隙間から見える「赤」が格好いい! 速そう!! (?)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
先日来、ちょいちょい触れていた、今シーズンの「秘密兵器」の紹介。
7年ブリとなる、非真円インナーギアの登場です。
以前は「ほんのちょっと楕円かな?」というレベルでしたが、今回は「こんなの乗れるのかいな?」というくらい、激しくゆがんでいます。
慣れるのは意外と早いですが、もう真円に戻ってこれないかも・・・。
気に入っている点
- 見た目が格好いい & 付けてると速そう
- 取り付けが簡単 & ペダモニとも干渉しない
- 1時間漕げば慣れる
- フロント変速性能は問題なし
イマイチな点
- 最初に感じる猛烈な違和感(でもクセになる)
- 慣れた後、真円アウターで感じる違和感
- 上りでの真価は未知数・・・?
あれ? 非真円だった!?
自宅のLOOK595(実走主体)と単身赴任先のRHC号(ZWIFT主体)、2つの自転車は可能な限り同じポジションとなるように、サドルやステム長を合わせているのですが、どうもペダリングのフィーリングが違う気がしていました。
ある日、ZWIFTをやりながらRHC号のフロントクランクを何気なく見下ろしたら、とんでもない事実に気が付きました。
インナーのギアが大きくなったり小さくなったりしているのです!
そう、2013年に非真円ギアのROTOR社「Q-Rings」をインストールしていたのをすっかり忘れていたのです。
平日練習は非真円、週末本番レースは真円ギアというのでは、普段の練習結果が活かせていないのでは?という疑念が沸き起こります。
RHC号を非真円に戻すという案もあったのですが、せっかくなので(?)、LOOK号にも非真円ギアをインストールしてみることにしました。
Smith Baroque Gear登場!(34T ± 3T)
以前とは違い、非真円ギアは多数のメーカーから出ているようですが、「インナー専門」「ペダモニとも相性いい(らしい)」ということで、Smith社の『Baroque Gear』(バロックギア)という非真円ギアにしてみました。
Baroque Gearはインナーギア専門ですが、それでも多数のバリエーションがあります。
シマノ用(4アーム、PCD=110mm)だけでも、9種類もあります。
- 34T ±2T (80度)
- 34T ±2T (90度)
- 34T ±2T (100度)
- 34T ±3T (80度)
- 34T ±3T (90度)←今回購入
- 34T ±3T (100度)
- 36T ±2T (80度)
- 36T ±2T (90度)
- 36T ±2T (100度)
34Tまたは36Tを基本として、±2Tまたは±3Tが選べ、さらに、歯数が最大となる角度(0時方向を0度、90度なら3時方向)が3種類あります。
RHC号のQ-Ringsは「34T ± 1.7T」という、抑えめの楕円率だったため、真円と違和感はありませんでしたが、その分、効果もほとんど感じることがありませんでした。
当時の記事を見ても、「交換前と何も変わらない♪」とうれしいんだか、ダメなんだか良く分からない記述があります。
そこで、今回は思い切って一番楕円率が高い「34T ± 3T」で、角度は無難に90度を選んでみました。
最小(0時・6時付近)では31T、最大(3時・9時付近)では37Tにまで巨大化する、すごい楕円度合いです。
Baroque Gear (今回、LOOK号) |
Q-Rings (前回、RHG号) |
|
---|---|---|
基本歯数 | 34T | 34T |
最小歯数 (0時・6時方向) |
31T | 32.3T |
最大歯数 (3時・9時方向) |
37T | 35.7T |
結構モノスゴイ変形ぶりです。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
Baroque Gearの取り付け
右クランクにはペダモニが付いているので少しだけ不安でしたが、取り付けはとても簡単でした。
- 左クランクを外す
- 右クランクをバイクから外す
- インナーギアの固定ボルト(スター30T)を外す
- インナーギアを外してBaroque Gearを装着する
- (以下、逆手順で戻す)
これだけで、ペダモニには手を触れず完了です。
普通にクランクを外します(左を外し、右を外す)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
白っぽいネジはペダモニ。インナーギアを外すには、4つのトルクスネジ(T30)を外します。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
普通にレンチで外します(すごく固いですが)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
【2020.2.13追記】
この方向で時計方向に回すと、ボルトが急に回る・レンチが外れるなどの際に、手がギアにあたって怪我をするリスクがあります。
急に回ったときに、ギアの外側方向に行くように気を付けて力をかけましょう。ウエスなどでカバーするのもアリです。
装着完了(^^)
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Smith公式の動画でも紹介されていますが、おそらく、クランクを外さないでも交換できる(ボルトを外してギアを着脱するだけ)と思われます。
Baroque Gearの走行感
最初に書いてしまいますが、「猛烈な違和感」です。以上(^^;
猛烈な違和感 (でもすぐ慣れる)
Q-Rings(±1.7T)は非真円との差をほとんど感じませんでしたが、Baroque Gear(±3T)は異次元の違和感です。
上死点を31Tで超えた直後に(90rpmなら0.17秒後)には37Tに膨らんでいるのですから、その差は6Tもありとても激しいです。
元のギア(34T真円)と比べると、こんなに差がありますから・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
もちろん、急に31→37Tになるわけではなく滑らかな楕円なので、なんて表現していいのか分からないのですが、非常にフワフワした感じがします。
初使用は次男坊との宮ケ瀬湖往復(約100km)だったのですが、家を出てすぐに、次男坊に「すまぬ、今日は無理かもしれない」と告げたたくらいの違和感です。
しかし、人間の適応能力とはすごいもので、ものの1時間も漕いでいると慣れてきてしまい、真円であるアウターにシフトすると、逆に違和感を感じるようになります(!)
