簡単な対策で、ちゃんと排熱機構がうまく働き始めました!(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
前編では、ウルトラモバイルPCである『GPD POCKET』の溺愛ブリと、その過熱問題に悩まされていることを紹介しました。
後編では、過熱問題の原因調査と対策についてです。
ビックリするくらい簡単な対策で、15℃も温度を下げることに大成功です(^^)
NICEPOINT
- CPU以外のチップの熱を拾えていない、排熱が内部に還流してる、などなど課題山積
- 放熱パッドを貼ることで超改善!
- 15℃低減、ファンは超静音、すばらしい(^^)
GPD POCKET熱すぎ問題調査結果
GPD POCKETの過熱問題について、フォトポタGPD過熱調査団が、GPD POCKETのふたを開けて内部調査を1時間にわたって行った結果、以下の問題点が明らかになりました。
【問題点1】CPUしか冷やしてないのでは?
プロセッサ(CPU)で発生した熱を、ボディ右下(写真は裏返しなので左下)にあるヒートシンクにかき集め、ファンで外に排出する設計になっています。
L字型の銅板が左下のヒートシンクに熱を伝え、ファンで左側面に排熱します
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CPU以外にも熱を発生させるメモリチップ(バッテリの左横、縦に4つ並んでいるヤツ)や各種コントローラなどがあるのですが、熱をヒートシンクに伝えるための銅パイプはCPU以外には配管されていないように見えます。
また、肝心のCPUについても、もっとガバッとカバーした方が熱を拾ってあげられるような気がします。
【問題点2】ヒートシンクからの排熱が内部に還流してる?
ヒートシンクまで運んでこられた熱は、ファンで排熱口から外に捨てられるのですが、ヒートシンクとファンの間に隙間があります。
左がヒートシンク、右がファン。ファンからの風はヒートシンクを通って、左から外部に排出されます。
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しかし、ヒートシンクとファンの間に隙間が。熱せられた風が、ボディ内に漏れているのでは?
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小さな隙間ですが、ここから温風の一部がボディ内部に還流してしまうのではないかと危惧されます。
【問題点3】オマケ程度の放熱パッドが貼ってある
発熱番長のCPUの他にも熱を持つチップはあり、その一部には、冷却用銅板へ熱を伝えるためか、放熱パッドらしきものが貼ってあります。
が、いかにも超適当な貼り方で、「かえって熱がこもるのでは?」という感じです。
なんかのコントローラーでしょうか、超適当な放熱パッドが貼ってあります。
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【問題点4】アルミボディを活かしてないのでは?
起動直後から活火山のように熱いGPD POCKETですが、ヒートシンク・排熱口付近のみが熱く、そのほかのボディ部分はひんやりしています。
GPD POCKETのボディはアルミ製なのに放熱には役に立ててなさそうです。
もったいない・・・。
こんなに広い放熱面を活かせていない。左下は吸気口です。
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GPD POCKET加熱対策方策決定
フォトポタGPD過熱調査団の報告に基づき、GPD過熱対策の骨子案が策定されました。
- 【対策1】熱をヒートシンクに適切に導く
- ヒートシンクにさえ熱を持っていけば、とりあえず、当該チップ周辺は冷えるはず
- 【対策2】ヒートシンクから外部へ確実に排熱する
- ヒートシンクとボディの隙間を埋めてやり、排熱の一部がボディ内部に還流するのを防ぐ。
- 【対策3】ボディ背面からの放熱を促す
- GPD POCKETのボディはアルミ製ですから、ボディ背面全体に熱を伝えてあげれば、大きなヒートシンクとして効果があるはず。
これら作業のために、「放熱パッド」という製品を我が人生で初めて買ってみました。
分厚いサロンパスみたいな形状のシートですが、別に、サロンパスのようにスースーするわけではなく、非常に熱伝導効率が良く、貼り付けた物体間で熱が素早く伝わるというアイテムです。
