貧脚をカバーする夢のオッサ・・・,いや,シニアスプロケット。
SONY α7II + Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA
前回は,ヤビツで見かけた11-23Tスプロケットに魅せられ,競うように(?)12-30T(ULTEGRA CS-6700)の導入を決断したことを紹介しました。
また,30Tという巨大ギアに対応するため,リアディレイラも対応品(ULTEGRAのRD-6700A-SS)に換装することとしました。
連載2回目の今回は,30T化作業の様子を紹介しましょう。
【手順1】シニアスプロケット12-30T(CS-6700)に換装
世間では,リアの巨大(=軽い)ギアのことを「乙女ギア」と呼ぶことがあるそうですが,乙女以上に脚力が衰退してきているオッサンにこそ相応しいギアではないかと思います。
ULTEGRAには11Tや12Tやという,誰のためにあるのか意味不明なクソ重いギアを除外した,14-28Tのようなスプロケットがあり,「ジュニアスプロケット」と呼ばれています。
それに倣い,フォトポタ日記内では,12-30Tを「シニアスプロケット」という表記に統一しましょう(^^)
左が12-27T,右が今回の12-30T。
27Tも十分大きいんだけど,30Tに比べると小さく見える・・・(^^;
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30T化の作業は,まず,山岳用ホイール(FFWDD F4R)に,オッサ・・,いや,シニアスプロケットを装着するところから始めます。
といっても,12-30Tは普通の10速用スプロケですので,今付いている12-27Tを外して,代わりに12-30Tをはめ込むだけです。
まぁ,強いて注意点を挙げるとすれば,10速用のスペーサーを忘れないようにすることくらいでしょうか(過去に,2枚入れた馬鹿野郎を知っています)
装着完了! しかし,でかいなぁ~(^^)
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【手順2】30T対応ディレイラー(RD-6700A-SS)に換装
これも,超簡単。
古いRD(RD-7900)を外して,新しいRD(RD-6700A-SS)を取り付けるだけです。
RDが緩んで脱落すると,ものすご~く大変な事故になるので,念のため,RD取り付けボルトにはロックタイトを塗っておきました。
左が新しいRD-6700A-SS。右が取り外したRD-7900。
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【手順3】チェーン(CN-6701)の洗浄,イノテックコーティング
シマノの新品チェーンは,サラダ油(←たぶん違う)が塗りたくられているので,これを除去したうえで,いつものイノテック105オイルを塗ってコーティングします。
初めてイノテックを使ったときは,「鍋でチェーンを煮込む」という世界初の快挙を成し遂げましたが,今思えばそこまでやる必要もなかったのような気もするので,今回は,いつもの超音波洗浄機(上海問屋製)で洗い,ママレモンでゴシゴシして,サラダ油を洗い落としました。
上海問屋製超高級超音波洗浄器でブイ~ン。
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【手順4】チェーン長さ調節
ここからは,ちょっと手間がかかります。
チェーンを適切な長さにカットする必要があるのですが,その「適切な長さ」を探す作業は,超久しぶりです。
普段,チェーン交換するときは,交換前のチェーンと同じ長さにカットするだけだから超簡単ですが,今回はスプロケもディレイラも変わったので,適切な長さ自体が変わっています。
シマノのディーラーマニュアルによると,28T以上のスプロケの場合,「最大スプロケと最大チェーリングの状態で,繋ぐことができる最小リンク数+2リンク」にすべしのことです。(P28)
要するに,「アウター×ローで,ギリギリ+2コマ」で繋ぐべしとのことです。
実際にやってみると,チェーンに最もテンションがかかる状態(RDが頑張っている)ですので,最小状態を探るだけで大変で,1回カットしたけどまだ余裕があり,さらに何コマか短くしてようやく最適状態になりました。
相変わらず,TOPEAKの携帯工具のカッターで切っています。
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1回目のカット。インナー×トップ時に緩みすぎて,接触しそう。
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さらに2コマほど切ってこの状態。少し間隔が開きました。
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【2017.5.17修正】
なんとなく「マニュアル通りやったのにコマが余った」的なことが書いてありますが,おいらの読み間違いでした。
ディーラーマニュアルでは,以下の図の通り,RDを通さないで調整するように書かれています。
なので,RDを通してしまうと正規よりだいぶ余裕(=たるみ)が出てしまいます。
シマノさん,疑ってごめんなさいです~
シマノディーラーマニュアルの記載。よく見るとRDを通してないんですね。
【手順5】Bテンション,SIS調整で完成!
こちらも,新しいRDの取り付けなので,何もかもイチから調整です。
ディーラーマニュアルを見ながら,
- トップ側のストローク(リミッター)調整
- ロー側 〃
- Bテンションアジャスタの調整
- SISの調整
の順番で調整します。
本来ならシフトワイヤも張り替えたいところですが,もうそろそろ,フルメンテナンスの時期なので今回は,シフトワイヤはアウター・インナーともに流用し,あとはマニュアルに従って淡々とやるだけです。
まぁ,よくあるミスです(笑) 走り出したとたんに大破します。
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SISの調整が,今までより少しシビアで,全域でお隣市内音鳴りしないように調整するには時間がかかりました。
まぁ,こいつに比べれば全然マシですが(^^)
次回は,いよいよ実走編!
実際にやってみると,一番面倒だったのは「新品チェーンのサラダ油落とし」だったような気もしますが(笑),トータル3時間ほどの作業で「30T化」は完了。
次回は,いよいよ,魔法のギアで夢のヤビツ30分台,富士ヒルシルバーリングへ繋がる,実走編です。
(つづく)
- 【2017.5.17追記】
- チェーンの長さ調整の記述が間違っていました。RDを通さないでギリギリのテンション+2コマなんですね。マッサマンさん,ご指摘ありがとうございます~(^^)
準備は整った。あとは登るだけさ。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
こんばんは^^
連日の連コメすみません。
なんと自分の695もチェーン長ミスってました(笑
同じくRD通してた感じですが、流石に長すぎだろ〜って適当に切って問題なく使えてたのですが
この記事読んで改めて見直すとまだ2コマ程長かったです!
おかげでタダで4gの軽量化、微妙に鳴ってたインナーローでのチャラチャラ音が消えました!
記事にして頂き感謝です!