ディレイラが無くなると,こ~んなにチェーンが余るということを初めて知りました。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
先日,衝撃的な破壊写真が話題になった(?)リアディレイラ事故。
当日はクッタクタに疲れていたので写真のUPしかできませんでしたが,写真の整理,体力の回復が完了(^^;)しましたので,改めて紹介します。
「事故発生・帰宅困難編」と「復旧工事編」の2回に分けて紹介です。
【11:00】会社のある横浜でお手軽ツーリング
先週の土曜日,595号に乗って,横浜の会社に忘れ物を取りに出かけました。
家から横浜までは約27kmですので,往復でちょうどいい練習になると思って,普段の電車ではなくて595号で行ってみました。
往路は,事前の予想通り,1時間20分ほどで到着でき,無事に忘れ物を確保することができました。
家を出て1時間20分。無事に横浜に到着~(^^)
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【12:00】全体未聞の転倒事故発生!!
往路とコース・ペースで家に帰れば,13時前には余裕で家に着けますので,山下公園で一休みすることにしました。
氷川丸をバックに595号の写真を撮り終え,場所を変えておやつでも食べようと歩きはじめます。
ちょっとおやつを食べて,氷川丸をバックに記念撮影。この後,前代未聞の惨事が・・・!
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公園の海側は自転車走行禁止のため,595号を右側にして(=自分は左側)押して歩き始めたのですが,ここで,前代未聞の転倒事故が発生したのです・・・。
右足を前に出したとき,ちょっとガニマタ気味に出てしまったのか,なんと,595号のリアホイールを横から踏んでしまったのです。
ホイールを踏まれた595号は停まってしまい,右手で595号を押していたおいらは大きく右前方に傾いてしまい,595号と一緒に,右側にバターンと倒れてしまったのです。
「自分の自転車を自分で踏んで,自分の自転車と一緒に倒れる」
こんな,靴ひもを踏んで転ぶみたいな,アホな倒れ方ってあるんでしょうか!?
停車時にビンディングが外れなくて「立ちゴケ」というのは良く聞きますが,歩いていて転ぶ「歩きゴケ」というのは,世界初ではないかと自負しております(するな~!)
【12:05】被害状況を確認して,愕然とする・・・
595号と一緒に倒れこんだおいらは,すぐに起き上がって595号の様子を確認,,,はしないで,とりあえず公園の隅っこに移動(恥ずかしいんですもん)。
公園の片隅のベンチ立てかけて595号の様子を見てみて愕然・・・。
イ!? ディレイラって,こんな風に取り付けてあるんだっけ!?
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なんだか,見慣れないパーツも転がってるぞ!?
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あら~! ハンガーがポッキリと折れている!(T_T) フレームちょっと傷んでいるようだし・・・(号泣)
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なんと,ディレイラハンガーがポッキリと折れて,リアディレイラ(RD)がチェーンにだらしなくぶら下がっています。
今までも,駐輪したら倒れてハンガーが曲がる,という事故は何度かやっていたのですが,今回はおいらも含めて乗っかってしまった,いよいよハンガーが逝ってしまったようです(T_T)
RDが脱落している以上,簡単に直して帰れないことは明白なので,ゆっくり状況を確認することにしました。
- ディレイラハンガーが折れている
- RDのBテンション調整用と思われるパーツが落ちている
- スポークはかすかに塗装ハゲがあるが影響はなさそう
- 腹がすごく減っている
さて,どうしたものか・・・?
【12:20】とりあえず腹ごしらえ & 帰る算段を検討する
いろいろやることは多そうですが,腹が減ってはしょうがないので,公園内のコンビニで肉まん,ホットコーヒー,軍手を購入。
温かい肉まんを食べながら,自転車仲間からFacebook経由で知恵を拝借しながら,家に帰る方法を検討します。
その結果,以下の方法で帰ることに満場一致で決定。
- 肉まんを食べ切る
- ホットコーヒーを飲み干す
- ディレイラを外す
- チェーンカッターでチェーンを切り詰める
- シングルギアで帰る
昔読んだ,自転車トラブルレスキューみたいな本にも同じことが書いてありました。
家まで27kmもシングルギアで帰るのは大変そうですが,押して帰るよりは遥かに良さそうなので,この案で行くことに決定です。
【12:30】ワイズロード横浜へ行こう!遠いけど!