そんなマニアックなものを求める人が少ないせいか、例によってお値段が張るので、【対策1】用に、各方面で絶賛されている独サーマルグリズリー社の『minus pad8』の一番小さなシート(12cm×2cm)を購入してみました。
また、【対策2】【対策3】用に、もう少し広範囲に貼れるように、そんなに絶賛されてはいない、3Mの『ハイパーソフト放熱シート』(10cm×10cm)も購入してみました。
左が3M、右がサーマルグリズリー社の放熱パッド。
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GPD POCKET過熱対策作業の様子
作業といっても、ふたを開けて(すでに開いている)、適当に切った放熱シートをペタペタ貼るだけです。
どちらの放熱シートも、はさみで切れるし、保護フィルムを剥がすと弱い粘着面が出てくるので、ほぼ、サロンパスを貼るのと同じ感じくらい簡単です。
元から付いていた、いい加減なパッドを剥がす。
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サーマルグリズリー社のパッドをこんな風に貼る。
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ファン・ヒートシンク間の隙間はこんな風に塞ぐ。
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ヒートシンクの隙間は小さかったので、細長く切った、サロンパス、いや、放熱シートで隙間を埋めておきました。
また、ボディ背面へも熱を伝えられるよう、サロンパスを若干厚めに貼り、蓋をしたときに少し押し付けるくらいにしておきました。これで、サロンパスを伝わって、背面への熱が伝わってくれればいいのですが・・・
ボディ全体で放熱できるよう、3Mのパッドを全面に貼る。
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過熱対策作業の効果
改善前の温度測定と同じ条件、ZWIFTアプリケーションを起動して、内部のプロセッサ温度を記録してみました。
対策前は80℃までいっていたのに、65℃くらいに収まってます!(^^)
対策前は、すぐに70℃なり、最後は80℃まで上昇していましたが、対策後は65℃までしか上昇しませんでした。
対策をすることで、15℃も温度を下げることに成功です!(^^)
対策の効果をまとめると、こんな感じです。
- すごく静かになった!!
- 対策前は、常に最高速で冷却ファンが回っていたので、静かなオフィスでは気になるくらいでしたが、ほぼ無音。堂々と遊べます(ダメ)
- ボディ背面は広範囲にわたって温くなった
- 対策前は、排熱口付近だけ過熱していましたが、背面ボディ全体が温く発熱するようになりました。すごいっす。
- 45℃くらいで巡行運転
- 大きな負荷をかけずに放っておくと、45℃くらいで安定するようになりました。
まとめ
たかが、放熱パッドを貼っただけで、プロセッサ温度が15℃も下がったので大成功です。
とともに、放熱パッドの威力に驚かされました。
ヒートシンクまで正しく熱を運んでいるようですし、プロセッサ取り付け位置の反対側のボディまで温くなっているのには、驚きです。
先人たちの中には、ヒートシンクとの間に塗る放熱グリス(DURAグリスよりはるかに高価)をやり直すなど、大作業に挑んでいる偉人もいらっしゃいますが、パッドだけでもかなりの効果があるし、超簡単です。
作業は1時間もかからないし、すぐに元に戻せるので、GPD POCKETの超過熱状態に悩まされている人は、一度お試しはいかがでしょう?
これで、素手で持っても火傷しません(^^)
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これでまた、手のひらに乗るスーパーノートPCに愛着が深まりました(^^)
もちろん、本記事は(画像処理も含めて)すべてGPDで書かれています。
それではまたごきげんよう(^^)
先日、ちょうど拝見させて頂き真似してみたところ、
CPUが壊れPOCKETちゃんがお亡くなりになりました。
どうも使用したシートが質が良くなかったようで、電源は入りますが画面が付かない状態に。。
幸い中国におり、本場の深圳で500RMBほどで蘇生が出来るようで、
一件落着?しました。
安易に手を出すべきでは無いと悟りました。