを必ず使うようにしましょう!
簡易パワー計算の「落とし穴」発見!
おいらがやっている「簡易パワー計算」は,ふじいのりあき氏の『ロードバイクの科学』を参考に,エクセルの計算シートを作ったものです。(解説&ダウンロードはこちらからどうぞ~)
パワーメーターがあればもっと簡単ですが,10~20万円もするブツを購入する余裕は残念ながら無いので,ビルゲイツと一緒にExccelで勝負(?)です。
—
走行中のライダーにかかる抵抗は,いろいろありますが,主に以下の3つです。
- 重力抵抗(重力に逆らって登る抵抗)
- 空気抵抗(風に逆らって走る抵抗)
- 転がり抵抗(タイヤの変形やチェーン・軸受け等の抵抗)
実際に計算してみると,ヒルクライムの場合は重力抵抗が支配的だということが分かります。
登りでも30km/hを超えるようなエリートライダーだと空気抵抗も馬鹿にならないのでしょうけど,時に一桁km/hにもなる駄目ライダーのおいらでは空気抵抗は全然発生せず,
くらいの割合です。
簡易パワー計算のシートでは3つの抵抗をキチンと計算してはいるのですが,結果的には「何mの標高差を,何分で走ったか」が主体といえます。
標高差とタイム,どちらもEdgeの計測データを用いるのですが,タイムについては自動ラップ(1km)を使っているので超正確です。
一方,Edgeの気圧高度計で計測している標高差にはかなりのばらつき(誤差)があります。
自宅でローラー台をやるときにも,「高度:-10m」なんていう表示がされることもあり,「うちは竜宮城かよ!」とか突っ込むくらいです(笑)
なので,この怪しい,だけどとても大事な「標高差」データについて,もう少し真面目に考えてみることにしました。
実際のデータを見てみましょう
過去40回以上もヤビツに登っているのですが,ちゃんと区間ごとの標高差データを残しているのは16回。
これら16回の標高差データを区間ごとに並べて比較してみました。
毎回の全ラップ(L1~L12)を比較してみるとこんなに差があります。
赤が最小値,青が最大値です。たとえば,L1だと最小41m,最大63mと18mも差があります(!)
もちろん,理想では16回とも同じ標高差になるはずですが,結果はかなりバラツキがあることが分かりました。
例えば,第1区間(0~1km)では,最小は41m,最大は63mと大きなバラツキがありました。
ためしに,バラツキの大きいL1・L11と,比較的安定しているL2を比較するとこんな感じです。
スタート直後のL1と,ゴールに近いL11はバラつきが大きい。L2は比較的安定。
こんなにバラツキのある標高差データでは,パワー計測もくそもないですねぇ・・・。なんとかせねば!
しょうがないので平均化処理しましょう
本当は,正確な高度データがあれば一発なのですが,名古木交差点からピッタリ1kmずつ区切った地点の標高データを入手するなんて不可能ではないかと思います。
しょうがないので,手元にある16回の計測データのうち,最小・最大データをカットした上で,14個のデータで平均値を求めることにしました。
これで,たった1回の計測で決めるよりは精度が上がるのではないかと期待します(もとの偏差がデカイデータの平均値に意味があるのか,という問題はありますが・・・)
ラップ | 標高差(m) |
---|---|
1 | 48.8 |
2 | 26.8 |
3 | 30.3 |
4 | 71.8 |
5 | 68.2 |
6 | 51.3 |
7 | 50.6 |
8 | 68.0 |
9 | 61.5 |
10 | 68.9 |
11 | 53.8 |
12 | 35.4 |
標高差を補正する前と,補正した後のパワーグラフの形を比較してみましょう。
走行データは前回走行(5月2日)時のものを使いました。
補正前(赤)と,補正後(青)のパワーグラフ。ちゃんとした標高データ使えば,ほぼフラットな走りしてることが分かるじゃん! 最終ラップの落ち込みが気になるけど・・・。
どうでしょう,このものすごい差!
前までは,この赤い線(補正前)しか見られなかったから,「序盤飛ばしすぎたか・・・」とがっかりしていたのですが,標高差を平均値補正したデータで描きなおせば青い線になり,ちゃんとフラットになっています!
特に序盤の様子は,自分の体感をもマッチしていると思います。
(補正前グラフのように)狂ったように高出力で走った記憶が無いんですもん(笑)
良かった,去年より少しはクレバーになっているようです(^^)
一時は「これ以上抑えろってどういうこと?」「遅くて倒れるぜ?」なんて思っていたのですが,パワー計算の誤りが原因でした。
これからは,この補正済み標高データを「Shiro家ヤビツ標準標高差データ」に指定し,これを使ってパワー計算を行うことを法制化していきましょう(^^)
今週末はいよいよ富士山試走。データにとらわれず,自分と対話しながら走ろう!(身も蓋もないが)
SONY DSC-TX10
まぁ,パワーメーターがあれば,こんな苦労はいらないですけどねぇ。
でも無いよりはマシ,あるものを使って,ビルゲイツと共に頑張りましょう!
おしまい(^^)
>Ottyさん
確かに,勾配が大きいと,ほんの僅かな前後のズレ(走行距離のズレ)で大きな標高差になりそうですね。
そうなると,距離については正確なサイコンデータの方が確実かもしれませんね。
これからも,毎回のように標高データを積み上げていって,精度を高めていこうと思っています(^^)
いつか,本当にパワーメーターが欲しいところですが・・・。