LOOK号完成。ここまでは長い道のりだった・・・(笑)
RICOH Caplio GX100
LOOK号組立日記の(たぶん)最終回は,今回の組立作業で得た教訓のようなものをまとめて紹介します。
12月に新フレームを思い立ってから,LOOK号が完成したのは3月。長かったなぁ・・・。
フレームサイズ選びでは「ハンドル落差」が大事
フレームサイズを選ぶ際,シートチューブ長やトップチューブ長が気になるかと思いますが,ともに,シートポスト・ステムによって割と大きめな調整幅を持っています。
意外と難しいのがシートとハンドルの高低差,いわゆる「ハンドル落差」の調整。
シートの方は脚の長さによってほぼ自動的に決まってしまいます。一方のハンドル高さの方は,もともとのフレームサイズ(特にヘッドチューブ長)でほぼ決まってしまい,スペーサーで調整と言っても,せいぜい2~3cmくらいがいいところ。
このことには当初,まったく気が回っていなかったのですが,Noguさん(と会社の同僚の方)からご教示いただき,本当に助かりました。
こんな計算やってたなぁ・・・(^^)
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
結局,LOOK号は「M」サイズにしましたが,仮に「S」サイズだったら,ハンドル落差が大きすぎて,とっても辛いサイクリングになっていたと思われます(または,大量のスペーサーでちょっと格好悪い状態に)。
フレームサイズで悩んだときは,ハンドル落差についても注意してみましょう(^^)
BBの扱いは難しいな・・・
フレームからの組立で一番難しいのは,ISPカットや各種ワイヤー張りだと思っていましたが,実際にやってみると,一番大変だったのはBBの取り付け。「5分で終わる♪」と思っていたのに・・・。
あれからいろいろ調べると,フレームの製造工程は高温・高圧の環境になるため,BBシェルの部分が変形してしまうことがあるようです。
また,フレームを塗装する際にシェルの側面まで塗装してしまい,BBが最後までねじ込めなかったり,ずれてしまうこともあるそうです。
変形したネジ山を回復させるのが「タップ切り」,塗装を剥がすのを「フェイシング」と呼ぶようですが,いずれの作業も非常に高価な工具(10万円コース)がないとできません。
タップ切り前。一見するとキレイで問題ないように見えるんだけどなぁ・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
自分でフレームから組み立てるときは,ここが一番のネックになると思います。逆に,他の作業は,日常的なメンテナンスやパーツ交換の延長線上ですから,作業量は多いけど難しくはありません(楽しいですし)。
タップ切り&フェイシングをしてくれる通販もあるみたいですから,そういうのも検討してみるといいかもしれません。せめて,メーカーでBBを一回取り付けてみてから出荷してくれると嬉しいんだけどなぁ~
作業時間はたっぷり確保しましょう
LOOK号の組立作業は丸3日で完了しました(サイコンやケージ,保護シールなどの小物をのぞく)。土・日・月で完成です。
しかし,先にも書きましたが,作業量が割と多いので,最後の方は結構疲れてきてしまいました。
たとえば,「ステムの交換」や「クランクの交換」は過去にもやっていますが,いつも半日くらいの時間をかけてのんびりやっていました。
フレームからの組立では,あらゆる部品取り付けを連続で行うわけですから,やっぱり,頭も手も疲れてきてしまうのは当たり前です。
3日目になると写真の枚数は少ないし(作業→撮影→作業,が面倒になってくる),最後にやったバーテープ巻きは完全に失敗しています(STIの付近でバーが露出しています・・・。涙)
早く乗りたい気持ちを抑えるのはなかなか難しいのですが,やっぱり,休み休みで2週間くらいかけて作業する方が,出来上がりも美しくうまくいくと思います。
その点,真冬や梅雨時期はフレーム購入のチャンスかもしれません!(走れないので,作業に専念できる♪)
トルクレンチは必須かも!
