押すといったい何が起こるのか。それは押してみてのお楽しみ・・・?
SONY DSC-TX10
街中を歩いているとたまに見かける謎のボタン。
この「交通弱者用押ボタン」を押すと,どんなことが起こるのでしょうか?
- 交通弱者への応援ソングが流れてくる
- 交通弱者への金銭的支援が行われる(お金が出てくる)
- 強者になれるための武器が貸与される
- すぐに青信号になる
正解は・・・?
全部ハズレで~す。
まぁ,1~3は論外としても4も×です(おいらはずっとコレだと思っていました)
正解は,「歩行者用の青信号の時間が長くなる」でした。
実際にどれだけ長くなるのかは色々あるみたいですが,1.5倍になったり,30秒長くなったりするそうです。
しかし,もうちっと分かりやすい名称にできないものなのでしょうかねぇ?
なぜ分かりにくいのかといえば・・・。
用語の定義がはっきりしない
「交通弱者」というのが誰のことを指しているのか,統一的な定義は確定していないと思います。
「歩行者」であれば歩いている人であり,たぶん,逆立ちしている人も四つんばいの人もオマケで含めて大丈夫だと思います。
しかし,「交通弱者」となると,人によって解釈がバラバラな気がします。
よ~く見てみると,ボタンには「からだの不自由なほ方」とも書いてあります。
Nikon D600 + Nikkor 24-70mm F2.8
視力障害,聴力障害などを持っている人なのか,老人や幼児のように歩行速度が遅い人も含むのか。
自転車だって,対自動車では明らかに交通弱者です。
超へ理屈ですが,軽自動車だって10トンダンプに比べれば圧倒的に弱者です。
だから,「交通弱者用」と言われても誰のことなのか,イマイチピンとこないのです。俺が押してもいいのか?って。
何をするボタンなのか分からない
これが根本的な問題ですが,「用ボタン」と言われても,押したらどうなるのか何も分かりません。
常識的には,「交通弱者と呼ばれる人たちに,なんらかの支援をしてあげるためのボタンなんだろうなぁ」とは想像されますが,その中身ははっきりと分かりません。
まさか金銭的な支援をしてくれると思う人はいないと思いますが(笑),まじめに,信号機に実走可能な支援機能だったら,
- 待ち時間(赤の時間)が短くなる
- 渡る時間(青の時間)が長くなる
- 渡りきるまで絶対に赤にならないようにしてくれる
- 赤になるまでの時間をカウントダウンしてくれる
- 音声で周囲の状況を伝えてくれる
- 周囲に「交通弱者の方が渡るのを手伝ってあげてください」と音声案内する
など,いくらでも思いつくことができます(正解は2番目のなのですが)。
視力障害の方であれば,いくら青信号が長くなっても支援になりませんし,聴力障害の方には音声案内ではだめでしょう。
別に,すべての「弱者」に共通の,万能な支援をしてあげるべしというわけではなく,支援の内容がはっきりと分かるように書くべきだと思うのです。
例えば,そう,「歩行者用の青信号の時間を延長するボタン」とか。
こういうのって,意外と多いもんです
こういう,対象者も効果も良く分からない表示って意外と多くあります。
ちと思いついただけでも,
- 【エレベーターの障害者用ボタン】
- 車椅子でも押しやすい位置についている,扉が閉まるまでの時間が長くなる,優先してやってくる(待ち時間が短くなる),障害者用パネルが付いたほうのエレベーターが来る等々,さまざまな効果があるそうですが,知ってました!?
- 【トイレの掃除中です。ご協力をお願いします】
- えっ,トイレ掃除を手伝えってこと!?(笑) こちらは背広姿なんですが・・・。普通に「掃除中。他の場所を使え」で良いと思います。
- 【非常の場合に押してください】
- 非常って? 押すとどうなる? なにもわかりません。まさか,応援ソングが流れてくるとか・・・? 座席ごと外部に射出されたらどうしよう。
2つめの「ご協力をお願いします」は,ほぼ無限に見つけることができますね。
「地下鉄工事中。ご協力をお願いします」って,無理ですよ,素人には(素手だし,背広だし)。
これも,ふ~んとしか言いようがないなぁ。たくさん貼ってあったけど・・・。
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
子供部屋の扉に「宿題処理中。ご協力をお願いします」と書かれていたら,そのユーモアセンスを買って,本当に手伝ってあげてもいいかもしれません(^^)
まぁ,なんだかんだ書きましたが,看板や標示は伝わって何ぼ。丁寧な言い回しや見栄えは後にして,まずははっきりと内容を伝えることが大事かと思います。
少し変?だけど,言いたいことは分かる。要するに綺麗に使えということですね(^^)
au Infobar A01
というわけで,これからも,フォトポタ日記にご協力をお願いしながらおしまいです(曖昧だな~,笑)
おわり。
【おまけ】
ヒューマンエラー関係の仕事をやっていたころには,こういう表示や用語のあいまいさがもたらす悲惨な事故について,勉強しました。
初心者の方には,こんな本だけでも読んでおくとすごく役に立ちます(^^)
いっぱい書けばいいってもんでもない。よっぽど長トイレしないと読みきれないよ~(笑)
Panasonic LUMIX GM1 + G VARIO 12-32mm F3.5-5.6
_toshiさん
そう,この「つぶやき」カテゴリは,いつも,適当に思ったことを書いているだけなので,突っ込みにくいカテゴリなのです(笑)
「見やすさ」って,多くの人が軽視している気がしますが,すごく重要だと思います。
交通標識のように一瞬で理解してもらう必要があるものはもちろん,普通のプレゼンなんかで使う資料も,なんだかんだ言って,「見やすさ」は大事です。
きれいに作る必要は全くないですが,見やすくしなければならないと思っています。
社内会議でもクライアントでも,プレゼンを聞いている人は「いつ終わる?」「眠い」と思っているのが普通ですから,少しでも聞き手のストレスを低減させる工夫が必要です。
高めのコントラスト,大きな文字,残りページ数表示,意味のある色使い・・・。
スティーブジョブスのような話ができる自信がないなら,せめて資料は見やすくする必要ありです(^^)
あ,ブログもですね・・・(笑)