ま,コーラでも飲んで考えましょう(^^)
SONY NEX-5N + Carl Zeiss Vario Tessar T* E 16-70mm F4 ZA
富士ヒルクライム参戦記の3回目。
例年なら,下山の様子を報告するところですが,イベント(アクシデント?)盛りだくさんだった去年と違い,幸い,今年は特筆すべき出来事はありませんでした。
今回は,イマイチ不発に終わったFHC2014の走り分析を行ってみます。
どれくらい遅かったのか?
既報の通り,今回のタイムは1時間28分。
過去4回のタイム(本番・試走とも)と比較すると,このようになっています。
LOOK595号ではワースト。なんと,2011年の試走よりも遅い!
数字・グラフからは以下の点が読み取れます。
- 歴代の本番ではワースト2
- LOOK595に乗り換えたFHC2011以降の本番ではワースト1
- 2011年の試走よりも遅い・・・
という惨憺たる成績でした。
防寒着やカメラなど,約2kgの荷物を背負って走った2011年の試走より遅いっていったい・・・。
ということで,過去4回と同じ「ブロンズ賞」というくくりではありますが,と~っても遅いタイムというのが今回の結果です。
今年のFHCの遅さ分析
空前の遅さとなってしまったFHC2014。
その遅さの源はどこから沸いてきたのか,原因を分析してみることにしました。
【検証1】ペース配分が五里霧中(?)状態だった
既報ではありますが,今大会最大のミスは,スタート地点でサイコン(Edge810)をスタートし忘れたことです。
これにより,いつも頼りにしている「バーチャルトレーナー」が起動せず,ペース配分が全く分からないまま走ることになりました。
心拍の変化を見てみると,前半は180bpm前後を維持していますが,後半はどんどん下がって160bpm台まで下がってきています。
心拍の変化。始めはガンガン回し,中盤以降,サイクリングレベルに下がっていきます・・・。
相当に低いペースで走っていることに気が付かず,心拍はぐんぐん下がって,サイクリングみたいになっていたようです。
また,ヤビツでおなじみの簡易パワー分析をしてみました。
自己ベスト(1時間21分)のFHC2012との比較でパワーを描いてみると,以下のようになります。
パワーの変化。心拍より激しく,後半に向けての大暴落ブリが分かります・・・。
心拍よりも激しく,ものすごい値崩れ相場になっています。
バブル相場のような高値でスタートしますが,その後,だらだらと不景気が続き,極楽浄土手前では一気に暴落しています。
最後はがんばったつもりでしたが,それでもFHC2012には届かなかったようです。
「今年こそ序盤は抑えたい!」と思っていたのですが,いつも以上に,序盤飛ばして後半へたるというスタイルになってしまいました。
失敗したなぁ~(--;)
【検証2】IFT(Improvement From Test run)から分析
自作造語ですが(笑),要は「試走からどれだけ速くなったか?」です。
毎年,ツマには「試走するんだから,本番行く意味あるの?」と言われているのですが,試走と本番では以下のような違いがあります。
- 下山荷物(だいたい2kg)を背負わなくてよい
- 大会特有の雰囲気で頑張れる(本番効果)
- 沢山の人が走るので闘争心が沸くし,列車にも乗れる
実際,今回も含めた5大会での試走・本番タイムは以下のように,すべての大会で本番は試走を上回っています。
年 | FHC試走 | FHC本番 | IFT |
---|---|---|---|
2014年 | 1時間33分44秒 | 1時間28分54秒 | 4分50秒 |
2013年 | 1時間31分00秒 | 1時間23分50秒 | 7分10秒 |
2012年 | 1時間32分06秒 | 1時間21分21秒 | 10分45秒 |
2011年 | 1時間28分42秒 | 1時間22分33秒 | 6分9秒 |
2009年 | 1時間39分25秒 | 1時間29分50秒 | 9分35秒 |
2009~2013年は,だいたいIFTは6~11分弱となっています。
しかし,今年に限っては,IFTはわずか4分50秒しかないのです(!) 本番なのにぜんぜんタイムが向上していないのです。
やはり,今年は「本番でミスを犯して,本来のタイムの伸びがなかった」となりそうです。
【検証3】FYR(FHC / Yabitsu Rate)から分析
ヒルクライム仲間の間では,よく「FHCはヤビツの2倍」と言われます。
そもそも,富士山を「ヤビツの2倍くらいある山」としか考えていないフシもありますが・・・(笑)
直前ヤビツとFHC本番のタイムを比較すると,以下のようになります。
直前ヤビツとFHC本番のタイム比較。ほぼ2倍の関係があります。
そこで,FYR(FHC / Yabitsu Rate; ヤビツ・富士ヒル比)というものを考案してみました。
「考案」と言っても,たいしたものではなく,単に「FHC本番のタイム÷直前ヤビツタイム」としただけです。
初参戦の2009年には,まだヤビツ詣でをやっていなかった(初ヤビツは2011年)ので,2011~2014まで4大会のFYRを求めてみましたのですが・・・。
年 | FHC本番 | 直前ヤビツ | FYR | 誤差 |
---|---|---|---|---|
2014年 | 1時間28分 | 42分47秒 | 2.078 | 3.90% |
2013年 | 1時間23分 | 41分51秒 | 2.006 | 0.30% |
2012年 | 1時間21分 | 40分12秒 | 2.024 | 1.18% |
2011年 | 1時間22分 | 40分20秒 | 2.047 | 2.34% |
なんと! 4大会全てでFYR≒2.0となっているじゃないですか!!!
