シングルギアで乙女峠登頂!
SONY DSC-RX100m2
山中湖・御殿場・箱根・湯河原200kmのロングライドの後編です。
前編では、予定していた道志みちの通行止めにもめげず、R20号を通って大回りに迂回し、なんとか御殿場まで辿り着いていました。
予定より2時間ほど行程が遅れていましたが、大観山・湯河原をあきらめてコース短縮することで、暗くなる前には藤沢に戻ってこようとしたのですが・・・?
【14:00 @御殿場】595号がシングルギアバイク化!
御殿場市内を走りながらリアのシフトアップをするため、右STIの小レバーを操作したところ、少し重い手応えがあり、その後、「パキン」という小さい音がしました。
もう一度、小レバーを操作してみたところ、なんの手応えも無くスカスカに空振りします。
試しに大レバーを操作すると順調にシフトダウンができ、1速(ロー)までダウンできましたが、小レバーはいくら操作しても、シフトアップができません。
おおお、大変なことに・・・!
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路肩に停車して原因調査に乗り出します。
STIカバーをめくってみると、まず目につくのはユニットカバーの損傷です。
ゴムをめくると、本来はカバーに覆われている、巻取りユニットがむき出し。
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巻取りユニットの中に、カバーの破片が巻き込まれています。
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ユニットカバーの片割れとみられる破片がSTIの内部機構にめり込んでいましたので、これを手で除去します。
さらに、「グリスが固まって、小レバーが空振りすることがある」という話を聞いたことがあるので、携帯工具の細いアーレンキーなどで内部をつついてみたり、ティッシュで清掃してみるものの、小レバーは空振りを繰り返すだけで、やっぱりシフトアップできません・・・。
【14:30 @御殿場】 とりあえず4速固定で再スタート!
30分ほど、歩道上でいろいろ調査を重ねたのですが、どうにも、小レバーが機能しない理由が分かりません。
藤沢まで80kmも残ってますから、ここで時間を消費していると帰宅困難になる恐れも出てきます。
幸い、目の前の乙女峠(標高1100m)さえ越えれば、小田原までは基本的に下り基調(35kmもあるけど)ですので、再度、コース変更をして、乙女峠→箱根湯本→小田原→藤沢と通るようにEdge810に設定します。(残り距離は80km→60kmに短縮)
小田原まで出れば、あとは海辺の平たん路(のはず)
にしても、いくらなんでもリアが1速固定(しかも巨大30T)では10km/hちょいしか出せず、どうにもなりません。
一応、フロント(FD)は正常に動作しているのですが、リアが1速固定のままでFD変速を繰り返していると、こういうことにもなります(涙)
頼みの綱のFDが・・・(涙)
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そこで、ディレイラ(RD)の方でワイヤを張り直して、無理やりシフトアップを試みます。
シフトワイヤはSTIでほぼ全部巻き取られているため余長はあまりなく、緩めすぎると外れて、トップに入ってしまっても困るので、ギリギリまで緩めて4速(それでも21T)まで上げてみました。
アウター×リア4×80rpmで24km/hまで出せますから、なんとかなるでしょう。
しょうがないので、ワイヤを張り直すことで変速してみます。
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おぉ、4速になったよ!(^^) 4速で固定だけど・・・。
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【14:30~17:00、乙女峠→小田原】 4速固定で小田原まで!
せっかく4速まで上げたのですが、乙女峠をなめていました。
6%を超えるようなキツイ勾配区間がいくつかあり、フロントをインナーにしても4速では上れないので、また停車して1速(30T)に戻して上ります。
途中、緩斜面もありましたが変速しなおすのが面倒くさいので、全ての区間を1速で上り切りました。
富士山。自転車はガタガタだけど心安らぐ(少しだけ)
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この先のトンネル(乙女トンネル)は、
- 長い(800mちょい)
- 狭くて退避スペースなし
- 自動車の通行量が多い
という、名前のかわいさとは正反対に、サイクリスト(特に1速固定の人)には怖いトンネルです。
乙女トンネル。狭い・暗い・クルマ多い、怖いよ~(T T)
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さすがに、ここを1速固定で走るのは危なすぎなので、またまた4速に設定しなおしました(と簡単に書いていますが、アーレンキーでワイヤ位置を変更し、バレルを回してインデックス調整です・・・)。
クルマが途切れたタイミングを見計らって、アウターに入れ直して、ケイデンス300rpmくらいで無事に乙女トンネルを突破し、そのままの勢いで峠を下って仙石原までたどり着きます。
トンネルの中間付近。怖いよ~
SONY アクションカム HDR-AS200V
平たんな仙石原で一休みし、奇跡を願って小レバーを操作する(トイレではない)も、相変わらず無反応。
もう腹を決めて、このままの状態(4速固定)で箱根の峠を下り、ほとんど漕ぐことなく(笑)、自由落下で小田原まで到着です。
いやはや、下り基調の後半で助かりました・・・。
変速できないまま、箱根を下って湯本まで到着!