ディレイラはプーリーゲージをバラせばいいので簡単にはずことができました。
プーリ―ゲージを外せば,RDは簡単に外れます。
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これで,シフトワイヤを外せばOKです。
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しかし,問題は長く余ってしまうチェーン。
バラしたプーリーゲージを利用して臨時のテンショナーを作ったりしてみましたが,余長を巻き取るには全然足りません。
即席で,プーリ―を使ってみますが,ほとんど意味なし(笑
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一番長い,アウター×ローでも相当に余ってしまうので,切り詰める必要があるのですが,残念ながら,おいらはチェーンカッターを持ち歩く習慣はありません。
幸い,ミッシングリンクを使っているのでチェーンを595号から取り出し(プーリーゲージの分解は無駄だったような・・・),試しに携帯工具の極細ドライバーで押してみました。
チェーンのピンに狙いを定めてドライバーをあてがい,石ころでドカ~ンと衝撃を与えますがびくともしません。
まぁ,こんな程度で切れるチェーンでは話にならないことに気が付き,約3km先のワイズロード横浜でチェーンカッターを購入することに決定。
初めて知りましたが,RDが無くなると,こ~なにチェーンが余っちゃうんですね。これでは,空走するのすら危ない。
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休日の家族連れでにぎわう,みなとみらい地区を,フランス製のかつてのフラッグシップバイクで,チェーンなしで走ることの情けなさと言ったら・・・(涙)
まぁ,ストライダーみたいなので,流行の最先端かもしれませんが(笑)
【15:00】チェーンカット断行! 失敗! さらに詰める!
事故発生から,ワイズにたどり着くまで約3時間。
チェーンカッター単品は結構お値段が張る(2500円程度)ので,せっかくだからと,TOPEAKのチェーンカッター付きのマルチツール『HEXUS II』を購入しました。
緊急事態の出費ということで妻にも許されそうな予感がしたので,ついでにチェーンまで購入しておきました(^^)
どさくさで,携帯ツールとチェーンを購入。タイヤやバーテープなどの消耗品も買っちゃえばよかったかも・・・(笑
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さっそく,チェーンカット作業を始めたのですが,当初の目標は「F=アウター,R=3速」あたりを目指しました。
しかし,どう目測を誤ったのか,いきなり多めに12コマも切ってしまい,アウターに届かなくなってしまいました(死にたい・・・)。
若干,使い方を間違えている気もするけど,善は急げだ!
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調子に乗って,いきなり12コマも切って足りなくなる。バカヤロウ~!
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どさくさで購入したチェーンを早速使うという,地獄のような選択肢も浮かびましたが,アウターではなくてインナーを使うことにしました。
インナーになるとさらに短く切る必要があり,なんだかんだ言って合計18コマも切り詰めることになってしまい,ものすごく心配になりましたが,とりあえず,「F=インナー×R=6速」で走れるようになりました。
切った分だけ,ものすごく軽量化しましたし(違?)
ヤケクソで,もう1回切って,インナーで走ることにしました。
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とりあえず完成! インナー×6速で帰ろう!
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【15:30】シングルギアで出発~! すぐに失敗!
ここにたどり着くまで,いろいろ試行錯誤していたせいもあって,チェーン作業完了は15時半。
でも,とりあえずは「90rpmで30km/h」くらいのギアですから,ちゃんと走りだせば2時間もあれば家につけるはずです。
そう思って,国道1号を走り始めたのですが,1kmもしないうちにマズイ事態に陥ります。
リアが6速になるようにしたつもりだったのですが,走っているうちに,勝手にギアが大きいほう(ロー側)に上っていきます。
6速で走り出したはずなのに・・・
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ちょっと走ると4速にまで上り,チェーンのテンションがキツクて回せなくなる・・・(涙)
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4速になると完全に弛みが無い,ピーンと張った状態になり,漕げないくらい重くなります・・・。
このまま走るとチェーンが切れてしまいそうなので,立ち止まってホイールを外し,6速に掛けなおしてホイールを装着して走りだすのですが,数百メートルも走るうちに,また4速に戻ってデッドロックになってしまいます・・・。
原因をいろいろ考えたのですが,おそらく,インナーの楕円ギアが原因ではないかと結論。
595号は,インナーだけROTARの楕円ギアを使っているのですが,これのおかげで,チェーンは1/4周ごとにテンションが上下します。
なるべくチェーンを揺らさないように走っているつもりでも,楕円が小さいときにはチェーンが弛むので,その時に軽いギアに上ってしまうようなのです。
一体どうしたら・・・。
【16:00】全自動8速チェーンガイド(PAT PEND.)を発明!
