最近読んだ本に,「世界で一番最初にベッドから起きる写真家しか,世界では生き残れない」という,超かっこいいフレーズがありました。
そう,プロの風景写真家にとって,技術よりも,装備よりも,早起きすることが生きていく上での最低条件です。
走行時間が限られるサラリーマンライダーにとっても同じなのですが・・・。
風景写真家の格言 - とにかく早起きしろ
いい風景写真を撮るには,早朝と夕方の短い時間,通称「マジックアワー」に撮影すべし,とは良く聞く写真上達のコツです。
最近読んだ本では,本ではもっともっと厳しい,風景写真と向かい合う姿が描かれていて,ちょっと感動してしまいました。
- 『ランドスケープ・フォトの極意』相原正明
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冒頭に紹介したとおり,「世界で一番最初にベッドから起きる写真家しか,世界では生き残れない」という格好いいフレーズがありますが,そのほか全編にわたり,風景写真と向かい合うためにはどれほどの覚悟が必要なのかということが語られています。一読すると,無性にやる気の炎が燃え上がること請け合いです(^^)
- 『デジタルフォト 達人への道』スコット・ケルビー
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『ランドスケープ・・・』とは正反対に,全編がギャグ満載という珍しい写真本ですが,その中でも,風景写真の項目だけは真面目に「プロのような風景写真を撮るためには,夜明け前に起き,ほとんど毎晩のように夕食にはありつけないという生活を送らなければなりません」と語っています。
両書に共通するのは,『朝夕を逃してしまうのは写真家としてはありえない』ということです。
『ランドスケープ・・・』の方にはそのようなエピソードが満載されているのですが,友人の外国写真家を自宅に招いた際の話も面白いです。
その友人写真家は,著者宅に到着するなり「東側に窓がある部屋はあるか」と尋ねたそうです。
そこで,東側に窓がある部屋で寝てもらったところ,その友人は早朝(か?)の2時から,東の空に向けてカメラを構えていたとのことです。まぁ,それを見つけた著者もすごいですが・・・。二人とも,いつ寝ているんだよ(笑)
と,とて~も長い前フリですが,おいらも早起きして冬の「夜明け前写真」を撮りに出かけることにしました。
影響されやすいのねぇ~(笑)
意気込みはすごい。それが実行できればの話だが・・・
過去に1回だけ,べらぼうに早起きして江ノ島界隈に出かけたことがあります。
真冬の,誰もいない朝5時の海に巨大な月が落ちていくシーンに遭遇し,声も出ないくらい感動した記憶があります。
しかし,死ぬほど寒かった上に三脚も持っていかなかったため,ブレだらけでシャープさを失った,ダメダメ写真しか撮ることができなく,Shiro一生の不覚でした・・・。
一見,いいんだけど,ブレブレです・・・(涙)
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
その反省から,今回はちゃんと三脚を背負い,ガッチリとカメラを固定して撮影することにしました。走りは二の次,三の次です。
また,超スローシャッターで波を消し去り,鏡面のような海が輝くような写真もイメージしていたので,減光フィルター(ND100)も持って行くことにしました。
土曜日夜に準備を完璧にこなし,いよいよ,日曜日の朝4時に飛び起きるだけ,のはずだったのですが・・・。
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どび~ん,5時半じゃん!
もう,東の空はうっすらと明るくなり始めていました。
この時点で戦意の70%くらいは失われてしまいましたが,せっかく起きたのですから,夜明け後の写真でも無いよりはいいので,海まで行ってみることにしました。
結果オーライで楽しかったけど・・・
家から20分ほどで到着した鵠沼海岸。
海に突き出た突堤の上に三脚を据え,ヘルメット+タイツ+ロードシューズという,写真家としてはありえない風体で写真を撮り続けました。
撮影場所の鵠沼海岸突堤。先っぽは危ないので,ここまでで我慢(^^)
Nikon D600 + Nikkor 24-70mm F2.8
超格好いいサーファーを発見したのですが,望遠レンズが無くて届かない・・・。
Nikon D600 + Nikkor 24-70mm F2.8
相変わらず,「波の流し撮り」に挑戦中(^^)
Nikon D600 + Nikkor 24-70mm F2.8
ウッドデッキにたまった砂を,大砂丘風に撮ってみる(笑)
SONY DSC-RX100 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
これはコンデジで撮った片瀬海岸。綺麗な光線が出てます。不思議~(^^)
SONY DSC-RX100 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
撮り始めて10分ほどで日の出を迎えてしまい,とても,「夜明け前の静かな海」とは程遠い写真になってしまいましたが,それでも,撮影すること自体はとても楽しかったです。
出来栄えは,普段の写真となんにも変わらないですが,それでもいいです。写真家じゃなくて,1ロード乗りなので(笑)
でも,やっぱり,来週こそは朝5時に海岸について,世界が一番静まり返っている時間帯を撮りたいなぁ・・・。
22時前には寝てしまうくらいの準備が必要だなぁ。
それではまた来週!
おしまい。
【おまけ】
この日は,Noguさんと,「ジャージ」と「ドラ焼き」を取引する日でした。
早朝のクソ寒い海辺に現れた二人のおっさんが,「ジャージを出してもらおう」,「ドラ焼きが先だ」と,港でのマフィア取引のようにして物々交換いたしました(誇張あり)
にぎやかな,マクドナルド鵠沼海岸店。
SONY DSC-RX100 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
あまりの寒さに朝マックしていたら,マツさんも現れ,しばし自転車談義。
冬の早起きは辛いけど,やっぱり,「早起きは三文の徳」ですね(^^)
家に帰ったら,シューズ・カバー・ペダルの大掃除だな,こりゃ。
SONY DSC-RX100 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
>さん
コメントありがとうございます~
って,まさか相原さんご本人とは!!
勝手ながら,適当な文章で紹介してしまって申し訳ない限りです。
この本は,ある意味,目が覚める思いで読みました。
普通,写真の本っていうと,露出・絞り・シャッター・ISO・WBなど,説明書を読めば分かることを,手を変え品を変え書いている気がします。
ところが,「極意」の中では,風景写真を向き合う心意気というか,まさに極意がかかれています。
スポーツやポートレートに比べると,風景写真かは静的なイメージを持っていたのですが,ところがどっこい,もっと熱く,アグレッシブじゃないといけないんですね。
素敵な本をありがとうございました!
(自分の写真に役立てているかは別なのですが・・・,涙)