2015年7~8月の月間読書記録です。
「そんなコーナーあったっけ?」というくらい本を読んでいなかったので,も1ヶ月遅れでも良かったのですが,読んだ本を忘れてしまいそうなので(すでに忘れ始めている・・・),とりあえず2ヶ月分まとめて掲載です。
2015年7月~8月の読書記録
いつものとおり,定期的に読んでいるカメラ雑誌などを除く,この期間の主な読書は以下の通りです。
著者 | プチ感想 |
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『敗者たちの ツール・ド・ フランス ~ランタン・ルージュ~ 』 マックス・レオナルド 評価:★★ |
書店の自転車本コーナーに平積みされていて,目撃した瞬間に中身も良く見ないで即購入。とても素敵な表紙デザインで一目惚れです(^^) ツールドフランスにおける最下位選手に与えられる称号「ランタンルージュ」。決して名誉なことではないはずですが,逆に言えば,たとえ最下位でもリタイヤすることなく,1ヶ月弱にわたり3000km近い距離を走り抜けた,ということは賞賛に値するものとも言えます。 12の章に分かれているのですが,最初に読んだ,ジャッキー・デュランの章があまりに格好良くて涙物でした。落車しても,怪我をしても,どんなときでも,「逃げ」を決めるためにかっ飛ばす。その結果が最下位であっても,何もしない負けとは雲泥の差がある。 とにかく,この1章を読むだけでも価値があります。 ・・・が,全体的にボリュームが多すぎるというか,どこか東洋の国の自転車ブログのように話が脱線して長すぎるのが難点。ツール黎明期の話がおおいので,歴史物が好きな人(たとえば,この本が好きな人)にはいいかもしれませんが,そうではないと退屈かもしれません。 でも,ジャッキー・デュランの章だけは読んで損はしません(しつこい) |
『紙の月』 角田光代 評価:★★ |
久しぶりに角田光代を読みました。『紙の月』は宮沢りえ主役で映画化もされているのでご存知の方も多いかも。 真面目で成績優秀な女性銀行員(正確にはパート)が,ふとしたきっかけで出会った若い男に,不正操作で手に入れた億単位のお金と自分を浪費していってしまう物語。 実際にあった似たような事件(若い男に貢いでしまった女性銀行員)をモチーフにしているのかもしれませんが,この小説では「貢ぐ」のとはちょっと違い,誰のお金なのか,自分の借金はどれくらいなのか,自分は誰なのか,なにもかも見えなくなって,不正に手を染め,信じられないような大金を蒸発させてしまう。 宮部みゆきの『火車』などもローン地獄に絡んだミステリーでしたが,『紙の月』には謎解きの要素は一切無く,主人公がどういう風に堕ちていってしまうのかが淡々と描かれています。 主人公の周りの人間,特に貢ぎ先(?)の若い男には人物的な魅力は全く無く,ほぼダメ人間です。読んでいると,「なぜ,こんなバカ男に?」「その金があったら,俺に電動DURA-ACEを!」とかつぶやいてしまうほど,人物描写もペラペラです。 でも,角田光代は,あえてこの男を魅力無く描くことで,読者に「やむにやまれず貢いでしまった」という誤解を持たせたくなかったのかもしれません。 「やむにやまれず」や「ちょっと魔が差して」ではなく,人間が本来持っている性質,その人間が生きてきた環境が,必然的にこういう事件に走ってしまうことを書いているようです。 金得えられる快楽,安心,幸福。ペーパームーンのように,それは見せかけであって本物の月ではない。そんなことは分かっているのに・・・,というジレンマがなんともいえません。(『八日目の蝉』が読めた人にはオススメです) |
『どちらともいえません』 奥田 英朗 評価:★★★ |
