腕に装着していないのに,心拍が出っ放し。いったいどういうこと・・・!?
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
GARMIN vivosmart HR特集(いつの間に?)の最終回です。
第1回目,2回目では心拍計機能の素晴らしさや,オマケ機能の楽しさを紹介しましたが,最終回ではイマイチ気に入らない点や課題点を紹介してみたいと思います。
まぁ,全般的に初号機らしい詰めの甘さがありますが,「心拍計ベルトの代用がメイン,その他はオマケ」と考えれば満足に使えています(^^)
まとめると,こんなお話です(^^)
- 活動量計モードでの心拍計測の計測間隔が長すぎる
- 短くても数十秒,最長で10分も計測していない
- 初期不良かと思ったら,「仕様」だった・・・
- デザインがブレスレット風なので,半そでYシャツだとちょっと勇気がいるかも
- でも,全体としては満足。とても楽しく使い続けている(^^)
活動量計モードでの心拍計測の謎・・・
vivosmart HRには,通常の「活動量計モード」と,サイコンなどに心拍データを送る「心拍数転送モード」の2つのモードがあります。
後者の心拍数転送モードは,すでに紹介した「心拍計ベルト代用」時に使う機能で,心拍の計測に専念してリアルタイムに心拍データをANT+通信で伝送します。
謎なのは,活動量計モードでの心拍計測。
計測精度が少し悪いとかいうレベルではなく,相当に運動しても平常時と同じ値のままだったり,急に変化しだしたり,そのアヤシイふるまいが謎に包まれていました・・・
低頻度更新の謎解きの旅
活動量計モードにおいては,心拍計測の間隔はかなり開いていて,どうも,数分に1回程度しか更新していないようなんです・・・(!)
ローラー台練習で活動量計モードを試してみたところ,300Wくらいのハードな運動にもかかわらず,vivosmart HRの画面には70bpmなどいう,練習を始める前の値が表示され続けていたのです。
こんな風に,運動する前の値がずっと固定表示されていました・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
「こんなに心臓が強化されていたのか~♪」とか「心臓がガンガン回っているのに,心拍が出ないなんてすごい♪(←バカ?)」と思っていたのですが,いくらなんでも平常時のままの心拍というのはオカシイです。
すると,数分経ってから心拍が上がり始め,結局は130bpmや150bpmなどという,普段のローラー台練習時の値になってくれました。
これで,「活動量計モードでは心拍を正しく拾えていない可能性がある」と気が付き,謎解きの長い長い旅(2~3日ですが)が始まりました。
- 【装着位置の調整】
- マニュアルでは「手首の甲側」とされていますが,裏側でも試してみました。
位置を変えた直後は計測しているのですが,30秒もすると値が固定化され,数分おきの更新になってしまいました。 - 【きつく装着してみる】
- vivosmart HRは光学式心拍計ですから,腕との密着度が緩すぎると正しく計測できません。
そこで,かなりキツく腕に巻いてみたのですが,やっぱり,巻きなおした直後だけちゃんと計測し,いずれ低頻度更新に戻ってしまいました。 - 【リセット・ファームアップ】
- マニュアルやネットの情報をもとにvivosmart HRのリセット(設定初期化)をしてみましたが症状は変わらず。
また,ちょうどファームウェアのバージョンアップがアナウンスされていたので飛びついてみたものの,やはり症状は変化なしでした・・・
これだけいろいろやってみたのに,「最初のうちは計測してるけど,すぐに低頻度更新になる」という症状は改善されませんでした。
驚いたことに,計測が更新されない間(数分)は光学式心拍計のLEDは点灯すらしていないこともわかりました。
「ちゃんと計測しないとブツわよ!」とおかんに喝を入れてもらいましたが,改善しませんでした・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
購入1週間後には,「ひょっとして初期不良?」と疑い始め,iiyo.netのサイトで初期不良時の対応方法を調べ始めました。
iiyoの森の奥深くで,ようやく答えを発見!
iiyo.netのサポートページをくまなく探していたら,ようやく,目的のQ&Aを発見!!
