「魔法の言葉」と言っても,「マージマジマジーロ!」とかではありません。
以前,皇太子様もこの本の冒頭に書かれた詩を紹介されていた,由緒正しい(?),魔法の子育て本です。
朝夕の通勤電車1週間で読み終わりましたが,「う~ん…」と考えさせられたり,「なるほど!」と手を打ってみたり,いつものように怪しいサラリーマンとなってしまいました。とても参考になる子育ての,いや,大人対大人の接し方にも応用できる,すばらしい金言に満ちた育児書でした。
この本の冒頭には,例の『子は親の鏡』という詩が載っています。
けなされて育つと,子どもは,人をけなすようになる
とげとげした過程で育つと,子どもは,乱暴になる
不安な気持ちで育てると,子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると,子どもは,惨めな気持ちになる
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と続いていき,本文の方はこの詩の一行一行に対応した章で構成されています。
この本の良いところは,すべての章に実例がたくさん載っているところです。そして,かなりの例で「あ,そうそう。分かる,分かる」という感じで,実際に子育てをしている親は思い当たるフシがある例ばかりなのです。
時間がないときにもたもたしている子,おもちゃを取り合ってケンカをする子,お手伝いするけど失敗する子,,,みんな思い当たります。そして,どの例にも「こんなとき,親がこんなことを言ったりすると,子どもはどう思うでしょう?」となり,考えされられるのです。
我が家のチビもかなりきかん坊な方だし,怒ることもあるけど,まぁ,ほどほどに家庭円満だとは思っています。でも,子どもが悪いことをしたりすると,つい,子どもの言い分はさておき,怒ることを先にしてしまうことがあります。
以前,多湖輝さんの『しつけの知恵』なんかを読んだときにも書いてあったのですが,まずは,子どもの言い分を聞くこと,そして,子どもに考えさせることが大事だそうです。
そう思い,ここのところは,ずっと子どもの言い分を聞いてやっています。しっかり。すると,子どもは子どもなりの理屈(変な理屈も多いけど)で動いていることが分かります。
あんな小さな頭でも,ちゃんと考えているんだなぁ,と実感すると共に,「どうしたら,こういうことにならないと思う?」と聞けば,ちゃんとそれなりの答えが返ってきます。
「じゃ,そういう風にしような。できるもんナ!」と言って,おしまい。う~む。魔法だ。
「こぉりゃ~!(怒) なにやってんじゃ~! こうしろ~!!!」と怒ってしまうときとはえらい違いで,子どもはちゃんと自分の頭で考えているから,一応は納得しているし(繰り返すけどね…,お子さまだから),こっちも必要以上に怒ることもないし。う~む,魔法だ。
子どもだけではなく,社会生活,会社生活でも十分役に立つことがたくさん書いてあります。当たり前なのですが,子どもも人なので,それなりの考えやプライド(!)を持って生きているのですね。だから,子どもとちゃんと向かい合える人は,大人ともちゃんと向かい合えるのでしょう。
さて,次はこの本を,我が家のもう一人の大人である奥さまにも読んでいただき,我が家のますますのご発展を祈願し,締めの挨拶させていただきます。ご静聴,ありがとうございました。