最近,しばらくカメラやチビ語の話ばかりで,本の話が少なくなっていました。「じゃあ,読んでいなかったの?」となると,全く逆で,読み過ぎていて書く暇がなかったのが正解です。
おいらは,『博士の愛した数式』の博士のように記憶力が少なく,読んだ本の内容もすぐ忘れてしまいます。忘れないうちに,書き留めておきましょう。
んで,読書日記再開第一号(?)は,Elliott Erwittの写真集,“Personal Exposures” 「読書ったって,写真集じゃん!」という声もありますが,Erwittはテキストも楽しいなのです。
Elliott Erwittは,おいらが大好きな写真家です(というか,他の写真家を知らないだけかもしれないけど・・・)。
好きになったきっかけはすごく単純。初めて手を出し,かつ,大好きになった洋楽(洋楽って,なんか,古い言い方の様な気がしてきたな・・・)のジャケット写真に使われていたからです。その「洋楽」とは,Fairgroud Attractionの『A First of Million Kisses』というアルバム。
この写真(というか,Erwittの写真全般)は,とても有名なので,ジャケットだけでなく,ちょっとしたポストカードや雑誌なんかでも見たことがある人が多いと思います。
でも,初めて「洋楽」に手を出した高校生のおいらは,まだ写真バカではなかったので,ジャケット写真はとても気に入ったものの,それが誰の作品かまでは気にしていませんでした。
その写真が,Erwittのものであるのを知り,同時に大ファンになったのは,高校生から10数年を経て,子持ちパパになり,カメラバカになってからです。
Erwittは,「マグナム」という,おっかなない名前の写真家集団に属しています。戦場写真で活躍したキャパらが創設した集団に居ながらにして,Erwittの写真は,被写体に対する優しさやパターンのユーモアに溢れた暖かい写真です。(Erwittはロシア語もできるので,冷戦時代はソ連に忍び込んで大スクープとかもやってましたが・・・)
そして,おいらが大好きなのが,“Personal Exposures”の表紙でもあるこの写真。なんとも暖かい写真であると同時に,Fairground Attractionの曲の雰囲気を全て伝える写真です。
“Personal Exposures”だけではなく,“Between the Sexes”や“1/125”も好きな写真集ですが,どの写真集にも暖かい視線を感じることができます。
そして,それを裏付けるように,写真集“Personal Exposures”では,Erwittの写真に対するユーモアのあるテキスト(かなりの量)が添えられています。
私がいつも心がけているのは,とても単純なこと。私は観察し,見る人に楽しんでもらおうと努力をするが,結局のところ,何よりも撮りたいのは感情のたっぷりつまった写真である。
サロン的な写真雑誌とかには,「なんだか良くわからん写真」や「なんとなく不快感を感じる写真」などをよく見かけますが,おいらは,Erwittのような暖かい写真が好きだなぁ・・・。