久しぶりに本の話を。
今回はツール・ド・フランスの見所,勝負所である山岳コースにハイライトを当てた『ツール 伝説の峠』という本です。
地味な装丁を見るとわかりますが,以前紹介した『ツール100話』の安家達也氏の著作です。
ロードバイクに乗り(いや,別にMTBでも。おいらもそうだし),上り坂が大好きな人達にはオススメです。
このブログではあちこちで書きましたが,おいらは坂を登るのが好きです。別に速かったり,得意であったりするわけではないのですが,なぜか坂を登るのが好きです。
なので,毎週末には鎌倉の源氏山や鎌倉山を登り,たまには有給を取って大楠山や湘南平に登ったりしています。
確かに,坂や山を登り切った時の達成感は確かにあるのですが,そうでなくても坂を苦しく登っているだけでなぜか楽しいので,ひょっとしたら坂マゾなのかもしれません。
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さて,前置きが長くなりましたが,今回の本である『伝説の峠』。この本はツール・ド・フランスの山岳コースにある有名な,つまり伝説の峠を一つ一つ取り上げ,その峠にまつわる歴史やドラマを綴ったものです。
著者は「ツール100話」の安家氏なので,この本も100年くらい前の伝説から,最近のアームストロングまで,様々なドラマが記録されています。ツール初期のポルト峠やガリビエ峠の様子,変速機無しで登っていた時代の話(ホイルの両側に異なるサイズのギアを付け,裏返して使っていた。ひぇ~!),そして,山岳コースならでは駆け引きの妙などなど。
峠ごとに章立てされていて,まずはその峠の地理的説明,ツールでの位置づけなどが丁寧に説明されます。そして,その峠にまつわる主な「伝説」が100年前から現代まで綴られます(章ごとに歴史が繰り返されるので,この点はちょいと読みづらいかも?)。個々のドラマは熱っぽくというより,どちらかと言えば淡々と記述されています。んが,なぜか,その方がかえって読む側が熱くなってしまったりします。
オカーニャの悲劇(ポルテ・ダスペ峠で前を行くメルクスが転び,巻き添えでオカーニャも転倒。メルクスはすぐに再スタート。オカーニャも起きあがるが,直後にズーテメルクが突っ込んできて内蔵を強打されてリタイア。痛い・・・)などを読むと,記述は簡素ですが,目頭が熱くなります(オーバー)。
他にもおいらが好きなパンターニ vs ウルリッヒも随所に出てくるし,坂マゾ(?)にはたまらない一冊です。
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