第2回目の主人公はコレ,Eliteのデボヨなのヨ。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
夏のボトル特集(と言うほどではないのだけど)の第2回目は,Eliteの真空耐熱ボトル「DEBOYO(デボヨ)」。
今年の冬は,使い始めこそ熱湯で火傷したりと低評価でしたが,その後,ノズル無しのキャップを使うことで「普通のポット」としてもそこそこの活躍をしてくれていました(冬評価の様子はこちらを参照)
そして,DEBOYO本来の姿である,夏の保冷能力を試すときがやってきました!
おさらい-DEBOYOとは?
自転車業界において,保冷ボトルといえば「ポラー」のことです(たぶん)。
見た目は普通のボトルですが,二重構造となっていて隙間の「空気層」によって保冷する方式のボトルです。
おいらも2本持っていて(750cc,500cc),確かに普通のボトルより多少は保冷してくれますが,冷たい飲み物を入れても,だいたい1時間もすれば人肌レベルのぬるさになってしまう程度の保冷能力に物足りなさを感じていました。
そんな,生ぬるい自転車ボトル業界に切り込んできたのが,Eliteの真空耐熱ボトル「DEBOYO」。
■
名前はヘンテコですが,つくりは本物の「魔法瓶」そのもので,金属の二重構造の隙間が真空になっていて,高い断熱効果があります。
リアル魔法瓶であるサーモスなんかと比べると,以下の特徴があります。
- ノズル付きキャップが用意されている(単なる蓋のキャップも同梱)
- 自転車のボトルケージにジャストフィットサイズ
また,金属ボディであるために,ポラーでは禁止されていた温かい飲み物の運搬も可能であり,今年の冬は大活躍してくれました。
夏のDEBOYOの使い勝手
冬場のDEBOYOは,ノズル付きキャップで舌が火傷をするので使えなくて不便な面もありましたが,夏場のDEBOYOはかなり使い勝手がいいです。
以下,いいところ,悪いところをいくつか紹介します。
高い保冷能力
暑くて走れないくらい太陽がさんさんと降り注ぐ日曜日,ポラーとDEBOYOの保冷能力比較実験をやってみました。
結論から言っちゃえば,手持のポラーに比べたら,保冷能力の差は雲泥の差です。
実験の条件は以下の通り。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
内容物 | 普通の水 | 冷蔵庫で一晩冷やし,さらに氷を10個投入 |
容量 | 500cc | |
実験場所 | 真夏の太陽が直射する玄関先 | 照り返しもあり,40度くらいありそう・・・。 |
本当は,冬の実験のときと同様に,1時間おきに正確な水温を測りたかったのですが,なんと水温計がぶっ壊れていることが判明。
氷点下10℃だと!? 水温形が壊れていました・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
しょうがないので,ほぼ0℃の水に氷を10追加し,その氷が融け切るまでの時間で比較することにしました。
また,融け切っちゃった方は0℃以上になっているはずですが,適当に「指」で温度を測ります。
かなりアバウトですが,そんなに高精度を争う実験でもないので,まぁ良いでしょう(^^)
実験の結果は以下の通りです。
■計測開始
【9:00】氷を10個ずつ入れて実験開始!(^^)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
直射日光が当たる玄関先に放置。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
気温は30℃を超えます。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
■1時間後
【10:00】げっ! ポラーはもう氷が溶けきってるじゃん!!
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
■2時間後
【11:00】 DEBOYOはまだ氷が残っている!