真値(2.0)に対する誤差を見てください。2013年にいたっては誤差=0.3%ですよ!?
自分でもずっと,「ほぼ2倍っぽいよなぁ」とは思っていたのですが,ここまでピッタリ2倍だとは思いませんでした。
今年の結果はFYR=2.078ですから,ほぼ「FHCはヤビツの2倍」を満たしているといえます。
しかし,毎年,こうもぴったりと「FHC本番=直前ヤビツ×2」が成り立っているのであれば,わざわざ1万円を払って本番に参加しなくても,タイムは分かるんじゃないか?という根本的な疑問もわいてきてしまっていますが・・・(笑)
迷宮入りに・・・?
整理しましょう。
検証1~3により,以下のことが分かりました。
- サイコンミスによりペース配分がめちゃくちゃだった【検証1】
- 試走と比べると,本番はもっと速く走れた可能性がある【検証2】
- 直前のヤビツ成績と比べると,本番タイムは妥当なものだった【検証3】
あれ?
検証1・2と検証3が矛盾しているような・・・。
検証3に何か問題があるのかも?
そう言えば,直前のヤビツって例の事故の影響でSHAMALで走っていたような気が・・・。
例の事故・・・
SONY DSC-TX10
今年のヤビツは,5月4日にMV32Tで40分55秒をたたき出していたのを忘れていました。
このタイムを検証3(FHCはヤビツの2倍)に当てはめてみると,今年のFHC本番は1時間21分ちょいのタイムを出せてしかるべしだったと思われます!
これで,検証1~3が矛盾なくつながりました。
- サイコンミスによりペース配分がめちゃくちゃだった【検証1】
- 試走と比べると,本番はもっと速く走れた可能性がある【検証2】
- MV32Tでのヤビツ成績と比べると,やっぱり,本番はもっと速く走れた可能性がある!【検証3】
やった~,そうだよ,きっと,もっと早く走れたんだ!
わ~い!(^^)
・・・,若干,むなしい気もしますが,実はタイムが良くても悪くても楽しいのがFHC。
しょうもない検証で紙面を大量消費してしまいましたが(笑),結果なんて気にせず,自分の脚だけで日本一の山まで登れただけで楽しいので,そんなに悔しさはありません(だからダメなのかも・・・)
でも,来年はちゃんとサイコンをきっちりとスタートさせることを誓って,次なる目標の「ヤビツ40分」,来年の「FHCシルバー」に取り組むこととしましょう!
(^^)v
次回,最終回は,FHC2014でいろいろと変わった大会運営についてまとめてみたいと思います。
おわり
下りの1枚。きれいだなぁ・・・。また来るね!(^^)
SONY DSC-TX10
>とも
確かに,「6000人の選手が5合目まで上って下る」という巨大移動を,午前中だけで終わらせてしまうのですから,すごいといえばすごいですね。
2年前のFHC2012のときは,5合目の駐車場が閉鎖されている上に雨(雪)だったので,本当にキツイ状況でした。
ゴールするとすぐにUターンして,道端に並べられている荷物を見つけ出し,その場で,雨の中着替えて下山するという状況でした。
多少,低体温症で運ばれた方はいましたが,全体としてはなんとか無事に乗り越えたようです。
エントリー費用等,まだまだ改善点はあると思いますが,第1エイドでカップラーメンよりは断然いいですね(笑)
ちなみに,タイヤの方は下山前にエアーを低めに戻しています。
上りはいいですが,下りで14barは跳ねてしまうので,10barくらいにしてから下っています。
また,家で保管時はフニャフニャ状態です(笑)