多くの方の助言をいただき,組立前にトルクレンチを購入しましたが,本当に大正解でした。
なんといっても,トルクの管理が簡単ですから,特にカーボンパーツの取り付けで,「むむ,もうちょっとイケるか? いや,あぶないか・・・?」と悩む必要がなくなります。
締め付けすぎてパーツを壊してしまった場合,ケージやハンドルバーならあきらめも付くのですが(泣くけど・・・),ステアリングコラムだとかなりキツイし,ISPだと絶望的です(なんせ,全損ですから)
この精神的な圧力から解放されるだけで幸せになれます。
うほ~,ネジ回しが楽ちん(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
また,小さなアーレンキーで一生懸命締め付けるのと違って大きく長いハンドルですから,小さな力で済みますし,ラチェットで軽快に回すことができます。
トルクレンチも上を見始めるとキリがないのですが,おいらの場合,今回買ったBBBの『トルクフィックス』で十分すぎるくらいでした。是非,一家に1セットです♪
ある程度乗り込んでいないとISPモデルは厳しい
まぁ,当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
ISPは一度切断したら後戻りできません。コラムも同じですが,コラムの場合は長いままでもスペーサーを使えば,低くすることができます(HEAD FITではスペーサーすら不要です♪)
ISPの場合は「長めにしておく」ということができません。長めにしておくということは,そのまま,サドル位置が高くなってしまうわけですから,5cmも長めにしておいたら,ケツが痛くて乗れなくなります。
おいらの適正なサドル位置は,BB~サドルトップで71.5cmですが,ちょっとだけ余裕を持たせて72.5cmになるようにカットしました。
ほんの1cmではありますが,やっぱり,ケツには少し負担になっていますので,そのうち,あと5mm~1cmはカットしようかな,と思っています。
というわけで,別のロードバイクである程度乗り込んで,自分のポジションが見えてきてからじゃないと,ISPのフレームは難しいなぁ,と思います。
RHC号での3年間は無駄にはなりませんでした(^^)
ワイヤーの取り付けは納得がいくまでがんばる
コンポを取り付けたら,シフト・ブレーキワイヤの取り付けになりますが,これは気合いを入れて,納得がいくまで調整した方がいいと思います。
特にシマノのシフトワイヤの場合は,目の前(ハンドルバーの前)を通っていますから,イヤでも目に入ります。これが,左右アンバランスだったり,妙に長かったりすると,たぶん,気になってしょうがないと思います(人にもよると思いますが・・・)。
フレームからの組立では,参考となる前例がないため全部自分で長さを決めるわけですが,今回はここでずいぶん時間をかけて調節を繰り返しました(4時間くらいかかった・・・)
おかげで,仕上がりは自分では満足のいくものになっています。
ワイヤー取り付けは,とてもうまくいったと自己満足しています(^^)
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
完全にど真ん中でクロスしていますし,ハンドルを曲げきっても,フレームには接触しません。
DURA-ACEや新Ultegraでは無用の努力かもしれませんが,我がTIAGRAでは,自転車を美しく見せるためには,ここで労を惜しんではいけません(^^)
工具は大切に扱いましょう
一連の作業の中で,特にワイヤーカッターの出番は非常に多かったです。
RHC号の分解で多数のワイヤを切断しますし,LOOK号の組立では長さ調節をしながら何度もワイヤを切断しました。
RHC号の分解時には,「どうせ分解作業だし~♪」という真剣さの足りなさから,斜めに切断したり,インナーごとぶった切ったりと,わりと適当な使い方をしてしまいました。おかげで,2枚の刃の取り付けがゆるんだのか,刃がなまってしまったのか,切れ味がものすごく悪くなってしまいました・・・(涙)
カッターに限らず,工具は大切に扱うべきですね。
