「お金」って不思議ですよね。
なぜ,すべての企業は成長し続けなければならないのでしょう?
なぜ,経常利益が何千億円もある会社も,借金をするのでしょう?
また,(これが本題ですが)なぜ我々は,新しい自転車機材を投入し続けなければならないのでしょう?
これらの問いかけには,資本主義の最大の特徴であり,同時に大きな課題でもある,たった一つの単語で答えることができます。
それは「利子」の存在です。
(おさらい)資本主義における企業の成長
新聞の投書欄やネットの掲示板なんかに,「もう,あくせく成長しなくたっていいじゃないか」「日本は成熟したんだからこの状態を維持すればいいんだ」という趣旨の投稿を見かけることがあります。
が,幸か不幸か日本は資本主義の国であり,そのような牧歌的な企業経営は,局所的にはあるかもしれませんが,国全体ではありえないことになっています。
なぜか,この辺の「国のしくみ」は学校であまり習う機会がないような気がするので,簡単にまとめてみました。
このお話はグルグル循環になっているので,どこから書いたらいいのかチト悩みますが,超簡単に箇条書きにしてみると,「企業が成長し続けなければならない理由」や,「優良企業こそ借金しなければならない理由」はこんな感じです。
- 1.資本主義社会は「早い者勝ち」
- 優れた製品やサービスを開発することも大事ですが,それ以上に大事なのは「他社よりも早く出す」です。30年前なら驚異的ですが,2015年に「20MBのハードディスク」を開発しても遅すぎですし,新興コンポメーカーが「4段変速のコンポ」を発表しても誰も見向きもしないでしょう。
- 2.コツコツ貯金じゃ間に合わない!
- 毎年,利益の一部を貯金していけば,いつかはまとまった額になり,ド~ンと設備投資や研究開発に支出することは可能です。でも,1.の通り,そんなことをしていたら間に合いません。
- 3.借金が最も早い手段
- 良いモノを今すぐ作るためにお金を用意するには,色んな方法(銀行,社債,株式なんでもいい)で「他人からお金を借りてくる」のが最速です。たった1日で何十,何百億円も調達できます。
- 4.借りたお金は「利子」が付く
- 当たり前ですが,借りたお金には一定の比率の「利子」を付けて返さなければなりません。
- 5.「利子」を返すために成長する
- 借りたお金に「利子」を付けて返すために,企業は最低でも「利子」分だけでも成長しなければなりません。利子5%で借りたなら,最低でも5%は成長しないとあかんとです。
- 6.成長するために次の借金をする
- 黙っていても成長しませんから,新たな投資をするために,次にまた3.に戻ります。
細かいことを言い出すとキリがないですが,超大雑把にまとめればこんな感じでしょう。
借金→利子→成長→借金→利子→成長・・・。
この自転車操業状態(言いえて妙だなぁ・・・)を,ほとんどの企業が,それこそ狂ったような高速サイクルで回しまくるのが資本主義社会の仕組みです。
だから,「この辺でいいんじゃない?」「のんびり行こうよ~」なんていっていると,あっという間に無限の縮小スパイラルに落ち込んで消えていってしまいます。
一瞬でも止まることができない。
誰も目的地点が見えていないけど,とりあえず成長しなければ!というベクトルだけがある。
そう考えると,なんか,怖いですよね・・・。
いまこそ新たな機材を!(^^)
上に書いたのは,資本主義における企業活動でした。
しかし,これは自転車競技者にもバッチリ当てはまります。
例えば,ある地方の会社員(45歳,子持ち&住宅ローン持ち)が,ヒルクライム成績で伸び悩んでいると仮定します(あくまで仮定です,笑)。
その原因は旧式の機材によるところが大きそう(間違いない)ですから,新たに,例えば以下のような機材に変えれば劇的に成績が向上することがはっきりしています。
- フレームを「KUOTA KOM」にする
- コンポ全部を「DURA-ACE Di2」にしてしまう
- ホイールは「Lightweight オーバーマイヤー」ぐらいで我慢しておく(笑)
このスペックで組んだ自転車は150万円くらい(もっと高い?)するでしょう。
しかし,成長のためには絶対に必要なんです。
これを,毎月のおこずかいで1000円ずつ貯金していった場合,購入できるのは1500ヵ月,すなわち122年6ヶ月も先です(2137年8月ごろ)。
その頃にはDURA-ACEの型番も6桁くらいになっている(ST-790000とか)になっているでしょうし,当の会社員は肉体への負荷が高いヒルクライム選手としての全盛期は過ぎていることでしょう(167歳なんで,存命していない可能性もある・・・)。
このスピードじゃ,間に合わないんです!(笑)
というわけで,今すぐ,150万円の借金をしてでも新機材を投入し,あとはゆっくり1500回払いで,孫の代まで返済していけばいいのです。
全く問題ない理屈です
はずなのですが,なぜか,妻が首を縦に振りません。
ヤビツにしろ,富士ヒルクライムや湘南平にしろ,年数%のタイム短縮どころか遅くなってしまっている現状。
ここらで,ずっど~んと巨大投資をして,ずっど~んとタイム短縮させるのが,資本主義的には正しいはずなんだけどなぁ(笑)
なんて,異様に苦しいHIITの後,朦朧とした頭で,また馬鹿な記事を書いてしまいました・・・(^^;)
おしまい。
(おまけ1)
念のために計算してみると,元金150万円,年利1%だと,元金均等で月1751円のお支払いで,2137年8月に1500回目の支払いを持って完済となります(^^)
がんばれ,息子たち,孫たち,その他,セワシ君的な人たち!
(おまけ2)
「年3%成長」なんて気軽に(?)に言いますけど,ものすごいことですよね。
わずか20年で2倍になるんですよ?
どう考えても消費しきれないほどのモノやサービスにあふれている本質的な理由はここですね。恐るべし,自転車操業。
>sramredさん
確かに,誰にも突っ込まれていなかったです(笑)
今回の記事は,超思いつきで書いただけなので,当フォトポタ日記にとって大事な「扉写真」のことを考えていませんでした。
話題が「お金」の記事なので,札束をモチーフにした写真を撮ろうとしたのですが,残念ながら,家中どこを探しても,「人生ゲームの札束」しか見つかりませんでした。
そこで,無料の写真素材ページで入手した写真を掲載しています(フォトポタ日記では初かも)。
copyright表示も不要なので,結構便利です。
というわけで,いつもは書いてあるキャプション(カメラ名,レンズ名)などもなしです。
お騒がせいたしました(^^)
いや待てよ,この写真を本当に撮影した人は,やっぱり,本物の札束を使っているっていうこと・・・?
すごいなぁ・・・。