「海辺のカフカ」以来の長編小説となる,村上春樹の最新作「アフターダーク」が発売されてから,もう2ヶ月になります。
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
本屋で平積みされた本の帯を見ただけで,無性に読みたくなる。読みたくなるんだけど,,,セキュアド試験のためにずっと我慢してきました。
しかし,「風の歌を聴け」から25年かぁ。村上春樹も長いなぁ。
話は変わって,After Darkと言えば,Macintosh。今はどうなのか分からないけど,僕がMac Plusを使っていた15年ほど前は,ほとんどのMacにAfter Darkというスクリーンセーバーがインストールされていました。
トースターが空を飛んできたり,魚が泳いだり,芝刈りのおじさんが画面上に生える芝を刈ったり,,どのスクリーンセーバーもとても楽しいものでした。そして,なによりも,「全く役に立たない」ものでした。この,「全く役に立たない」具合がとっても楽しかった記憶があります。
ひるがえって,2004年の僕が勤める大きな会社。社内のPCはすべてWindows XP。ユーザーにはアドミニストレータ権限はなく,マウスをつなぐのにも管理者への申請・許可が必要です。そして,「社内PC利用規程」なるものには,「業務上必要のないソフトウェア・ハードウェアを接続・インストールしてはならない」と明記されていて,「違反した場合には懲戒の対象になる」ともあります。
ほんの15年の間に,「役に立たないもの」ばかりが僕らを楽しませてくれていたコンピュータは,「役に立たないもの」を使ったとたんに処罰の対象になる,役に立つものだけがギッシリ詰まった,とてもかわいそうな機械になってしまいました。
管理する側の人間は,現在のOSの祖先であるUNIXが,AT&Tのベル研究所内でケン・トンプソンやデニス・リッチー達が「宇宙旅行ゲーム」で遊ぶために開発されたことを知っているのだろうか?
と悲しい気持ちになりながらも,まさに,ユーザーの管理・PCの管理を徹底する「情報セキュリティーアドミニストレータ」の勉強をしているのでありました…。
そういえば,「ノルウェーの森」の頃の村上春樹は,Macを使っていました。というか,その愛くるしさをかわいがっていました。今は,どうしているのかなぁ…。