久しぶりに自転車本の紹介。
最近,自転車関係では雑誌しか読んでいなかった(といっても,コレとコレの2冊だけですが)ので,単行本を読むのは本当に久しぶり。
会社帰りに寄った本屋さんで平積みになっていた,栗村修さんの『そこが知りたい!ロードバイクトレーニング』。
以前読んだことがある,『かなり本気のロードバイクトレーニング』の続編のようです。
タイトルに「トレーニング」とは書いてありますが,中身は,ロードバイク生活全般における「安全」や「ルール」「おきて」に類することが書いてあり,レースに限らない,栗村氏らしい,楽しい本でした。
「トレーニング」というより「ロードバイク入門」かな?
前作,『かなり本気の・・・』では,具体的な数値ややり方はさておき,ロードバイクのトレーニング方法が紹介されていました。
それでも,「もっと,トレーニングの具体的な方法を書いてほしい!」という意見もAmazon書評などでは見かけましたが,今回の『そこが知りたい!・・・』の方は,さらにトレーニングから離れていて,ロードバイク人生の送り方がメインという感じです(もちろん,トレーニング強度や効率のいいトレーニング方法などの話題も書かれていますけど)。
この辺が,「面白い♪」vs「物足りん!」という評価の分かれ目になると思いますが,あまり誤解を招かないタイトルにしておいたほうがいいような気もします。
目次を抜粋するとこんな感じです。
読んでいて「ほほぉ~」と肯いたり賛同できたのはこんなところ。
ロードレースにはお金がすごくかかるということ
本書を読んで一番賛同できたことかもしれません。
栗村氏は,レースにはお金がすごくかかるのに,そのことについて触れている本や雑誌を見たことがない,と書かれています。
ロードレースに出ようとすると,大会のエントリー代はもちろん,交通費や宿泊費,食費など,2~3万円はかかりますから,年に10回のレースに出ようとしたら,20~30万はかかることを覚悟しなければならない,ということです。
ただでさえ参加費1万円なのに,さらにプラスアルファまで・・・!
SONY DSC-TX10
おいらも,ロードバイクを始めたころはドラ焼き代くらいしかかからなかったのですが,富士ヒルやエンデューロに出るようになると,バカにならないお金がかかるようになり,徐々に,機材やアクセサリにはお金を使わない(使えない)ようになってきました。
もっとお金のかからない,近場の小さいレース(おいらだと,CCCFなんかが該当?)にも参加して,遠征費を浮かすのがコツと書かれていました(^^)
ハンドサイン・ジェスチャーによる意思疎通
普段,おいらは,大勢で走ることがないので,ハンドサインやジェスチャーは,右左折や停止など,必要最小限しかできていません。
明らかに下手くそな次男坊を後ろに従えているときは,加速,減速,路上の障害物注意などにもサイン出ししていますが,それでもまだまだ不十分だと思っています。
レースだと,こんなもので全く足りないことも承知していたのですが,本書では,1例として集団内でのダンシングを挙げています。
ヤビツでダンシングを始める次男坊。一時的に速度が落ちます。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
ダンシングを始めるとき,その選手は一瞬速度が落ちます。
そのわずかな減速が,直後の選手の接触や減速を招き,さらに後続の選手たちに・・・と広がっていく恐れがあるとのこと。
過去3回,エンデューロレースに出ていますが,確かに初心者の方だと,ちょっとしたスロープで予想外のダンシングが始まってびっくりさせられることがありました。
集団で走るということは,誰もが他人の命を預かって,運命共同体で走っているということを再認識できました。
ウェアの着る順番
ロードバイクのウェアは,(特にビブタイプ)着る順番を間違えるとうまくいきません。
でも,意外と入門書や雑誌等では説明されていないのではないでしょうか?
おいらも,入門当初は,心拍計やレッグウォーマーなど,先に装着すべきものを忘れてしまい,よく発狂していました(今では,次男坊が同じミスをよく犯しています)。
まぁ,ロードレースに出るレベルの人は間違えないと思いますが・・・(笑)
ウェア・バイク・アクセサリの洗い方・保管方法
もう,まったくレースとは関係ない気もしますが(笑),いろいろ面白かったです。
中でも笑ったのが,ライドから帰ってきたら,ヘルメット・ウェアを着たままシャワーを浴びるという荒業。
確かに,これで体もウェアも同時に洗える!(笑)
おしまい
こんな感じで,ロードバイクのトレーニング本としては,かなり異色と思われる本書。
「この本さえ読めばトレーニングはばっちり」と思って買うとかなり後悔することになりますが,これからレースを始める or 数回だけ参加したことがある人には,とても楽しめる内容だと思います。
記録を伸ばす,上位に食い込むのではなく,安全に,末永くロードバイク・レースを楽しめることを目標にした本なんだと思います。
初参加の時の富士ヒルクライム。初めてだらけで緊張したなぁ・・・(^^)
RICOH GX100
ただ,タイトルや装丁などを気を付けないと,どこかの青い自転車のおじさんのように,「同じ本ばっかりたくさん出して!」と陰口をたたかれるかもしれないので,気を付けたほうが良いでしょう(^^)
おしまい。
何処かの青い自転車のおじさんって笑えた。
確かに遠征費はバカにならないですよね。
那須岳もそこが最大のネックです。