本日の完成品。丸い基板上に部品がギューギュー(^^;
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
いよいよ佳境に入ってきた(のか?)、自転車盗難アラーム装置製作の第4回。
前回は、電子回路実験が成功したまでをお伝えしました。
今回は、その電子回路をユニバーサル基板に実装して、子機ボディに内蔵するまでです。
まずは円盤型基板の製造から
今回の電子工作の特徴の一つは、装置全体が丸い筒状になっていること(ボトルだから当たり前ですが)。
そのため、電子部品を実装する基板も円盤状にして、なるべく効率よく部品を配置する必要があります。
こんな風に丸い基板(緑色)上に部品が実装される予定。
世の中には、LEDリング照明用途などで丸い基板も売っているのですが、手元にたくさんある普通の四角いユニバーサル基板を切って、無理やり丸くして使うことにしました。
幸い、手元にある基板は「切り取り線」がついているタイプなので、ニッパーでも比較的簡単に切り取ることができるのですが、調子乗ってパチパチとカットしまくっているうちに、予定より一回り(穴1個分)小さい基板になってしまいました。
今回の最大部品、ESP32マイコンがぴったり、超ギリギリで載るサイズ。
ただでさえ狭い実装エリアを、自ら狭めてしまった・・・(><)
調子に乗って切りすぎて、本当にギリギリサイズになってしまった・・・
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
パーツ配置&配線作業
今回の部品点数はそんなに多くないので、配線作業は簡単だろう・・・と思ったのですが、思わぬところで落とし穴があって、結局、作業は丸一日かかってしまいました。
この部品たちを効率よく基板上に実装しましょう。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
とりあえず回路完成!
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
部品を配置して、図面通り配線するまでは半日でできて、とりあえず電源をつないで、事前の実験通りに回路が動くことを確認しようとしました。
電源をつないで振動を与えると、マトリクスLEDが光って、スマホのLINEに通知も届きますが、なぜか音声(=ヌスマナイデクダサイ)が発声されません。
ここからが原因探しの長い旅が始まり、結局、すべての配線を再確認しても間違いが見つからず・・・。
配線はあっているはずですが、どうしても音が出ない・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
すべての配線とプログラムを確認したのに、音声が出ない。
さんざん悩むこと4時間ほど、どうにもお手上げになってしまい、最後の手段として(もっと早く出すべきですが)デジタルオシロスコープさまが登場。
音の出口から順番に、スピーカー端子、アンプ端子、音声IC、マイコンと波形をたどっていけば、どこで途絶えているか分かりそうです。
その結果、
- スピーカー → ×(音声波形無し)
- アンプ出口 → ×(音声波形無し)
- アンプ入口 → 〇(音声波形あり!!!)
はい、5分でわかりました。
原因はアンプが壊れていて、入力があるにもかかわらず、出力が出ていないんですね。
アンプ(白黒の線が入る小さな基板)が故障していました・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
普段、「すべての部品(特に新品)は正常であり、間違えるのは自分の配線や設計」と思い込んでいたのですが、新品部品がぶっ壊れていることもあるのですね。
デジタルオシロスコープさん。セットが面倒で出番が少ないですが、使えばたいてい一発解決。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
ここまでの検証作業は4時間に対し、オシロスコープが出たら原因特定まで5分、修復作業に15分。
もっと早くオシロスコープ出せば良かったです・・・(^^;
かな~り狭い実装スペース
冒頭の基板カット工程で一回り小さく切ってしまった影響もあり、今回の(も?)実装スペースはかなり狭め。
ボトルのは直径70mmほどありますが、ネジの溝や各種凹凸回避のための加工などしているうちに、60mmほどにまで縮小。
充電回路は平面をあきらめて、垂直に。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
マイコン基板の下に、LiPo電池。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
白いのが振動センサ。縦配置で動くのか心配・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
巨大なマイコン(日本語変?)を真ん中に設置すると、音声ICやLED、アンプなどを配置する場所はほとんど残っておらず、基板の穴1個をめぐって悩んだりする、楽しい工作になりました。
それでも、なんとか、丸い基板の上に丸い形にシステム全体が仕上げることができました(^^)
このへんてこな形状の回路で、振動検出、LINE通知、動的なWiFi切替、音声発信、LED表示、ウェブサーバーなどが押し込まれているのだから、なかなか面白いものです。
ボトルの内蓋上にシステム完成! LEDとスピーカーはあとでボトル本体に付けます。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
つづく
いろいろありましたが、とりあえず、回路実装と試験動作まではOK。
次回は、仮設計状態だった子機ボディをまじめに3Dプリントし直して部品を内蔵、プログラミングあたりまでやってみましょう。
個人的には、垂直配置の充電回路が気に入っています(?)
固定用のフックも追加配置。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
ステップ | 内容 | 詳細 | ステータス |
---|---|---|---|
1 | システム全体の構想 | 検出、通知方法、親機・子機の組み合わせなど | 完了 |
2 | 子機のデザイン・モック | 形状、配置方法、印刷方法 | 完了 |
3 | 子機の回路実験 | 揺れ検出、通知、警告、電源管理など | 完了 |
4 | 子機の回路製造 | 全パーツを子機内部に詰め込む | ★イマココ |
5 | 子機のプログラミング | 待ち受け、通知、停止受付 | |
6 | スマホ用アプリ作成 | 警報停止 | |
7 | 全世界向け販売開始 | 年1個くらい |
また、試作地獄になっていくわけですが・・・(^^;
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
Shiroさん:
イチから何か物を作るってのは、とても難しい事ですね・・・・・
既製品でヒット作となる物が、どれだけ考えられているか実感します。