さらに慣れが進むと、31⇔37Tという変化の繰り返しがリズミカルで気持ちよくなってきます。
上りでは(何らかの)効果がありそう!
平地走行では、特段効率が良くなった感じはせず、「変なギアを使いこなせている」という満足感しかありません(笑)
一方、上り坂ではかなりの効果を感じます。
山に行ってきました(宮ケ瀬湖)。違和感は克服、登りが楽しい(^^)
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上りだとケイデンスが下がり、どうしても「踏むペダリング」になってしまいますが、非真円だとそれでも問題なく、グイグイと漕げてしまいます。
ただ、気を付けないと、オーバーペース(オーバーパワー)になってしまうかもしれません。
さすがにこれだけ長年ヒルクライムをやっていると、漕いでいるときに感じる負荷とペースは体の感覚としてある程度は会得しているつもりです。
今の自分のFTPは210W前後(低いのは触れないこと・・・)なので、この辺を意識して漕いでいるつもりでも、Baroque Gearだと、気が付くと240~250Wくらいも出てしまっていることが多々ありました。
同じ疲労でこれだけ出せているなら御の字ですが、そうではなくて、「高いパワーを出しているのに、正しく認識できていない」のだと思います。
本当に慣れるまではパワメの数字をちゃんと見ながら走らないと、後半に死んでしまうかもしれません。
まぁ、3月には始まるであろう、ヤビツでのタイムアタックで真偽のほどを試してみましょう。
変速性能は全く問題なし
これだけ真円度が低いと、フロント変速性能が心配になってきます。
フロント変速は頻度が低いですが、失敗すると致命的な事態になりがちなので気になるところ。
しかし、100kmライド中にやった変速では一度もミスすることはありませんでした。
平地(=低トルク)、上り(=高トルク)両方でも何度か変速してみましたが、「インナー落ち」や「アウターに上ってくれない」もありませんでした。
Q-Ringsもこの問題はありませんでしたから、意外といけるのかもしれませんね。
インナー落ち防止用にこんなものを付けていあり、こいつが頑張ってくれている可能性もあります。
まとめ
まだ、比較的ローペースのツーリングでしか使っていませんが、この「違和感」がクセになってしまいました。
何十年も自転車に乗っていて、こんなにフワフワするペダリングは初めてです(笑)
これが、本気のヒルクライム時に役に立つのか、アダになるのか。
その結果は、次回のヤビツアタックでご紹介予定。
シャア専用的なカラーリングで、3倍速くなると嬉しいんだけど・・・(^^;
黄色・赤と、やたらと派手になりました(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
- 【2020.1.13追記】
- インナーギアを取り外す際の注意書きを追記しました。急にレンチが回ったときにけがをしないよう、気を付けて!
チェーンリングの交換などでフィキシングボルトを緩める場合は急に回ることがあるので、回そうとしているボルトの奥にクランクの中心を置いた時に左側にレンチを掛ける(5枚目の写真の逆側)と、レンチの回転方向がチェーンリングの歯から離れる方向になるので、ケガをしにくいですよ。締める時も、工具がボルトから外れたり舐めたりすると急に回るので、同じく右側に工具を掛けることをオススメします。