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【17:00~19:30、小田原→藤沢】 ママチャリ化595号で藤沢までの30km
小田原から藤沢までの約30kmは、ほぼ平たん区間が続き、途中で微妙なアップダウンも盛り込まれている、シングルギア泣かせ(?)のコースです。
4速のままで走り出してみても20km/hちょいしか出ません。
途中、ママチャリ高校生に抜かれたりしますが、よく考えたら向こうは最低でも3段内装変速ですから、こちらのLOOK号の方がよっぽどママチャリです。
そこで、せめてもう1速重くできないかと、ギリギリの調整(ワイヤの端っこで固定、バレルは完全に締め込む)をしてみたところ、ギリギリ5速(18T)に入れることができました。
おぉ、夢にまで見た5速に入ったよ!!
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これで、90rpmまで回せば27km/hまで出せるぜ! 200rpmならオーバー60km/hだ!
わ~っはっは・・・むなしい。
コンビニで休憩中。なんだか、ブルべ的な雰囲気に・・・?
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【19:30】なんとか無事に帰宅!
200km近く走ってきた終盤で、200rpmも出せるわけもなく、平地で無風にも関わらず、最速25km/h程度のスローペースで藤沢を目指します。
幸い、FDは正常に動いているため、道中のちょっとした上り坂は、インナーに変速することで軽く登ることもでき、途中で心が折れそうになりつつも、19:30に藤沢の自宅に辿り着くことができました。
この30kmも長かったなぁ・・・。
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項目 | 数値 | 備考 |
---|---|---|
出発時刻 | 4時00分 | |
到着時刻 | 19時30分 | |
走行時間 | 10時間26分 | |
走行距離 | 194km | 200kmにわずかに届かず orz |
平均速度 | 13.8km/h | 休憩込みです |
消費エネ | 3297kcal | |
獲得高度 | 2221m | 芦ノ湖・大観山行けなかったからなぁ |
最高ケイデンス | 198rpm | 小田原→藤沢で記録(笑) |
今回のライドでは、通行止めやSTI故障、チェーン落ちなどのトラブルがありましたが、なんとか無事に帰ってくことができました。
良かった点、悪かった反省点をまとめてみると以下の通りです。
良かった点
- 事前のルート検討で、複数のエスケープ(短縮)ルートを考えておいた
- 最低限の工具は持っていた(携帯ツール、多数の軍手・グローブ、ガムテ、パンク修理セットなど)
- 大き目(10050mAh)のモバイルバッテリーで各種電源は安心
- 食料は軽くて高カロリーなものを残しておいた(シリアルバーなど)
- STIが壊れても、ワイヤ調整で変速ができた(面倒だけど)
- 夜に備えてライトは2個が安心
反省点
- 事前に通行止め情報は調べておくべき
- STI故障を事前に・・・無理かなぁ
- 迂回ルートは標高差よりも、距離&獲得標高が大事
- fenix 5sで、アクティビティ記録・心拍計伝送などをフルにやらせると、電池消耗がかなり激しい(別記事で紹介予定)
ライトが2個あると夜も安心です。
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fenix 5sが意外と大食いでビックリしました。気を付けねば・・・。
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いつかは失くすと思っていたけど、ついに・・・(涙)
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耐ケミカルグローブを持っていくとチェーン作業などラクチンです。
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なんだかんだ言って、事前にできることには限りがあり、万全な準備を整えた後は臨機応変に対応するしかないのが本音でもあります。
まぁ、普通の国道・県道を走っていて餓死することは無いと思いますので、気負わず、また200km越えのライドに挑戦しましょう。
その前に、まずはぶっ壊れた右STIの修理から始めなきゃ・・・
おしまい(^^)
今は、こういう状態になっています。これはコレで楽しい(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
これはお疲れさまでした。
自転車部品でブラックボックスな部品といえば、STIメカか内装変速機くらいですよね。
大概の自転車部品は露出してますから予兆もなく壊れることがレアですが、STIメカの不調は予測できませんよね。
私も8年間使ってた左STI壊した経験ありです。
触覚タイプ10Sなので、お店の人は内蔵ケーブルの後期10速レバーを勧められましたが、なんか悔しいのでオクで前期10速時代のSTIレバーを入手して交換してやりました。そんなわけで未だに触覚仕様10速STIレバーの予備が2ペア備蓄しております。
シマノはSTIメカの分解は推奨していないはずですが、販売店の方はメカを分解して故障原因を特定してくれました(スプリングの損傷)。結局僕私が代替品に交換しなかったので工賃は発生しなかったのですが、ちょっと申し訳なかったです。
ST-7900のリペアパーツ残っていると良いのですが、どうなることやら。