久しぶりに、とても面白い自転車本でした。
タイトルの通り、世界最高のサイクリスト(特にツールの有名選手)達が、どのようなトレーニングをしているのか、どんな食事をして、どうやって休んでいるのか、最先端の選手・チーム・サイエンティストたちの取り組みが紹介されています。
ただ、「自分のトレーニングの役に立つか?」と言われると、たぶん役には立たないと思います。
役には立たないけど、楽しい、読み物です(^^)
楽しい(&目新しい?)、自転車読み物
今までのトレーニング関係の本は、超エリート向け(「パワートレーニングバイブル」等)か、超初心者向け(メニューが2、3個書いてあるだけ)とかがほとんど。
本書は、そのどちらとも違う、読み物系(?)のトレーニング本。
具体的なトレーニングメニューや栄養管理などは書かれていませんが、世界トップレベルの選手(タイトル通り、ツールドフランスの選手たち)が、どういうレベルで取り組んでいるのかを垣間見ることができ、楽しい読み物です。
内容は実に多岐に富んでいます。
- パワートレーニングの歴史
- 栄養管理、補給の仕方
- 高地トレーニング
- バイクのエアロ化
- ウェアやヘルメットのエアロ化
- 暑さとへの対応方法
- リカバリー法、 などなど
ただ、どのコーナーも基本的には「世界最高のプロは、こんなすごいことに取り組んでいるんだよ」という紹介であり、「じゃぁ僕も(わたしも)やる!」とすぐにできるようなものではなく、また、そのやり方が示されているわけではないので、やはりここは、素直に読んで感心するのが、本書の正しい読み方です。
先日のZWIFT。ものすごい塊で走る選手たちに抜かれました・・・。(本文とは関係なし)
自分として読んで面白かったのは、こんな記事でした。
- トップ選手のFPTのレベル
- リーダージャージはオーダーメイドじゃないので、序盤で着ることになるとデメリットも
- 高地で苦しい思いをするのが高地トレーニングではない
- UCIのルールが非常に厳しいのでメーカーとイタチごっこになっている
- 最新のエアロ技術(どのくらいのアドバンテージが得られるか、タイヤの太さはどうかなど)
他にも、ツールの期間中は毎日膨大な量の食事(もちろんチーム指示による)を採り続けないとならず、ツールも終盤になってくると「ようやく、過剰に食べなくていい日が来る・・・(喜)」という開放感があるという話には笑ってしまいました。
その一方で、レースに向けて絶食していくなど、とにかく食事にも支配される競技なんですねぇ。
役に立つか・・・な?
amazonなんかの書評を見ると、
- 最先端のトレーニング手法が分かり、最高に役に立つ
- 具体的なトレーニング法・メニューが無くて、全く役に立たない
という感じで、評価は両極端に分かれています。
で、自分の感想は冒頭に書いた通りであり、この両者の感想を合体して「最先端のトレーニング手法が分かってとても面白いけど、自分の役には立たない」というものです。
極限、限界の努力を重ねる世界最高レベルの選手がやっていることは、少し前のたとえでいえば、「SPEEDO社の水着とMIZUNOの水着で悩む」ようなものであり、我ら一般人は、「それ以前に、泳ぎをマスターしましょう♪」です。
逆に、すでに実業団やプロで頑張っている人なら、この本の程度のことなら知ってて当たり前だと思われますし、たかだか3000円の書籍で学ぶ知識ではないと思います。
最近はTREKに乗っています(^^) ちゃんと、Segafredoのロゴまで描かれている・・・。
なので、この本は以下のような人におススメかと思います。
- 自転車関係の読み物が好きな人
- 来年のツールをもっと楽しく見たい人
- ちょっとした自転車蘊蓄(うんちく)を仲間に自慢したい人
自分は3つ全部に合致したので、十分元を取れましたが、トレーニング目当ての人だと「金返せ~!」になると思いますので、ご注意を~
トレーニング手法の紹介が目当ての人は、以下の定番2冊を読めば、げっぷが出るくらい十分かと思います。
もちろん、2冊とも持っており、まさにバイブルです(^^)
おしまい。
(おまけ)読み始め時のコメント(2018.9.2)
世界のトップサイクリストたちのトレーニング手法や理論を垣間見れます。直接的な方法やメニューの紹介はないですが、考え方や歴史を理解する読み物として面白いです。
まだまだ、1/10も読んでいないのですが、トレーニング(主にパワートレーニング)の発達や背景などが語られ、とても楽しく読めます。
たまに、ツール選手の裏話なんかも載っています。
プロ選手のFTP(実効的出力閾値。こと出力に関する限り、“実効的出力閾値”と“閾値”は同義と考えて差し支えない)は門外不出の秘密だが、ブラッドリー・ウィギンスの実効的出力閾値は440ワットから460ワットの間だといわれている。
・・・略・・・
また、外部に流出した2015年のツールの写真には、420ワットというアルベルト・コンタドールの出力が写っていたといわれている。毎週5時間から7時間トレーニングする熱心なホビー・サイクリストの出力は、250ワットを下回る程度だろう。
『世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング』 p.19から引用。太字は拙者
最高でもFTP240Wしか出なかった、不熱心なサイクリストです・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
昨年秋から半年間も、週5時間くらい頑張ったのに、240Wしか出せませんでした・・・(涙)
読み進めるうちに、涙が出てしまうかもしれませんが、頑張って最後まで読んでみます。
読了したら感想書く予定ですので、しばしお待ちを m(_ _)m
あり? 10→11s化って、フリーボディの根元を削ったりしないと装着できない、と思っていました。
スペーサーを外すだけで付いちゃうもんなんですか!?!?
・・・が、特に11速の必要性がなく、むしろ9でもいいのではというくらいなのですが(^^;
でも、いずれ10速パーツが手に入らなくなると思うと、いつかは歩む道なのかなぁ。