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
■3時間後
【12:00】 さすがに,あと少しで溶けきる感じ。実験終了~
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
金属ボディの真空断熱ボトル(DEBOYO)と,プラスチックの空気断熱ボトル(ポラー)では最初から勝負にならないところもありますが,結果は予想以上でした。
両者とも10個の氷でスタートしたのですが,わずか30分ほどでポラーの氷は融けてなくなり,3時間後には指を入れると熱いと感じるほど,「HOT」なドリンクになってしまっていました。
一方,DEBOYOは3時間経ってもまだ氷が残っていて,桁違いに高い保冷能力が確認できました(もちろん水温は0℃)。
実際の走行状態では自転車の揺れによって攪拌され,もっと早く融けてしまいますが,それでもここ数週間のライドの実績では2時間は氷が残っていました。
ばか暑い夏,キンキンに冷えたドリンクをどこでも飲めるというのは,やっぱり,とってもうれしいことであります(^^)
諸刃の刃の「ノズル付きキャップ」
DEBOYOにはノズル付きキャップがあるので,口でくわえればすぐに飲むことができます。
が,これがDEBOYOの特徴でもあり,ウィークポイントでもあります。
普通のボトルではボディを握る(=潰す)か,口で吸い込むことでドリンクが流れ出してきますが,DEBOYOは金属ボディであってそれはできません。
そこで,DEBOYOは,ノズルを引き出すとボトル内部への「空気穴」が開くようになっています。
一見,普通のボトルと同じノズルですが,引き出すだけで流れ出す仕組みです。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
こうすることで,ボディを握ることなく,空気穴から空気を取り入れつつ,その代わりにドリンクを流れ出させることができるのです。
普通の水筒のように両手を使ってあける必要が無いので,信号でちょっと止まったときなど,すぐにドリンクを飲む(しかも冷たい♪)ことができるのは,とても便利です。
しかし,この方式には2つ問題があります。
- ボトルを傾けただけで(吸い込まなくても)ドンドン流れ出してくるので,加減が難しい
- ドリンクに泡が混じって流れてくる
1.は特に問題で,普通の「握る」「吸い込む」ボトルと比べると,かなり違和感があります。
ドリンクの残量が多いときは,予想よりも早い段階(傾きが浅い)から流れ始めて,こぼしてしまいます。
逆に飲み終わりのときは,早めに口から離してしまうと流出が止まってくれていなくて,こぼしてしまいます。
ノズルを開けて,傾ける前からノズルを口でくわえてしまえばいいのかもしれませんが,普通のボトルってそういう飲み方じゃないですから(口に含む前に空け,飲み終わってからケツで閉めるみたいな),しばらくはDEBOYO流の飲み方修行が必要なようです。
水も滴る,いいボトル(困るのだけど・・・)
DEBOYOのボディは真空断熱構造なので,内容物が0℃付近でもボディ表面は冷たいということは無く,むしろ外気温に近い状態です。
なので,ポラーのようにボディ全体に水滴が付いて困るということはありません。
ポラーはボディ全体が濡れていきます。断熱ができていない証拠ですが・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
しかし,キャップは普通のプラスチックでできているので,表面がかなり冷えてしまっていて,水滴がたくさん発生します。
前述の通り,DEBOYOは高い保冷能力を持っているので,家を出てから数時間はドリンクは0℃付近になっていますから,長時間にわたってかなりの量の水滴がキャップ全体に付きまくります。
幸い,ノズル部にはカバーがあるから衛生的なのですが,キャップ全体は路上の砂埃を拾って汚れてしまいますし,自転車のフレームもずぶ濡れになります。
写真だと分かりにくいのですが,かなり濡れまくります。BB付近が濡れてしまいます・・・。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
キャップも断熱構造になっていたら最高なんだけどなぁ・・・。
しょうがないので,一定時間ごとにケージから外して,ウェアのあちこちで拭きながら走っています。かなりヒンヤリするので,それはそれでいいんですけど(^^;)
(ポラーでも良くやっていました)
まとめ
長くなりましたが,夏場1ヶ月の使用をまとめると,
- 高い保冷能力は本当にありがたい!(^^)
- 独特の専用ノズルは,慣れるのに修行が必要(--)
- キャップ周りの濡れ濡れ状態はやむなし?(ーー#)
といったところです。
もっと短時間に大量のドリンクをガンガン飲む人であれば,ポラーに入れてはすぐに飲み干し,補充を繰り返せばいいのかと思いますが,おいらみたいに小食(?)の人は,長~く冷たい状態を保ってくれるのは本当にうれしいことです。
ノズルの使い勝手がちょっと難しいので,たぶん,ヤビツタイムアタックのように激しい走りには全く不向きと思われます(泡だらけの上に,こぼしやすい)。
でも,どうせ真夏にヤビツなんてやりませんから,長い距離をのんびり走るに夏には最適かも。
フレームが濡れる問題はなんとかしたいなと思いつつ,今年の夏は,DEBOYOで乗り切ります!(^^)
なんか,いい対策ないかな~?
今年の夏は,DEBOYOで乗り切ろう!
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
>クロさん
おいらのは,コカコーラモデル(?)ですので,標準とは少し違うかもしれませんが,参考になればなによりです(^^)
LOOK純正ボトルゲージの場合,本当にきっつきつのサイズなので,出し入れには多少気を使います。
その点でも,激しいヒルクライムレースなどでは使用不可ですねぇ。
ノンビリライド向きです(^^)