奥田英朗のスポーツエッセイ。いつもながら,最高に面白いです。前作(延長戦に入りました)でも,「こんなこと言っちゃって大丈夫か?」と心配でしたが,本作も同じです,いやそれ以上です(笑) いろんなスポーツをテーマに挙げて,なぜ日本は弱いのか,逆に強いのか。なぜ,メダル数にこだわるのか,などなど,どれも多少(?)の毒舌を織り交ぜながら楽しく分析しています。 日本のサッカーが弱く,野球が強いのはなぜか,の分析は面白かったです。 日本人は礼儀正しいので,キチンと順番を守って打席に入り,前の選手を追い抜くなんてもってのほか,という野球はピッタリ。 逆に,相手に体当たりしてボールを奪い,当たっても無いのに転がって,痛くも無いのに痛がってファールを貰う。そういう,「我先に!」というサッカーには向いていないのではないか,という論です。たぶん,全然当たってない(笑)と思うのですが,とにかく文章が面白いので許せちゃいます。 まぁ,それもこれも,著者が全てスポーツをこよなく愛しているからだと思います。普通,「大相撲は八百長があって当たり前。ムキにならないで」と書いたら,クレームになるよなぁ(^^) |
『首折り男のための協奏曲』 伊坂幸太郎 評価:★★ |
『ペーパームーン』を読んで結構疲れたので,伊坂幸太郎でちょっと一息(こんな扱われ方をされる伊坂幸太郎って。ファンのみなさん,ごめんなさい・・・)。 いつものように,多少のファンタジー要素を含みながらも,基本的には「勧善懲悪」な物語なのです。いや,たぶんそうだった。 すいません,全然思い出せないので,来月あたり,また読み直してみます。確か,面白かったような・・・(^^; |
な,なんだ,これ?(笑)
たった4冊!?
過去最低の読書ペースの謎
それにしても,2ヶ月で4冊って(しかも2冊は読みかけ)って凄いペースですね。
今まではだいたい1月に4~5冊の小説を読んでいましたから驚異的なスローペース。「自転車・カメラに続く,第3の趣味は読書です♪」とか言っている場合じゃないですね。
まぁ,察しはつくとは思いますが,この低読書ペースは全部「フォトポタ日記のMovableType→WordPress移行作業」が原因です。
この期間に読んだ小説はたったの4冊(というか完読1冊)ですが,パソコン関係(WordPress,PHP,CSS3,HTML5)の本は相当な量になります。
これだけの本をほぼ完読し,ようやく,フォトポタ日記は旧システムのMovableTypeから,新しいWordPressへ移行を遂げつつあります。
約2ヶ月,集中的にWordPressやPHP,CSS3,HTML5を勉強して分かったのは,「若い頃ほど覚えられない」という事実です(涙)
もともと情報工学出身なのでプログラミング言語やプロトコルを学ぶのは苦ではないし,むしろ好きなほうです。
しかし,この2ヶ月,頑張って書籍を読破しても,なかなか頭に残ってくれなくて,何度も何度も読み返しながら作業を進めていました。
若い頃なら,とりあえず本を買って勉強すればすぐに使えたのに,今は,1回読んだだけではダメで,その事実に驚いてしまいました。
読んだだけでは入らず。書けば,なんとか・・・(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
でも,そんなにガッカリはしていません。
勉強しても全く歯が立たないとなると悲しいですが,曲がりにも,何とか一通りの知識は身に付きました。
WordPress標準装備のカスタマイズだけじゃなくて,ちゃんと,「ヒルクライム記録一覧」とか「カテゴリアイコン一覧」みたいな,以前のフォトポタ日記に実装されていた機能も,WordPress上にウィジェットの形で徐々に再現できるようになってきました。
やればできるんです(遅いけど,笑)
やればできるんです,遅いけど(^^;
我が家の子供たちの,物を覚える早さ,習得する早さを見ると本当に驚きます。
長男はハンドボール部から柔道部に変更しても違和感無く試合に出ているし,次男坊は初日からロードバイクを乗りこなしてヤビツまで登ってしまう。
毎日毎日,朝から晩まで勉強や部活をやって,その大部分をカラダや頭に吸収していってるんでしょう。
うらやましい限りです(ここの記事でも,そんな話をしました)
でも,我らオッサンだって,やればできるんです。
覚えるの遅いし,覚えても忘れちゃうけど,いつかはちゃんとできるんです。
走るのだって遅いけど,長持ちするんです(笑)
速筋は無いけど,遅筋はたくさんあるんです。
な~んてことに気が付かされた,なんにも読まない2ヶ月の読書記録でした。
おたがい,ゆっくり,長く,がんばりましょう!
おしまい(^^)