前後ホイール,チェーン,シート,ヘッドパーツまでバラして,ようやく輝きを取り戻したLGS RHC号。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
前編がまだの方は,こちらからどうぞ~
2回にわたってお届けしてきた,初めての富士山ヒルクライムチャレンジですが,前回をもって,一応,ツーリング自体の記事は終了です。
今回のツーリングでは,良かったこと,反省すべき事,色んな事を学びましたので,今後のツーリングのためにも,ひとまとめにしてみました。
【まずは走行後のお手入れ】
LGS RHC号での初めての雨中ツーリングは,想像を絶するくらい車体が汚れまくりました。通常のフレームの汚れの他にも,ヘッドパーツやフレーム内部にまで水が入り込んでいました。中でも,ヘッドパーツをいじるのは初めて。今まで,ステムは何度か交換していますが,それ以上バラすと戻せなくなりそうで,ヘッドパーツには手を出していませんでした。
でも,明らかにヘッドパーツ内部まで雨水が浸入しているようなので,ちょいと勇気(?)を出してバラしてみました。が,専用工具は一切不要,細かい部品の並び順さえ覚えておけば,意外と簡単でした。
そのほかにも,チェーン,シート,ホイールなどを外し,フレーム全体を洗車し,最後にはワックスがけまでして,ようやく輝きを取り戻しました(5時間ほど……)
【今回のツーリングで良かったこと】
次に,今回のツーリングで良かったことを列挙してみます。
昨年の同じ時期にも,ツール・ド・富士山一周をやっていますが,空腹&寒さ&疲労でかなりクタクタなツーリングでした。その時との比較で紹介します。
寒さ&雨対策ができていたこと
昨年は,半袖シャツ&短パンという,日本一の山をなめきった服装で行ったため,雨中の30kmダウンヒル(朝霧高原付近)で死ぬほど寒い思いをしました。また,完全に全身ずぶ濡れ状態になったため,恥ずかしくてレストランには入れなかったという辛い経験もしました。
その反省から,今年は薄手のウィンドブレーカーを持っていきました。今までもウィンドブレーカーは持ってはいましたが,自動二輪用に買ったヤツなので分厚く,とても自転車で運搬できる代物ではありませんでした。そこで,いつものMontbellで,あらたに『ウィンドブラストパーカー』(楽天最安値へ)を購入しました。
Montbellだけでも,数多くの種類のウィンドブレーカーがありますが,今回,実際にウィンドブラストパーカーを使ってみて良かった点は以下の通りです。
- コンパクト!
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8
丸めると350ml缶くらいに小さくなり,付属の袋に入れて運ぶことができます。荷物積載能力がほとんど0のロードバイクにはありがたい限りです。
- 高い撥水性能
カタログでは,「レインウェアじゃないので防水ではありません」とされていますが,Montbell自慢のポルカテックス加工のため,撥水性能が非常に高いのです。土砂降りの中を走っても,すべて丸っこい水玉になり,風で飛んでいきます。おかげで,ほとんど濡れることがありませんでした。 - フード付き
これは,好みが別れるところかもしれません。フードでヘルメットごとカバーできるので,頭部からの雨水浸入を防ぐことができます。が,風切り音はものすごくなり,後ろから来る車の音は全然聞こえなくなりますので注意が必要です。 - 随所にドローコード付き
購入時の決め手はコレだったのですが,裾やフードにドローコードが付いていて,キュッと縛り上げることができます。ウェストバッグごとウィンドブレーカーでくるみ,裾のドローコードを引っ張れば,体と一体化します。自転車専用ではないのですが,このおかげで,妙にフィット感が高まります。
