完成図。バーテープの巻き量を少な目にして,ケーブルが自由に動ける範囲を増やしました。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
せっかく,上位グレードに載せ変えたのに,シフトの「引き」もステアリングも重くなってしまい,失敗になった新DURA-ACE化計画。
失敗から1週間。
その原因を徹底的に洗い出し(うそ),対策を真剣に検討した(うそ)結果,ようやくDURA-ACE本来の動きに近づくことができました。と,思われます・・・。
2nd チャレンジ
1回目の失敗の反省から,2回目のDURA-ACE組み上げ作業では,こんな点に注意して作業を行いました。
- ワイヤーカッターの新調
- LOOK号の最初の組立作業の時に調子に乗って乱暴に切りすぎて,刃がなまってしまっていたのです。アウターはもちろん,インナーですらすっぱり切れないのですから論外です。でも,純正のカッター(TL-FC11)はとても高いので,今回はHOZANのお買い得カッター(C-217)でがまんです。
- ハンドルバーの外側ルートに変更
- 「引き」を重くしている一番の理由は,おそらく,ハンドルバーの「内側ルート」を選択し,かつ,かなり小さなアールで強引にワイヤを曲げたことです。おいらのコンパクトハンドルでは,外側経由の方が(多少,長くなりますが)アールはなめらかになるので,抵抗も小さくなるはずです。
ハンドルの外側を大回りで通るルートにしてみました。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
- インナーワイヤーをAlligator製に変更
- シマノも7900系にあわせてP.T.F.Eケーブルを発売していますが,さわった感じではAlligatorのP.T.F.Eケーブルの方が,より滑らかです。シマノのP.T.F.Eケーブルの予備も持っているのですが,今回はAlligatorのを使ってみました。
AlligatorのP.T.F.EケーブルはDURA-ACEのに比べて半額以下です(^^)
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
2nd チャレンジ
わざわざ,「2回目」と言っているからには,「3回目」もあるような気もしないではないですが,気にせず先に進みましょう(^^)
作業の様子
先に紹介した作戦を取り入れ,2回目のDURA-ACE組み上げ作業に着手します。
シフトケーブルのルートを変更するためには,STI~ヘッドチューブまでの間のケーブルを新調する必要があります。現在使っている,CLARKSのケーブルキットは割と多めにケーブルが入っていて,まだまだ残りを持っていたので,それを利用して,STI~ヘッドチューブ間の張り替えを行いました。
前回とは異なり,今回はシフトケーブルだけの張り替えですし,それも部分的なものなので,作業は1時間ほどで終了です。
ルート決め作業中。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
C-217で切断したアウター。切れ味は純正(TL-FC11)の方がいいけど,まぁ,特に問題なし。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
気になる結果は・・・?
う~む・・・。
フロントは非常によくなりました。巻き上げもリリースもとても軽快です。特にリリースはビックリスくらい軽くなり,「ご操作しちゃんじゃないか?」と別の危惧がでてしまうくらいです。
しかし,リアについては,確かに前回よりは軽くなってはいますが,正直に言っちゃえば,TIAGRA時代にはまだまだ及ばない重さです・・・。
また,ステアリングについては,ケーブルの「遊び」を前回より多めにとっていますから,だいぶ改善されました。
しかし,操作フィールド同様に大事な(?),見た目については大幅に改悪されてしまいました。
できあがり状態。ケーブルに余裕を持たせたため,インラインアジャスターがちょっと変な位置になってしまっています・・・。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
シフトケーブルがアールを描いてフレームに入っていく途中にインラインアジャスタを入れているのですが,写真の通り,見た目が非常に悪いです。
ハンドルバーを出て,曲がり始めたところで,アジャスタのせいで真っ直ぐになり,また,曲がり始めてフレームに入っていきます。なんとも,カクカクしてしるのです・・・。
原因はなんだ?
2回目の組上げを総括すれば,「1回目よりはだいぶ良くなったけど,ぜんぜん納得できない・・・」という感じです。
原因としては,やはり,アジャスタの挿入位置が考えられます。カーブの途中で入っているので,アジャスタの入口と出口では(アウターキャップをしてるとは言え),擦れてしまうのだと思われます。
操作フィールもそうですが,見た目も悪すぎですし・・・。
また,ステアリングに影響する,シフトケーブルの「遊び」ですが,これがまた難しい。
前回は,「遊び」が少なすぎて,ハンドルを切る際に邪魔をしていたのですが,長すぎてもステアリングが重くなってしまいます。
「そんなの当たり前だろ!」という声も聞こえてきそうですが,LOOK号の場合,バーからフレーム入口までの距離が短いので,「遊び」を長くすると,ステアリングにかなりの悪影響を及ぼしてしまいます。
ハンドルを切ったときに「延びる側の長さが足りない」よりも「縮む側のケーブルの行き場がない」の方がより深刻です。
しかも,CLARKSのワイヤーは全体的に非常に頑丈です。通常の4mmよりも太い5mm直径ですし,アウターは細かい編み込みがされていて,非常に頑丈なのです。
というわけで,シフトフィールもステアリングも,なかなか満足のいくものではありません・・・(涙)
3rd チャレンジ!
