おいらが読んだ,藤田一咲さんシリーズでは最後の『花と写真の時間』。
シリーズの他の本と同様,写真のテクニックやカメラのメカを解説している本ではありません。
花と人との関わり,命あるものと人工物の違い,といったことが優しい言葉で語られていて,もはや「カメラ本」というよりは,日々を花に囲まれて豊かに過ごす生き方エッセイ集,といった感じです。
でも,だから,藤田さんの本は好きなんです。
花は,写真がまだ「写真術」とか呼ばれていた歴史の初期から,ずっと,多くのカメラマン達の被写体になり続けてきました。そんなに身近な被写体でありながら,撮るのが難しいのも,また花です。
おいらも,たまに花を撮るのですが,やっぱり下手ちんでどうにもなりません(まぁ,他の被写体もあまりかわりないが・・・)。
でも,ここでも書いたのですが,花や緑は不思議ですなぁ。
どんなに綺麗な花や緑でも,それが「造花」と分かると,なんかがっかりする。
どんなに小さな花や緑でも,自分の身近にあると,ついつい目がいくし,なぜかココロが安らぐ(さすがに「ラフレシア」なんかでは安らがないけど・・・)。
人間と花の関係はなんとも不思議です。
この本は,旅先での花との出会い,テーブルフラワーのありがたさなど,いろんな角度から,花の魅力(とそれを撮る楽しさ)がつづられた,読んで楽しい,見て安らぐエッセイ集です。
他に,藤田さんの本では,『空と写真の時間』『猫と写真の時間』『少年カメラクラブの時間』などがありますが,とりあえず,おいらが読めたのはここまで。そのうち,他も読んでみたいですなぁ・・・。