また,今回はありませんでしたが,ボルトの締め付けで力を加えているときに,アーレンキーやレンチが外れたりすると,思い切りフレームを傷つけたりする事故もありえますから,一つ一つの作業は丁寧すぎるくらいの慎重さでやった方がいいいでしょう。
高い工具と安い工具
一般的に,自転車用の工具はお値段が高めです。
ごく普通のレンチでも,「自転車用」とラベルを貼るだけで1.5倍くらいの値段で売れるような気がします(笑)
ただ,本当に自転車専用の工具となると,やはり,ある程度の物を選ばないと失敗することもあるかもしれません。
おいらの少ない経験で,高いものにしておいた方が良さそうな工具と,安物で十分な工具はこんな感じです。
(今回のLOOK号組立で使っていない工具も混じってます)
高い方がよさそうな工具
- BB回しレンチ。安物(おいらはTL-FC32)だと,厚みが薄く,また,強度が足りないために,BBの一部に応力が集中して傷を付けてしまいます。もう少し高めの工具(パークツールや,FL-FC36)の方が良さそうです。
- アーレンキー。おいらのは安いセットですが,先っぽがボールポイントになっている点が使いやすいです。本当は,T字型レンチだともっと使いやすいらしいです。自転車乗りが一番使う工具だけに,もう少し良い物を買っても良かったかな?と思っています。
安物で十分な工具
- トルクレンチ。既出ですが,BBBやgrundgeの1万円未満のレンチでも十分機能的です。3万円くらい出せば,トルクをデジタル表示してくれるレンチもありますが,まぁ,そこまではいらないかなぁ,という気がします。
- 金ノコ。ある程度の細かい刃であれば,なんでもいいらしいです。鉄が切れるんだから,樹脂が切れないわけがないです。切断面はヤスリますし。
- ワイヤーカッター。今はシマノ純正工具を使っていますが,DIY店に行くと半額くらいのカッターが多数売られています。こちらは,まだ検証できていませんが,純正品を使う意味はそんなにないんじゃないかな?(壊れちゃったし・・・),と思っています。近々,安物購入予定です~
- チェーン切り。なんでもいいと思います。おいらはMISSING LINKを使っているので,チェーン切りは,まさに「切るため」だけに使っていて,コネクティングピンを使った接続用には使っていません。この用途であれば,高価なチェーン切りはまったく不要です。
- スプロケットリムーバ。おいらのは格安LIFUのですが,これも,そんなに難しい工具ではないので,なんでもいいのでは?という気がします。
まとめ
ようやく,これで,LOOK号組立日記は(たぶん)おしまいです。
振り返ってみると,BB取り付け以外は特に大変な作業は無かった気がします。基本的には普段のパーツ交換の延長線上ですから,あとは根気と時間だけです(^^)
ただ,ロードバイクの場合(ほかのスポーツバイクもそうでしょうけど),「失敗しても命に関わらない部品」はほとんど無いので,あくまでも事故責任,いや,自己責任で念には念を入れて作業にあたりましょう~
季節は春から初夏へ。さぁ~,乗りまくるぞ~(^^)
Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
なにか,心配な点,ご不明な点がありましたら,お気軽にコメントをください~。
(次ネタになるかもしれないし♪)
(おまけ)
GPS欲しい~。自転車乗りとしてはEdge705なんでしょうけど,Oregonの方がすごく地図かきれいみたい。違いはなんなんだ~。
>keteruさん
こんばんは~
ホイールの調整って難しそうですねぇ・・・。
おいらは,とても手が出せそうにありません。
ハブを組み直すなんて~。
で,New105。
今日,ちらっと立ち読みしましたが,時間が無くて。
ケーブル内蔵式になったんですね。
むほ~,Ultegraと悩んじゃうなぁ。
最近,リアスプロケを,もっとクロースにしようかと思い始めています。
今は12-27Tの9sですが,10sの12-25Tあたりはどうかと。
「27T」は,本当にありがたい存在なのですが,
どうも,頼りすぎてしまっているようで・・・。
やっぱり,自分に厳しくしようかな?と。
って,25Tじゃ,全然厳しくないジャン(笑)