というわけで,今回のツーリングは半分以上が雨だったにもかかわらず,服や身体が濡れることが少なかったこともあり,雨中走行を意外と楽しむことができました。
「(装備さえちゃんとしてれば)雨中走行って意外と楽しい!」という発見が,今回のツーリングでの最大の収穫かもしれません。
(^^)v
巨大サドルバッグ,TOPEAK『DynaPack』
今回のツーリングでの2つ目の新兵器は,TOPEAKの巨大サドルバッグ(?)『DynaPack』です。
写真の通り,シートポストに付ける,やたらとデカイサドルバッグのことですが,こいつが予想外な活躍をしてくれました。
こちらの記事でも紹介したのですが,雨中走行時に「濡れて困る物を全部入れられる」「後ろに長いので泥よけになる」の2つのメリットがありました。
1つめは,もともと荷物入れですから当たり前なのですが,2つめの「泥よけになってくれる」というのは本当に意外でした。
雨の中を4時間も走ったのに,背中は全然汚れておらず,代わりにダイナパックの底部がどろどろになっていました。しかも,レインカバーを外せば洗うのも簡単だし,とにかく,雨中走行時(晴れててもですが)にはとっても役に立つアイテムでした。
インナーウェアも着た方が良い
夏場のご近所ポタでは,Montbellのロングスリーブシャツを1枚だけ着て走っています。ジオライン3Dで作られているので,通気性が良く,汗を効率よく発散してくれます。
しかし,それも一定量までで,ヒルクライムなどで膨大な量の汗をかくと,ウェア側の吸収が間に合わず,胸か腹にかけて汗がダラ~っと垂れていくことになり,不快感は一気に100倍増になります。
そこで,今回はちゃんとした機能性インナーウェアを着ていきました。まぁ,どこのメーカーのでもいいとは思うのですが,せっかく,Addidasのシューズ,ニッカーなどでまとめているので,同じAddidasのClimCool素材のインナーウェアを着ていきました。
最近の機能性インナーウェアはみんなこうなのかもしれませんが,本当に良く汗を吸ってくれます。午前中は30度以上あったのですが,汗が体を伝って流れることもなく,この点では快適でした(脚はクタクタでしたが)。また,午後からの雨中走行時にも,体が冷えることなく,また,ウィンドブレーカーを着ていても蒸れることなく快適に下ってくることができました。
エネルギー補給
去年は,白糸の滝のすぐ近くにあるコンビニを最後に25km(しかも登り坂)に渡って,いっさいの補給箇所が無いという悲惨な目に遭いました。
今年は,事前に地図を調べておいただけではなく,カロリーメイトの他,大好きなどら焼き3個,おにぎり2個を常にDynaPackに入れておきました(食べると,すぐに買って補充♪)。こういう備えがあるだけで,かなり安心して全力を出すことができるので,精神面でも効果有りです♪
ダメだった点/反省すべき点
スタート地点はもっと近くまで行け!
今回は,藤沢から富士吉田まで輪行して,早朝に富士スバルラインに入る予定でした。んが,「富士急の910円がもったいない」「ちょっと準備運動もしたい」ということで,富士急には乗らず,JRの大月駅からツーリングをスタートさせました。
が,大月→富士吉田は30kmもある上,標高差も800mもありました。もともと,Mt富士ヒルクライムだって,スタート~ゴールの標高差は1200m程度しかありません。それに比べて800mというのは,とても「準備運動」とは思えない標高差です。おかげで,(体調の悪さもありましたが)富士吉田に着いて富士スバルラインを走り始めたのは,なんと11時半というありさま。なんのために5時から電車に乗ってきたのか,さっぱりわかりません。どうせ輪行するなら,目的地まで一気に行ってしまった方が絶対に正解です!