2度あることは3度ある。
3度目の正直
石の上にも3年
どの諺を採用していいのかわかりませんが,3回目にチャレンジです。
今度は,思い切ってCLARKSのケーブルをやめて,シマノ純正のSP-41に変更です。
CLARKSは見た目もかっこいいし,アウターが頑丈で気に入っていたのですが,その「頑丈さ」が仇となってステアリングが悪くなってしまうので,あきらめです。
となると,ブレーキの方もあわせた方がよかろう,ということで,ブレーキケーブルもシマノ純正に変更。
結局,3回目の組み上げ作業は,第1回目と全く同じく,既存のケーブルを全部撤去し,新たに全部配線し直すこととなりました(しかも1日で2回目だ・・・)
作業の様子
そう,全部やり直しです。
バーテープをはぎ取り,ブレーキ&シフトケーブルを全部撤去し,新たに配線し直した上で,バーテープを巻き付けて完了。
さすがに,1週間で3回目となる作業なので,かなり効率的にこなせるようになってきました。
最初は半日以上かかった作業ですが,今回は夜9時に始めて深夜1時前には完成(なぜ,この時間に・・・)。
今回の作業では,シフトケーブルをSP-41にしただけではなく,「引き」を軽くするためにあらゆる努力(?)をしてみました。
- RDのインラインアジャスター廃止
- リアディレイラ側でも調整ができるので,思い切って,インラインアジャスタは使わないことにしました。数g軽量化するし(笑)
で,残ったリアのインラインアジャスタはこの位置に。良いのかどうか,わからんけど。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
- バーテープの巻きエリアを少し減らしました
- 昔は,バーテープをステム付近まで巻き付けていました。最近では,サイコンの取り付けもあって3cmくらいはあけていましたが,これを思い切って5cmくらいに拡大。シフトケーブルが自由に動ける範囲広げてみました。おかげで,ハンドルバーの「FSA」ロゴが格好よく見えるようになりました(ステムはDedaなんだけど・・・)
- ダストカバーの廃止
- これはあまり関係ないかもしれませんが,BB~RD区間のダストカバーも取りやめました。この区間は地面に近いことから,埃が付かないようにとカバーをしていたのですが,そんなに汚れるわけでもないし,小さいとはいえ摩擦があるでしょうから,これも廃止です。
肝心のシフトケーブルは,ブレーキケーブルの後ろ側を通って,早めにバーテープから抜け出し,適度な余長をもってダウンチューブに入っていきます(ダウンチューブ内の左右入れ替えは,また今度に残しておきます)。
さらに,アウターキャップにも一工夫してみました。
今回の作業に伴い,シフトケーブルを外した際,アウターキャップに黒い粉末が付いているのを発見しました。細いアウターキャップの穴を通る際に,インナーケーブルの表面が擦れて出てきたもののようです。
証拠写真。ケーブル表面が削れて,黒い粉が付いています。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
擦れているということは,すなわち抵抗になっているということです。そもそも,SP-41の金属キャップはアナが小さすぎると思います。そこで,ミニドリルで穴を大きくしてあげ,さらに,もっと大きなドリルで面取り加工までしておきました。これで,スースー通ってくれることでしょう。
純正の金属キャップは,穴が小さすぎると思うのです。実際,擦れているし・・・。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
ドリルで穴を広げてみました。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
おぉ,スースー通る!(^^)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
さらに,面取り加工もしておきました。少しは滑りが改善されるかな!?
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
こんな感じで,作業をすること4時間。3回目となる,新DURA-ACE組み上げ作業が完了しました。
で,どうですか?
LOOK号をローラー台に乗せて走り出し,おそるおそるシフト操作をしてみると,,,
とても軽くなりました!!
フロントは2回目の時と同じですが,リアはとても軽くなりました。ほぼ,TIAGRAの時と同じ軽さです(悲しい・・・)
また,翌朝,家の外を数分走っていた感じでは,ステアリングも問題なしです。左右に軽く切れてくれます。
こんな感じになりました(^^)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
バーテープは,いつの間にかOGKのCBT-3になっています。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
ようやく,ようやく,満足のいく出来上がりになりました。
いろんな取り組みを一気にやっているので,どの効果があったのかがわかりにくいですが,感覚的には「インラインアジャスターの廃止」がかなり大きい気がします。
やっぱり,7900系に無理矢理,アジャスターを挿入するのはよろしくない気がします。引きの重さにもつながりそうですし,見た目も芳しくありません。
現状では,FDだけに挿入していますが,よく考えればLGS RHC号の時にFDの調整なんてほとんどしたことがありませんでした。いずれは,FDのアジャスタも廃止してみようかな・・・?
さぁ,走ってみるぜ!!
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
さて,これから3連休。
一日30kmでも100km近く走ることができます。
「2度あることは3度ある」なのか「3度目の正直なのか」,結果はいかに・・・?
つづく
>ヒロさん
そうなんですよね、アジャスタは垂直なるように配線すると、
見栄えがいいはず(完成車はみんなそうですね)。
しかし、LOOK号はどうもうまく垂直にできないのです。
おそらくですが、フレームからワイヤーが出てくる位置が
ほかのフレームに比べて高いのだと思います。
内蔵式ではないLOOK585なんかではうまくいくと思うのですが、
LOOK595はいまいち難しいのです・・・。
現状の、「ハンドルに沿わせて隠してしまう」という
慣れれば意外と気に入っています。滅多に操作しないし。
シフトの「引きの軽さ」については、
いろいろ試してみたのですが、新DURAのワイヤ(PTFEコーティング)は、
組立時にケミカルを入れないで、ドライの状態の方が滑りがいいように感じます。
インナーワイヤー自体の摩擦係数が非常に小さいので、
ケミカルを注入すると、かえって、モッサリしてしまうようです。
が、そのような説明をしている本やサイトをみたことがないので、
もしかすると、おいらの思い過ごしかもしれませんが・・・。