「キリのいい数字」を目標にしてしまうことについて

こういう結果(40分12秒)になってしまう原因は,目標設定の仕方にあった・・・!

こういう結果(40分12秒)になってしまう原因は,目標設定の仕方にあった・・・!

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為末大さんの言葉が好きで,本やネットでよく読みます。

最近立ち読みした本(←ごめんなさい。買います!)に,自分自身にぐいぐい突き刺さる文章がありました。

トップアスリートならではの素晴らしいお話で,ほぼ同じ話が,為末さんのブログにも同じことが書かれていたので,引用しながら紹介したいと思います。



なぜ「10秒」を目標にしてしまうのか?

いまだに日本人は陸上100mで10秒を切ることができず,これを「10秒の壁」と言うそうです。

おいらは他人のスポーツ成績にそれほど興味はないので,「日本人の夢」とか「日本人の悲願」とか言われるのは奇妙な感覚ですが,それでも,多くの日本人は「いつかは日本人も10秒の壁を破ってほしい!」と願っているようです。

ここで為末さんは「どうして9秒82の壁でもなく,10秒14の壁でもなかったのだろうか」と問います。

どうして9秒82の壁でもなく,10秒14の壁でもなかったのだろうか。

たぶん答えは簡単でそれの方がキリがいいからなのだろうと思うけれど,キリがいいとは一体どういうことか。

私たちは生まれてこのかた十進法の世界で生きている。10の次に1が来る。私たちが生きている十進法の世界では10がキリがいい。

たしかにおっしゃる通りです。会社でも,確かな根拠があるのかどうだか分かりませんが,「売上30%アップ」とか「経費半減!」とか勇ましい目標がたてられることが多い気がします。

さらに,為末さんはこう続けます。

目標を立てるのはいいことである。

確かにそうだけれど,目標設定にも弊害があるという点はあまり語られていない。日本一を絶対目標にした人は世界に出ていけなくなるし,10秒を目標にした人は9秒92を考えづらくなる。

目標は大体自分の限界値あたりに置くものだと私たちは考えている。本当はもっと遠くに自分の限界があった場合でも,目標を設定したことにより限界化するという事がスポーツの世界では起こりうる。

(太字はおいら)

まさに同感。

目標以上に頑張ろうとする気がわかなくなったり,年度末にちょうど目標あたりで落ち着くように(意識的,無意識にしろ)コントロールしてしまっていることがあります。

最初から目標が高すぎて4月から無視,という時もありますがそれは別の現象(笑)

ヤビツの「40分の壁」が・・・!

なぜ,この為末さんの言葉がおいらの心にぐいぐいと突き刺さってきたのかといえば,全く同じ構造の壁がおいらの中にもあることに気が付いたからです。

陸上100mの選手たちの心に「10秒の壁」があったとすれば,おいらの心のど真ん中には「40分の壁」がど~んと立ちはだかっています。

もちろん,ヤビツ峠(名古木交差点~頂上)の「40分の壁」です。

同じ記事の中で,為末さんはこうも言っています。

共通の目標は聖域化する。

ここが日本人の夢の一線か。そう思った時にアスリートの心の底には,やってやるぞという思いと,もしやれなかったらという恐怖が混じる。

最初のうちはそうでもなかったかもしれないけれど,挑んだ選手が10秒寸前で止まるたび,少しずつ重い空気が漂い始める。

10秒05と同じただの数字であるはずの10秒00に意味が生まれていく。ランキングをみれば00を筆頭に01,02,03,と並んでいる。まるでそこに何かあるかのように見えてくる。

(太字はおいら)

為末さんは,おいらのヤビツ記録を見たうえでこの記事を書いているのかもしれません(違うと思う)。

おいらがヤビツ「40分の壁」に挑み続けた記録は,以下のようになっています。

7年間,59回のヤビツタイムを順に並べると・・・40分あたりに見えない壁が!

7年間,59回のヤビツタイムを順に並べると・・・40分あたりに見えない壁が!

2010年の初挑戦から,今に至るまで59回も挑戦しているのですが,40分台のタイムが9回もあります。

いつもと違って,40分のところに「目標ライン」を引いていませんが,それでも,このグラフを見た誰もが「あぁ,この人の目標は40分なんだろうなぁ」と分かると思います(笑)

為末さんに見せてあげたいくらいです。

きっと,おいらの限界は自分で思っているより遥か遠くにあり,40分なんて超余裕なんでしょうけど,10進数のクセで40分を目標にしてしまったことで,それが「壁」になり,6年もかけてどんどん壁を厚くしてきたのでしょう。

なので,2017年になったら,目標は「今年のヤビツは39分31秒」とか「今年の富士ヒルは1時間13分」とか,すごい目標にしてみようと思います。

幸い,為末さんはこんなことも書いています。

ロジャーバニスターという選手がいた。1マイル(1600m)4分を人類はきれないと言われた時代に,果敢に他の二人の若者と挑戦し,それを達成した。

ところがその後1年の間に23人のアスリートが4分を切ったと言われている。

壁が敗れた途端それはもはや壁ではない。

(太字はおいら)

なんて,心強い話でしょう!!

長年,苦労してヤビツ40分を切った人も,翌週から30分台をバンバン出せていて,「いままで何故できなかったのか分からない」と言っているのを聞いたことがあります。

100mよりも,さらにメンタル要素が強い(と思っています)ヒルクライムだけに,要は気持ちの持ちようですね。

2017年は気持ちをでっかく,かつ,非10進数の目標で頑張ろう!

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為末さんの話はどれも興味深い(^^)

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