新しいコーナー(カテゴリ)ができました。
「絵本」コーナーです。
実際には絵本に限らず,マジレンジャー大百科やムシキング図鑑なども含み,「子どもに読んで聞かせる本全般」ですけれど・・・
我が家では,さっさと寝る準備をして,オヤスミを言って寝室に入ったおりこうさんには,添い寝をして絵本を読んであげる,という特典があります。(おりこうさんにしていない時は読んでもらえず,まさに「泣き寝入り」することとなります)
絵本の仕入れ先は,主に3種類あります。
- 図書館。これが一番多い。
- 子どもの誕生日に実家から送ってくるプレゼント本。なかなか味がある選書。
- 奥さまのサークル「英語絵本の会」で扱った本。古き良きアメリカ絵本が多い。
「絵本」コーナーの記念すべき第1回は,Virginia Lee Burtonの“The Little House”(邦題『ちいさなおうち』)です。
この本は,前述の通り,奥さまの「英語絵本の会」で扱った本です。作者は,『機関車チューチュー』とかでも有名なVirginia Lee Burtonで,初版はなんと1942年です。
“Once upon a time there was a Little House way out in the country. She was a pretty Little House and she was strong and well built.”で始まるとおり,郊外ののどかな田園に立つ,小さな家が主人公です。
そこには,四季の移り変わりを感じさせてくれる木々,花々があります。そして,彼女(「ちいさいおうち」は“She”なのです)は暖かい住人達によって大切にされていました。
しかし,そんなのどかな郊外にも都市化の波が押し寄せ,彼女の周りはどんどん変わってきます。
道路ができ,ビルが建ち,高速道路や駅も通るようになります。「ちいさいおうち」を定点観測するような視点で,ページをめくるたびに,どんどん彼女の周りが暗くなっていきます。(ほぼすべての絵本に共通していることですが,子どもはこういう「繰り返される構成」に惹かれます)そして,とうとう住人も去り,彼女だけが都心のど真ん中で,真っ黒なすすに覆われて取り残されてしまいます。
なんとも,切なくなる絵です。うちのチビ達ですら「かわいそう~」と感じたようです。
でも,最後には「ちいさいおうち」は,トレーラーに積んでもっと田舎に引っ越すことができます。そして,また,冒頭のような,自然に囲まれた暖かい生活に戻ることができたのです。
おいらの英訳が正しければ,だいたい,こんなお話です。
今,こういうテーマを題材とした本はありふれているのかもしれません。曰く,「地球を大切に!」「環境を大切に」・・・。しかし,この本が書かれたのは,1942年。今から,なんと60年も前のことなのです。
おいらが「古き良き時代」というと,なんとなく昭和40年ごろを思い浮かべるのですが,少なくとも,Burtonにとっては,すでにそのころのアメリカは,「古き良き時代」を振り返って懐かしむ時代になっていたようです。
『沈黙の春』のRachel Carsonと同様,鋭い感性・先見性で書かれたのでしょう。単なる絵本ではない,年月を経た今でも,僕らに訴えかける力は変わらないと思います。
幼い読者に媚びるようなストーリーや絵が主体の日本の絵本とは一線を画す,そんなこの本が大好きです。
追伸:
英語絵本を読み聞かせることで,自分の英語力の低さを痛感しました。子どもは「はやく,はやく!」とせがみます。布団に入り,辞書も筆記用具も無い中,「彼女は寂しくなりました。え~と,なぜならば,月の光を見ることができなくなって,それは,街の明かりが明るすぎるからでした。いや,最初から。街の明かりがまぶしくて,月の明かりを見ることができなくなってしまい,彼女は,どんどん寂しくなってきました。かなしいねぇ・・・」
なんて,行きつ戻りつしながら読んでいます。全国の英語上達を目指す皆さん,是非,お子さまに英語絵本の読み語りをどうぞ!