楕円のインナーギアを使っている限り,「ちょうどいいチェーンテンション」を保つことは不可能。
弛緩時にチェーンが自由に動いてしまうことが問題なのですが,もっと正確に言えば,縦方向にはいくら振動しても問題なく,左右に振動してしまうことが問題なのです。
そこで,左右の振動を抑制する「ガイド」を作ることを思いつきます。
といっても,手持ちにたいした資機材があるわけではないので,タイラップとシフトワイヤでこんなガイドを作ってみました。
見るからに危なっかしいですが,意外と大丈夫なんです(^^)
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これで,ちょうど8速あたりにガイドしてくれるようになりました(^^)
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RDのアウター受けに,シフトワイヤをリング状に巻いてガイドを作り,これがバラバラにならないように,タイラップできつく巻き付けます。
また,そもそも6速では軽すぎたので,リングの大きさを,ちょうど8速くらいになるように調整して完成です。
これで,多少テンションが緩んでも,チェーンの左右位置は,ほぼ8速あたりに固定されるはずです。
頼むよ~!
【17:00】全自動8速チェーンガイド,快走!
見るからにヤバイ作りの「全自動8速チェーンガイド」。
藁をも掴む思いで作ってみたのですが,走り始めると,予想外に快適です。
だいたい100rpmで30km/h。意外と走りやすい!(^^)
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楕円リングでチェーンが暴れていても,関係なく,ずっと8速で固定,安定して走ることができます。
慣れてくると,停車直前にわざと左側に車体を傾けると7速に落ち,発進後しばらくして8速に戻る,という実に高度なフィードバック制御(うそ)まで見せてくれます。
平常時には絶対に誰も真似しないとは思いますが,緊急時には,こんな解決方法もアリかも?と思いながら,西へ西へと急ぎます。
やっと,看板に「藤沢」が出てくるようになってきたよ・・・!
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【19:00】我が家に到着~
結局,藤沢に着いたのは,横浜を出て3時間半後の19時ちょうど。
往路の2倍以上の時間をかけて,ようやく到着です・・・。
記事がすご~く長くなりましたが,本当に,長かったんです!(涙)
たった27kmだったのに,こんなに長いとは思いませんでした。
道中,ロードバイクのすごさ,変速のありがたさ,そんなことを考えながら,ペダルを踏んでいました。
ペダルよ,あれが藤沢の灯だ。涙で霞んで見えない・・・(うそ)
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今回の事件による教訓は山のようにあって,まだ整理しきれていないのですが,今気が付いているのはこんなところです。
- 自転車を押し歩くときも気を抜かない。(転んだら,走行時以上にダメージがでかい)
- チェーンツールは携帯しよう。(ほとんど出番はない。でも,出番の時に持っていなければ致命的)
- RD関係のトラブルは,素直にRDを切り離してシングル化する
- チェーンカット時には,長さ調整を慎重に
- タイラップは大目に携帯しよう。意外といろいろ役に立つ
- 軍手も必ず持とう。油で真っ黒になったら,その先がつらい
- 楕円リングはシングル時には使っちゃダメ
- どうにもダメなときは,チェーンガイドを自作しよう
次回は,復旧作業編の予定です~(^^)
ぶっ壊れたRD-7900。買いなおすと20000円(!) ど~する?
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
フレームに損傷がなくてよかったですね。
595, 586はエンド取り付け部のカーボン割れが結構あるようで、心配でなりません。
純正のエンド金具はフレーム保護のためかなり弱く作っているようなので、サードベンダーのエンド金具に手を出さず、純正を5つ確保しています。 (いつ入手できなくなるかわかりませんから)