カットしたISPの残骸。なんかの記念に取っておこう(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
いよいよ,新RHC号(紛らわしいので,以下LOOK号)の組み立てが始まりました。
ロードバイクをフレームから組み立てる場合,一般的にはBBやクランクあたりからのんびりと始めるみたいですが,LOOK号の場合はいきなり最大の山場を迎えます。
それは・・・。
そう,ISP(インテグラル・シートポスト)の切断からスタートなのです!
もちろん,最後の最後にISP切断作業に取り組むこともできます(もちろん,運用中のカットだってありますしネ)が,様々なパーツが取り付けられた後ではフレームを押さえるのも大変ですし,カーボンの切り屑が飛び散って大変です。
「これからやるしかないかなぁ・・・」と思いながら始めましたが,本当にISPカット作業から初めて大正解でした。後述しますが,ISP自体がとっても硬くて結構手間取ったので,他のパーツが付いていたらさらに苦労したと思われます。
どのくらいの長さにするか?
おいらは,3年ほど旧RHC号に乗り続けたおかげで,シートポストの高さはだいたい決まってきていて,BB~サドルトップで72.5~73cmに収まっています。
おぉ,綿密な計算。こんなんで大丈夫か・・・?
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
LOOK号のISPの場合,短く調整するのは無理(さらに切るしかない)ですが,伸ばす方には「スペーサー」を挟むことによって3cmほど調整幅があります。
ということで,とりあえずは73cmになるように切断してみることにしました。
試し切り
今になって告白しますが(?),おいらはカーボンパイプを切ったことがありません。そう,人生初のカーボンパイプ切断作業が,LOOK号フレームという状態なのです。
「補助輪なしで初めて乗る自転車がDOGMA60.1」や「初めて日曜大工が本物の家」みたいなきわめて危険な行為です。
ISPはフレームと一体(当たり前)ですから,作業失敗は即フレーム全損につながりますので,まずは試し切りをしてみることにしました。
初期状態のISPはべらぼうに長い(90cmくらいある)ので,まずは3cmほど切ってみます。
切るのに必要なのは以下のとおり。
- ノコギリ
- 今回はHOZANのK-129Sという金鋸を用意しました。
- ソーガイド
- 刃を当てるときに,曲がって進まないようにするためのガイドです。LOOK号の場合,アルミ製のガイドが付属してきます。
- 鉄ヤスリ
- 切り終わった後に,切り口のバリや段差を馴らすために使います。特にLOOKのISPは,切り口(切断面)に荷重が乗ってくるタイプのISPなので,切断面のなめらかさは大切です。
- 慎重さ&思い切り
- 長さの検討は細心の注意を払います。ココで間違えたらお釈迦です。しかし,切り始めたら,今度は立ち止まることなく,一気に切り進めた方がきれいな切り口になります。
HOZANの金鋸とフレームに付いてきたソーガイド。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
試し切りはウッドデッキにLOOK号を立てた状態で始めてみました。試し切りということで気軽に切り始めてみたのですが,すぐに断念。
最初はフレームを立てた状態でやろうとしたのですが,固くて固くて・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
とっっっても硬くて進まないのです!
そう,LOOK号のISPは結構な厚みがあり,とても強度が高いのです。なので,フレームを立てた不安定な状態で切り進めるのは不可能であり,横倒しにして押さえつけて切ることに変更です。
玄関先に横倒しにして,我が人生最高額の鋸作業再開!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
横向きにすると安定して切り進めることができます。
が,やっぱり硬い。結局,15分ほどギコギコ,汗だくになりながら切り進めてようやく切断完了。切り方自体は普通の鉄パイプの時と同じく,ギコギコしただけですが,できあがりは割ときれいな切断面になってくれました。
さぁ,いよいよ本番だ!!
切断本番!
