シマノ特許の,ガイドプーリーの「遊び」に腰掛けるおねえさん(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ブログテーマがロードだけに「ひょっとして第13章まで行くのでは?」と噂されていたRD自爆事故シリーズですが,残念ながら今回の第7章で最終回です(若い読者の方,ついてこれているかなぁ・・・?)
懸案だった上下プーリセットとSTIユニットカバーが入手できたので,双方をインストールして大縁談大団円を迎えることができました。
それにしても,長かったなぁ・・・。
長いけど,要するにこんなお話です(^^)
- プーリーとユニットカバーが来たので,いよいよ完全復旧!
- ガイドプーリーの「遊び」を確認
- テンションプーリーの歯先形状を確認
- ユニットカバーを装着
- 一連の復旧対応で学んだこと
テンション&ガイドプーリーの交換作業
今回の事故との因果関係はわからないのですが,ガイドプーリー(上のプーリー)の歯が一枚欠けていたので,思い切って新品と交換です。
左が交換前。歯先が欠けています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
途中,なぜか「ブレーキシュー」が誤配送されるトラブルがあったりしましたが,すぐに正規のRD-7900用の「テンション&ガイドプーリーセット」(品番:Y5X098090)が到着しました。
左がプーリーセット。プーリを買うなんて,YUMEYA以来かな・・・?
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ロードデビューの頃以来の,久しぶりのプーリー交換になりますので,せっかくだから,純正プーリーの特徴をよく見ておくことにしました。
ガイドプーリー(上側のプーリー)
今ではかなり有名な話だと思いますが,シマノのガイドプーリーには左右の「遊び」があります。
がっちりとRDに固定した後も,左右にわずかに(0.7mm)スライドするようになっているのですが,これはシマノの特許(特開平9-86472)であり,他社にはマネのできないものとなっています。
実際にどのくらいスライドするのか試してみると,こんな感じでした。
目いっぱい,ベアリングを押し込んだ状態。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
反対に,最大に出っ張らせた状態。結構差があります。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
なんか,0.7mmよりも大きくスライドしているようですが,ここにカバーを付けてRDケージに収めこむと,0.7mmに制限されるのかな・・・!?
テンションプーリー(下側のプーリー)
テンションプーリーには左右の遊びはないのですが,かわりに回転方向指定があります。
これは歯先の形状に特徴があるようなのですが,拡大してみるとこんな感じです。
ガイドプーリーの歯。斜めから見ると気が付きにくいのですが・・・
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
よく見ると,左右非対称になっていました(!)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
今までずっと「先っぽが尖っているんだよね♪」程度に思っていたのですが,よくよく見ると,左右非対称になっていることに気が付きました。
「製造上の誤差か?」と思えるほど微妙な違いですが,左右の面で傾きが異なっています。
これが特許なのかどうかはわかりませんが,色々考えられているんだろうなぁ,と勝手に想像しています。
また,ベアリングの左右にはアルミの「蓋」があるのですが,この形状が,以前のものと微妙に形状が異なっていることも判明しました。
新旧のアルミ板の違い。新型(右)は少し凸凹がついています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
こちらは,ほんと,微妙な違いですし,いわゆる「ランニングチェンジ」というものなのでしょうか。
さっさと組み立て完成!
RD-7900は上下プーリーともにシールドベアリング仕様です。
パッケージのこのマークは,「上下プーリーともベアリングですよ♪」を意味しています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
なので,基本的にはグリスもメンテナンスも不要だと思うのですが,荒天時には猛烈に汚れる部位ですし,せっかくの機会なので,薄~くヅラグリスを塗っておきました。
一応,防水用にヅラグリスを塗っておきました(気休めかな・・・?)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
また,ケージに収めるときはネジ止め剤(手元に転がっていたLOCTITEの243)を塗っておきました。
取り付け作業は,もちろん,(家にいるにも関わらず)TOPEAKの『HEXUS II』を無理やり使ってやりました。
あと数回で,元は取れることでしょう(?)
実作業では,もうちょっと丁寧に少量だけ使っています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
投資回収のため(?),無理やり使う,HEXUS II。普通のレンチ使えよ~(笑)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
STIのユニットカバー
納入が「3月中旬以降」となっていた,右STIのユニットカバー(品番:Y6SC98210)が早めに入荷したので,再注文して手に入れることができました(頼んだショップ,サイクルショップナンバーワンさんはわざわざ連絡いただき,かつ,送料無料で送ってくれました。ありがとうございました~!)
