こんなミクロサイズで32GB。フロッピー(懐)の2万5000枚分ほどの容量があります・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
子供がiPodやiPadを買うときに,「何ギガがいいかなぁ」「8ギガじゃ少なくない?」なんて話をしていました。
また,会社でもパソコンが不調だと,ちょっと知った風のおじさんが「メモリが足りないんじゃないかなぁ。最低2ギガは無いとねぇ」みたいなことをおっしゃられています。
こんな会話を聞いていると,30年前からパソコンやマイコン(死語?)に親しんできた情報工学科出身オヤジとしては,「ギガバイトって,も~~のすごい容量なんですけど!」なんて思ったりして,隔世の感があります。
ギガバイトってどんくらい?
定義からすれば,1ギガバイト=1024メガバイト=1024×1024キロバイト=1024×1024×1024バイト。
つまり,1ギガバイト=10億7374万1824バイトとなります。
(もうちっと正確に言うなら,このような使い方の場面では「ギガ」ではなくて「ギビ」「メビ」「キビ」でしょうけど,細かいことは忘れましょう)
これが,どれくらい巨大なメモリ容量なのかと問われても,自分で手作業でアセンブル作業や「poke」をやったような経験がない方には,なかなかピンと来ないでしょう。
なので,手近な「文字数」に置き換えてみます。
普通,漢字は1文字で2バイト必要ですので,400字詰め原稿用紙をびっしり埋めると800バイト(2バイト×400文字)になります。
1ギガバイトだと,驚く無かれ(笑),400字詰め原稿用紙134万2177枚に相当するのです!
毎日,原稿用紙10枚の作文を書き溜めたとしても,370年もかかる容量です。
今から370年前といえば,正保元年(1644年)。徳川家光の息子,徳川綱重が生まれた年です。
みなさん,おなじみの徳川綱重。おいらは,もちろん,知りません・・・。
綱重が生まれたその日から,コツコツと毎日原稿用紙10枚の日記を書き続けて,ようやく,今年超大作が完成するという膨大な量のデータなのです。
それに引き換え,冒頭に登場した,知った風おじさんは「テレビ録画するなら1寺テラは欲しいネ」ともおっしゃっています。
テラはギガの1024倍ですから,原稿用紙13億4217万7280枚にもなります。
毎日10枚書いても37万年。
まだ,ネアンデルタール人も,アウストラロピテクスも誕生していないころから書き始めないと・・・(笑)
大昔のお話
おいらのパソコンデビューはNECのPC9801m2ですが,当時としては超巨大な256キロバイトのメモリが搭載されていました。
当時は「こんなの一生かかっても埋められないな」なんて思っていましたが,ギガを単位に書けば,わずか,0.000244ギガバイト。
我が家に現存する,最小容量のSDカード。これだって,当時なら数百万円のメモリボードに相当します。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
パソコンを使い始める前は,SHARPのポケコンを愛用していて,コレにいたっては,多くても10キロバイト(0.0000095ギガバイト)くらいのメモリしかありませんでした。
こんな小さなメモリで何ができるかというと,ちゃんと横スクロールの「グラディウス」や「サラマンダー」を自分で作って遊んでいました。
もちろん,BASICなどという高級言語ではなくマシン語(今で言うアセンブリ言語)で書き,それをすべて手作業で数字コードに変換して,10キロバイトという広大なメモリに打ち込んでいました。
そう,10キロバイトというメモリを埋め尽くすのは本当に大変な作業でした。
なんせ,軽く5000行くらいのプログラムになるのですから,ノート代にも貧窮する中学生としては,そのプログラムを紙に書いて検討することすら大変でした。
それから僅か(?)30年ほどで,100万倍以上のメモリ空間を「足りんのかねぇ?」なんて言いながら,5000円くらいで追加購入していたりするのですから,恐ろしい限りです。
そのうち,「16那由他」とか,「32不可思議」なんていう,想像を絶するくらいの容量が登場しているのかもしれませんね(なぜに日本語単位?)
バイト,なんていう単位はそのうち無くなってしまうのかも。
周囲でギガ,テラという声を聞くたび,「すごい世の中になったもんだなぁ・・・」と驚いてしまう,中年マイコンオジサンです(笑)
これまた我が家最小のCFメモリ。一眼レフのワンショットは20MBほどですから,もはや何の役にも立ちません。腰掛けるおじさんも寂しそう・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
【おまけ】
でも,「知った風おじさん」が言うように,メモリ不足を原因に不安定になることが多い現代のPC。
超適当な推測ですが,アプリ・ソフトの開発者にとって「メモリ不足なること」は想定外なのかもしれませんね。
昔なら,ほんの数十バイトのメモリをOSから獲得するにも,システムコールしたあとには必ずエラーチェックのコードを書いたものでした(実際にOSから拒否されることがあるから)。
ギガ単位のメモリを搭載していて,その背後にはもっと巨大な仮想メモリが控えている状況では,「ひょっとしたらメモリ不足になるかも」なんて考慮したコーディングをすること自体,アホくさいのかもしれませんね。
やっぱり,時代は変わったなぁ・・・。
右端の32GBマイクロSDは,左・中の8MBメモリ(CFとSD)の4096倍あります。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
>えりっちさん
おぉ,懐かしい,UMA&HMA!
そうそう,CONFIG.SYSをいかにうまく書くかで競争していましたね。
必要なドライバやFEPを組み込んだ後でも,いかに空きメモリが640KBに近いかを競い合っていました。
EMSが登場して大量のメモリが使えると思ったら,RAMディスクやキャッシュくらいにしか使えなくてガッカリしたり・・・(笑)
それでも,コンパイラやリンカが軽快に動くようになったのはうれしかったなぁ。
今じゃ,どんなヘボいスマホだってギガバイトですもんね。いやはや・・・。
>ヒロさん
そうなんです~,情報工学出身なんです。
で,全然,計算機や通信とは無縁の仕事についています・・・(笑)
情報工学といっても,当時の日本にはまともなソフトなんて何も無く,「必要に感じたら作る」が合言葉でした。
もとからあるのは,アセンブラとリンカ,ライブラリアンくらいですから。
エディタが必要なら自分で作る(EDLINで)。
C言語を使ってみたいなら,C言語のコンパイラを作る。
コンパイラを作るって,今じゃ考えられないですよね・・・。
無い物尽くしのIT黎明期でしたが,おかげで,基礎は十分すぎるくらい学べたと思います。
逆に,今の人はそういう基礎を知ろうとしたら膨大な勉強が必要であり,かわいそうかも知れませんね。
それこそ,古典物理学から量子力学まで全部学べ,みたいな。
フラッシュメモリは,どれくらい,家に転がっているのでしょう・・・?
しかも,現在の最大容量モデルを買えば,1枚で収まるというのもすごいもんです(笑)
日々,良質のフラッシュメモリをご生産いただき,ありがとうございます!(^^)