さぁ,いよいよ,正確な長さに切断です。
今度は本番であり,ソーガイドで変なキズを付けるのもイヤなので,ソーガイドの内側をビニールテープで養生する業務改善提案を1件実施しました(^^)
ISPに傷を付けないよう,ソーガイドの内側をビニールテープで養生してみました。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
さて,これでいよいよ本番です~
いや,待て!
ついさっき,試し切りで3cmほど切っているので,切り捨てる分も3cm減らさなきゃ!! きゃ~,危ない~!! いきなり大失敗するところでした・・・。
で,改めて正確に切断長を計算し直して,深呼吸をして,いよいよ切断作業開始です。
今度はメジャーで切断する長さをきちんと測ります。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
無事切り終わりました!!
本番は20分ほどギコギコし続け,さらに切断面を仕上げるためにヤスリがけをしたため,結局30分ほどかかってしまいました。
ふぅ,無事に切断完了! 休まずギコギコやり続けるのがコツか!?
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
鉄ヤスリでギコギコ。こちらは比較的スムーズに進みます(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
よっ,ヤスリ職人! うまい出来具合です(^^)
ついでに,切断面にエポキシ系接着剤を薄~く塗って保護しておきました。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
仕上がりは写真の通りで,意外なほどキレイな切断面になってくれました。また,カーボン製品は切断面からの吸湿で強度が下がる,という説を聞いたことがあるので,切断面に薄~くエポキシ系接着剤を塗っておきました。
今回は,吸湿対策としてエポキシ接着剤を使ってみましたが,本当は瞬間接着剤の方が良いようです。繊維の内部まで浸透して硬化するそうです。エポキシだと簡単に剥がれてしまうとのこと(涙) 近々検証,修理する予定です。
やっぱり,エポキシはダメでした。爪で触ると簡単に剥がれてしまいました。瞬間接着剤でやると,ぐんぐんと繊維の内部に浸透していって硬化してくれました。改善処置の様子はこちらをどうぞ~。
最大の山場を越えて
人生初の自転車組み立てが,人生最高額の鋸作業から始まってしまい,ドキドキの連続でしたが,なんとか無事に乗り切ることができました。
ほっ,「LOOK」のロゴがちゃんと読める! 脚を長目に産んでくれた両親に感謝。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
最初にも書きましたが,ISPカットは自転車全体を組み立てる前で大正解でした。
自転車を横倒しにして押さえつけて作業するのは,クランクやギアが付いた後ではかなり難しいことと思います。
最後にISP切断時の注意点をまとめて,LOOK号組み立て日記の第1回を終わりにいたします。
ふぅ~,よかった~,無事終わって♪
- アルミのソーガイドは柔らかい
-
なんてヤワなソーガイド。お前が削れてどうする!!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
アルミ製のソーガイドは鋸で簡単に切れてしまうので要注意です。気が付かないうちに,ソーガイド自体を切っているときがあります(!)
- カーボン粉末はかなり細かいです
- 切断作業をやると切り屑が出ますが,これがかなり細かい黒い粉末です。飛び散ると(奥様に怒られて)大変なので,新聞紙やビニールシートでの養生に気を付けましょう。
- ヤスリがけも気を抜かず
- ヤスリがけは鉄ヤスリでの作業になりますが,調子に乗ってギコギコやっていると,手元が滑ってフレームを傷つける可能性があります。気を抜かず,丁寧な作業に心がけましょう~!
- 【2010.5.21】
- 切断面の吸湿対策について,エポキシは適していないようなので,近々,瞬間接着剤にてやり直してみる旨,追記しました。
- 【2010.5.24追記】
- 切断面のエポキシを爪で触ると簡単に剥がれてしまいました。内部まで染み込んでくれる,粘度の低い瞬間接着剤じゃないとダメのようです。改善処置の様子はこちらをどうぞ~。
はじめましてコメント失礼します。このたびルック695zrのオーナになりました。ただいま2回目のシートポストの切断に悪戦苦闘しております。こちらのホームページは大変役に立っています。しかしルック独自の企画に大変苦労しています。795ライトにしなくてよかったと思っています。また分からないところがあったら教えてください。