右STIレバーのユニットカバー。左側が新品ですが,どっちにしても,変な恰好だなぁ・・・。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
壊れたユニットカバーについては「変な恰好だなぁ」と思っていたのですが,新品が来てもやっぱり「変な格好だなぁ」という感想に変わりはありませんでした(^^;)
修理作業については,右STIのゴムカバーをムニュ~っとめくりあげ,古いカバーの残骸を外して,1本のネジで固定するだけです。
作業前。カバーが折れて,ボルトだけ残っています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
作業後。シフトワイヤーの巻取り部をきれいに隠せました(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
こちらの股間交換は数分で終わりましたが,たぶん,転倒時に破損したものではないという思いを強くしました。
なんせ,ユニットカバーはハンドルの内側(右STIの左側)にあり,外からの衝撃はまずありえません。
また,ワイヤ交換作業時にポロリと落ちてきたものなので,破損のプロセスはおそらく以下のようなものと推測されます。
- 新品のSTI装着(5年前)
- 日々の使用で劣化が進む(内部はオイル,外側は握力など条件は良くない)
- ワイヤ挿入作業時,内部からインナーワイヤーに押される
- 細い部分で折れてしまう
見た感じ,直さなくても全然大丈夫(ゴムカバーの内側なので)そうなので,次に壊れた時は,クリアファイルの切れ端などで代用しちゃおうかな?と思っています。
完成!&まとめ
2月6日(土)に自爆事故を起こしてから,2週間後の20日(土)になってようやく完全に修理完了です。
この間,いろんなことを学ぶことができました。
- ハンガーが破損したら,チェーンを切り詰めて「シングル化」して走る
- コネクタ愛用でも,チェーンツールは携帯必須
- タイラップは何本か持っているほうが安心
- シングル化して走るときは,アウターがいい(インナーだと変速しちゃう)
- 7900系DURA-ACEはかなりの旧型になっていて,パーツ入手は困難化しつつある
- LOOKのディレイラハンガーもかなり入手困難(代理店の・・・もあるらしい)
- B軸メンテナンスは意外と大変(スプリングが・・・)
- プーリーの形状はよく考えられている
こんなところでしょうか。
おぉ~,RD-7900が復活!! チェーンも新しいぜ!
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
自転車の入門書に普通に書かれていることから,トラブルにブチあたらないとわからないことまで,色々学ぶことができました。
今後に活かせるかどうかは怪しいのがおいらの難点ですが・・・(笑)
また,屋外を安心して走れるレベルまで,完全修理に要した費用はこんなところです。
パーツ | 型式 | お値段 | 備考 |
---|---|---|---|
チェーン | CN-6701 | 3000円 | ULTEGRA |
ツール | HEXUS II | 3000円 | 事故専用ではないですが |
B軸一式 | Y5X098010 | 2400円 | |
STIユニットカバー | Y6SC98210 | 600円 | |
上下プーリー | Y5X098090 | 3600円 | |
シフトワイヤ | てきと~ | 150円 | 普通の鉄 |
ディレイラハンガー | LOOK純正 | 2500円 | もう1個ほしい・・・ |
たった1回の自爆転倒で15000円以上もかかったのは痛いですが,去年はホイールを全損させて70000円も出費しているのだから,安いもんです(いや,高い・・・)
まぁ,こういう風に前向きに考えれば生きて行けそうです。
- HEXUS IIは今後もずっと使っていける
- プーリーは別の機会に壊れていた。気が付いて直せてよかった
- チェーンはちょうど張り替えようと思っていた(うそ)
- シフトワイヤは,ちょうど無コーティングを試してみようと思っていた(うそ)
後半,かなり苦しいですが,生来の超おおざっぱな性格O型ですから,こんなものでしょう(全国のO型のみなさん,すいません)
さぁ,気を取り直して(?),サイクルチャレンジカップ藤沢へ向けて準備を進めよう~!
全7話,長々とお付き合い,ありがとうございました~!
おしまい(^^)
おまけ
冒頭の写真は,めずらしく「チューインガムおねえさん」ですが,いつものオカンの写真も撮っています。
ベアリングを引っ叩いてスライドさせるオカン。ちょっと角度的に無理があるのでボツ。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
左手でベアリングを押し出す,
Williams容疑者。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
撮ってみたけど出番なし。どれだけ撮ってんだか・・・(笑)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
よいカーボンモノコックのフレームがあれば欲しいのですが、ないですねぇ…
リペアパーツ以前に、そもそもBBが使い捨て圧入式では選考対象になりません。
嵌合のFSAとSRAMがダメになった時の思ったのは、何でも使い捨てにしてしまいランニングコストを全く無視したあめりかじんが圧入式BBを考え出したのではないかということです。
中華カーボンフレーム製作者もネジ込みBBモデルを作りさえすればもっと売れるのに、きっと彼らは某神サイトを読んでいないのに違いありません。
ほぼすべてのモデルにITAを復活させた PINARELLO 社に敬意を表します。お金さえあれば PINARELLO フレーム買うのですが、今度はフレーム本体が高価すぎます。これだけ高価なモデルを買える人なら、逆に圧入BBでもよいのではと…(^^;;
その他でネジ込みBBというと、DEDACCIAI とか BOMA とか CARRERA とかになりますか…
今のバイクに乗る2~3年のうちに圧入BBが絶滅し、ネジ込みBBのカーボンモノコックフレームが全盛となることを願ってやみません。