冒険終了,無事,現世に帰って参りました。
上下巻で2300ページ。とっても分厚かったのですが,1週間ちょいで読み終わりました。
朝夕の通勤電車+深夜の風呂読書で読破。最後の方は,「もうちょっと,もうちょっと」と読み進んで湯あたりしていましたが・・・(アホ?)
宮部みゆきは,少年を主人公にした物語が多いのですが,『ブレイブ・ストーリー』も小学5年生の「亘」です。そして,この亘くんが,現実世界での家族と自分の運命を変えるため,ファンタジーの世界「幻界」に旅立ちます。
話のメインは,仲間と一緒に旅をし,自らの運命を変えることができる「運命の塔」にたどり着くこと。魔法と武術で,登場する敵をバッタバッタとなぎ倒し・・・,ではなく,ごく普通の小学生が右往左往しつつも,仲間を得て,宝を探し,人を救いなが旅を続けていくのです。
様々な冒険を経ていくことで,亘くんがどんどん成長していくのが面白いです。技や魔法ではなく,精神的にどんどん強くなっていきます。
そして,最後には「運命を変えること」の意味を考えるに至ります。
たった一つの願いしか叶えられない「運命の塔」で,自分の不運を変更したとする。しかし,将来,必ずまた辛いことや不運にぶつかる時があります。それが人生です。
それを乗り越えていくために,この「運命の塔」でなにを望めばよいのか。自分はなにを大切にしていくのか・・・
いやはや,面白かったです。
そして,2巻の後半では心温まるシーンが多々あり,涙も感動も程良く味わうことができました。
この2週間,仕事はタイタニック号の船底の船員のように忙しく,くったくたに疲れていました。
しかし! 通勤電車や風呂で『ブレイブ・ストーリー』を読むと,頭を切り換えてさっと熱中し,リラックスできました。(風呂で虫のねを聞きつつ,ファンタジーを読むのもなかなかよろしいです)
リザードやドラゴンいろいろな仲間が登場するし,宝物も集めていくし,さながらドラクエやFFのような感じです。
amazonの書評なんかでは,「RPGゲームと同じでつまらない」という意見もありましたが,本来,ファンタジーは小説が先なのでは?という気もしないではないです。ゲームが小説と同じなのでは?
いやぁ,ファンタジー小説というのも,本当にいいものですねぇ~(水野晴郎風)