コインロッカーを利用しておけば……
一つ前のトピックとも関連しますが,最初から富士吉田まで輪行しておけば,富士スバルラインを登って下るまでの間は,輪行用品や過剰なパンク修理キットなどを,駅のコインロッカーに入れておくことができます。
これらを納めたDynaPackは,シートポストに付けてありますから,バイクの重心がかなり高くなります。普通に走るには問題ありませんが,坂道でダンシングしようとすると,重くてなかなか左右に振ることができず,苦労しました。
パンク対策
今回は,ツーリングの後半,しかも雨の中でパンクしてしまい,修理は困難を極めました。このとき困ったことが二つあります。
- 手が真っ黒け
雨中走行時のパンクのため,ホイールは油汚れでどろどろです。軍手,または薄手の手袋を持っていくべきでした。ツメの汚れが無くなるのに一週間もかかりました……。 - エアーを入れる気力がない(涙)
ツーリング後半など,体力が少ないときには,小型ポンプを100回も200回もポンピング気力も体力もありません。そんなエマージェンシー用に,CO2ボンベを一つは持っていくといいかもしれません。(持っているのになぁ… 置いていっちゃった)
帰り道のルート設定
帰り道は,途中で力尽きたり,パンクしたりして,帰宅困難者(?)になってしまうリスクがあります。今回の帰宅ルートは,山中湖→道志みち→津久井→厚木→藤沢の約100km。電車が登場するのは80kmほど先の厚木からですから,途中で何かあった場合には,もうどうにもなりません。せっかく輪行用品を持ってきているのならば,なるべく線路に沿った帰宅ルートを選んだ方が安全だと身にしみました。(今回だと,JR中央線,JR御殿場線あたりかな)
夜になるならハイパワーのライトを
普段,LGS RHC号には,前照灯としてはknogの1LEDライトしか付けていません。今回は,CATEYEのEL120も付けましたが,どちらも明るさは似たり寄ったりで,自分の存在を示すマーカーとしては使えますが,真っ暗な道の前方を照らしてくれるには光量が足りません。
今回,あたりが暗くなる午後7時には,死ぬ気で厚木まで滑り込みましたが,もう少し遅かったら,真っ暗な道志みちを走るはめになったと思います。
ロングツーリングで,夜も走ることが予想される場合には,もっと大光量のライトが必要です。これからどんどん日も短くなってきますから,こんなのとか,こんなのを検討中です(^^)
水墨画対策
このタイトルでは何の事やら分からないかと思いますが,後編でちょっと触れた,「インクジェットプリンタで印刷していった地図が雨で濡れて,味のある水墨画になってしまった」という事件の対策です。
地図はトライバッグのサイドのスペースに入れていたのですが,この部分は防水ではなかったため,名画ができあがってしまいました。なので,次回はちょっとしたビニール袋(ソフトクリアケース?)なんかに入れて持っていこうかな,と思います。
また,今回,もっとも残念だったことの一つが,この「水墨画」を捨ててしまったところです。かなりくたクタクタな状況で,頼りの綱の地図がふにゃふにゃだったため,写真を撮る(=ネタにできる♪)のを忘れて,そのままコンビニのゴミ箱に捨ててしまいました。
残念至極であります……(笑)
チェーンオイルはどこかに消えました
これは,失敗というか,雨中走行なのでしょうがないのかもしれませんが,豪雨の中を4時間走行した結果,チェーンオイルが完全になくなりました。
今回も,いつものFINISH LINE 「ロードセラミックルーブ」を多めに塗っていたのですが,雨で完全に流出してしまいました。
最後の30kmくらいは雨が止んだのですが,油がないチェーンやクランクからは,「キーキー」という悲しい音が聞こえてきました。
こればっかは,どうにもならんとは思うのですが,欠点無しと思えた「ロードセラミックルーブ」にも,雨中走行という弱点があることが分かりました。醤油差しにでも入れて持っていこうかな……?
【最後に】
というわけで,3回にわたってお届けして参りました,富士山ヒルクライム初チャレンジシリーズ。今回で,一旦終了です。
「一旦?」と思われるかもしれませんが,そうです,「一旦」なのです。また近いうちに行きます! 今度こそ,晴れた道を走って5合目まで行きたい~!!
(おわり)
>儀助さん
そうです,初めてヘッドを開けてしまいました!
きっかけは,洗車が終わって自転車をひっくり返したら,
ヘッド付近からチロチロと水が出てきたことです。
「あかん,中までやられてる!」
ということで,急遽ばらすことにしました。
意外と簡単にばらせるので驚きました。
一連の作業は,全部,リビングでやっています。
(まぁ,家族が里帰りしているからできることですが……)
ただ,各部の汚れ落としや注油は本当に手間がかかりました。
雨中を4時間走って,メンテに5時間ですから……。
コレさえなければ,雨中走行も苦にならないのですが(--;)