vivosmartHRJは、活動量計として動作している際は不定期に心拍数を計測しております。
従いまして、裏面のLEDは常時点灯しているわけではありません。
それに対して、心拍数転送モードで他の機器とリンクしている際は1秒毎で心拍数を計測しております。
なんと,活動量計モード時の心拍計の更新が超低頻度なのは「仕様」であることが判明しました。
「不定期に計測」というのがどの程度の間隔なのか不明ですが,実際に自分で試してみるとこんな感じでした。
自分の状態 | 計測頻度 | 備考 |
---|---|---|
運動しているとき | 数十秒間隔 | モーションセンサや直前の心拍(=高め)で判定? |
運動していない時 | 数分間隔 | 最長で10分ジャストでした |
まぁ,活動量計なんてのはオモチャ的なものでもあるので,計測精度をうんぬんするのは期待しすぎだと思うのですが,10分に一度しか計測しないようでは,例えば,階段を上り下りしたり,ちょっと小走りしてみても,心拍数が変化しないということです・・・。
心拍計測には高輝度LEDを点灯させて読み取らなきゃならないので,おそらく,計測頻度を上げるとバッテリーの持ちにも影響してくるのでその対策ではないかと思います(心拍数転送モードだと5倍くらい消耗が早い)。
心拍数は1秒で変化するほど敏感なものなので,せめて,ユーザーで計測頻度を(バッテリーの持ちとトレードオフで)設定できるようになっているといいのですが・・・。
あと,このくらい大きな注意点・仕様であれば,カタログやサイトで表示すべきですし,そうではなくてもマニュアルには書くべきだと思うのです。
今回は珍しく無数の個人ホームページを探索しまくったのですが,「計測精度がイマイチ悪い」くらいの情報にしか見つけられませんでした。
ひょっとすると,多くの人は,おいら同様に心拍数転送モードと活動量計モードでの,心拍計測の違いを把握されていないのかもしれません。
または心拍数転送モードしか使っていないのかも(←その可能性が高いかもしれないですね)
モード | 計測間隔 | バッテリー消費 | その他 |
---|---|---|---|
心拍数転送モード | リアルタイム(1秒) | 大 | 画面表示は心拍数だけに固定される |
活動量計モード | 数十秒~10分 | 小 |
あやうく,リコールしちゃうところでしたし(--;
この点(活動量計モードでの心拍数があてにならない)が,最大にして唯一といっていいくらいの欠点だと思います。
デザインは今一歩・・・かな?
心拍計ベルトのデザインを気にする人はいないと思いますが,腕時計型の活動量計だとデザインはそこそこ気になります。
vivosmart HRと腕時計を二つ付ける人はまずいないと思いますので,他人から見ると,vivosmart HRがその人が付けている腕時計ということになります。
だとすると,デザイン的には今一歩かなぁ・・・?(^^)
腕時計として使うには,細長すぎて,リストバンドのように見えます。
冬場は長袖なので気になりませんが,夏場,腕まくりした状態で真っ黒なvivosmart HRを人前(特に会社内や顧客先)で見せるのは,ちょっと勇気がいります。
仕事中,これを付けている度胸がちょっとないカモ。冬場は隠れるからいいんですが・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ライバル(?)である,POLAR A360のような,もうちょっとセンスのいいデザインだとうれしいのですが・・・(あっちもデカいんですけど)
また,横から見れば分かるように結構な厚みがある(実測15.1mm)ので,特に,腕時計を使う習慣がなかったおいらは,頻繁にあちこちにぶつけています。
上はvivosmart HR,下はSwatch。少しだけ,vivosmartの方が厚いですが,そんなに極端ではないです。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
一応,画面はダイソーで買った液晶画面保護をつけているので傷はついていませんが,いつか,「パリーン」と割ってしまいそうで怖いです。
心拍計測のところで書いたように,腕の甲側だけではなく内側でも計測できるので,普段はなるべく内側につけるようにしています。
ダイソーの液晶画面保護シート。でかいので,数十個分作れそうです(笑
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
(甲側じゃなくて)腕の裏側でも計測できます。むしろ,こちらの方が安定して計測できる気がします。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
マニュアルが・・・
これは,vivosmart HRに限らず,GARMIN社製品全般に言えることですが,とにかくマニュアルが読みにくいです。
iiyo.netの和訳がマズイのではなく,もともとの英語版のマニュアル構成がマズイのです。
普通の家電製品の説明書のように,まずは起動,設定,凝った使い方,故障時の対応,仕様などという順番で書かれていればいいのですが,とにかく章立てがまずくて,何が何だか・・・。
左のペラペラがvivosmart HR,右のバカ分厚いのがEdge810Jのマニュアル。
ちょうどいい厚さのマニュアルないのか~(東京03風)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
Edge705(英語版),Edge810Jも同じようにわかりにくかったので,GARMIN社はもっとちゃんとしたマニュアルが書けるようにした方がいいような・・・。
おわり
前2回とは正反対に,vivosmart HRの課題・不満点の紹介をしました。
これ以外にも細かい要改善ポイント(画面表示が貧相,目覚まし設定がスマホでしかできない・・・とか)ありますが,おいら的には,活動量計モード時の心拍計測が低頻度すぎる,という点以外は我慢できる範囲ですし,とても楽しく使っています。
本日の歩行数。休日出勤&ツマと花見で,だいぶ歩いたな~(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
階段上昇数も半端無い。サンシャインでも行ったのか?(笑)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
心拍数転送モードではリアルタイムに計測(1秒間隔)できているので,ファーム変更で対応できるものだと思うのですが,どんなもんでしょう,GARMINさん(iiyo.netさん?)
まさか,プロトタイプ感満載だった,アクションカム(AS-15)のように,あっさりとすべての課題を解決した弐号機を出してくるんじゃ・・・(^^;
そうしたら・・・,買っちゃうんだろうなぁ(笑)
おしまい。
確か海外では次世代の製品群が出てましたね。
vivofitとvivoactiveのみでvivosmartの後継機はでていないようで一安心でしたが…