LGS S9号のデュアルコントロールレバー化作業(資材準備編)

機は熟した。いざ始めん、DCL化作業を!

機は熟した。いざ始めん、DCL化作業を!

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

前回記事では、LGS S9号(昔のLGS MV2 PRO)のデュアルコントロールレバー(DCL)化を決め、まずはDCLを中古で手に入れたところまでを紹介しました。

DCL化の長い道のりの2歩目は、関係資材の準備編です。

目的はDCL化だけなのですが、オマケで9速化がついてきてしまい、ドライブトレインを丸ごと交換することが必要になってしまいました。

しかも、必要資材を間違えるという痛恨のミスが・・・



とりあえず、必要物資を取り揃えてみました

DCL化+9速化のためには、それなりに物資が必要になり、なんだかんだ言って、こんなに多くの物を買いそろえることになってしまいました。

まぁ、初めてLGS SIX号でDCL化をやったときに比べれば、各種専用工具(スプロケット回し、トルクレンチ、ワイヤカッターなど)が揃っているので、だいぶマシですが(^^;

アイテム 新品/中古 費用 備考
デュアルコントロールレバー
Deore ST-M535
中古 12,800円 9速、油圧ブレーキ用
カセットスプロケット
CS-HG400
新品 2,328円 9速、11-34T
ものすごいワイド・・・
チェーン
CN-HG93
新品 2,262円 9速用
チェーンコネクタ
KMCミッシングリンク
新品 807円 9速用
ブリーディングキット
TL-BT03S
新品 2,419円 ここで大ポカが・・・
今回作業の食材。見慣れないモノも結構多いです。

今回作業の食材。見慣れないモノも結構多いです。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

オイル関係小物。何に使うのか見当もつかん・・・?

オイル関係小物。何に使うのか見当もつかん・・・?

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

DCLはローノーマルタイプのRD(シフトワイヤをリリースするとロー側に変速されるRD。ロードは逆方向)を前提とした設計ですが、上記に加えてRDまで揃えるのも大変なので(後日、本当に大変なことを知ります・・・)、とりあえず、今回は普通のRD(=トップノーマル)のままで我慢です。

ブリーディングキットを選び間違えた・・・!

DCL化+9速化作業はLGS SIX号で経験済み(12年前)ですので、まぁ、手慣れたものです(?)

Deore & 9speed化完了!
初めてのLGS SIX大工事に着工しました。

LGS SIXが我が家にきてから2ヶ月ほど。今まで手を加えたのは,,,,実はなにも無かったりします。しかし,おいらは昔から機械いじりが大好き。逆に言うとよく2ヶ月もガマンしていたな,という感じで,ついにDeore化 & 9速化の大工事に着工したのでした。

しかし、今回のLGS S9号は油圧ディスクブレーキのため、勝手が少し、どころか全く異なり、全作業の95%くらいは油関係作業になりました。

油圧ディスクブレーキ作業で面倒なのが「エア抜き」作業です。

ブレーキラインに少しでも気泡(エア)が入っていると、ブレーキレバーを握ってもフニャフニャで効かなくなってしまいますので、シリンダー、ブレーキホース、キャリパーのすべてで一切の気泡が無い、完全に油が密封された状態にしなければなりません。

シマノの標準作業方式は、キャリパー側から注射器で注入し、レバー側にエアが抜けるようにする方法です。

自動二輪用などと違い、レバー側の油タンク(リザーバタンク)はほんの10cc程度しかなく、上がってきた油が噴出してしまうため、ブレーキレバーに専用の「じょうご(ファンネル)」を装着して作業をすることになっています。

今風のエア抜き作業。しかし、ST-M535には、こんな便利な穴はないのです・・・。

今風のエア抜き作業。しかし、ST-M535には、こんな便利な穴はないのです・・・。

しかし、これは最近のコンポの例であって、古いタイプのコンポはリザーバタンクの蓋には穴が無く、直接、じょうごを繋げられる構造になっていません。

そこで、「リザーバタンクのふた」と「じょうご」が合体した、相当に変わり種の純正ツール(ブリーディングツール)が用意されていて、『ブリーディングキット』(TL-BT03)というディスクブレーキ作業キットに含まれています。

これが「ブリーディングツール」というヘンテコツール。

これが「ブリーディングツール」というヘンテコツール。

「ブリーディングキット(TL-BT03)なら購入済みじゃん!」と思った方もいるかと思いますが、購入したのは「シンプルブリーディングキット」であり、型式も微妙に異なるTL-BT03Sです。

で、このシンプル野郎には、肝心なブリーディングツールが含まれておらず、入っているのは「じょうご」と注射器だけです・・・。

ちなみにシンプルキットはこれだけ。注射器、じょうご、じょうごを置く台、ビニール袋で2400円。涙で前が見えない・・・。

ちなみにシンプルキットはこれだけ。
注射器、じょうご、じょうごを置く台、ビニール袋で2400円。涙で前が見えない・・・。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

TL-BT03Sは、最近のコンポ(ワンウェイブリーディング対応)用であり、古いコンポ(もちろん、ST-M535は激古い)にはTL-BT03が必要なようなのですが、目玉が飛び出るほどお高い(ビックリの5,700円)のです・・・。

無いのなら、作ってしまおう、ブリーディングツール(秀吉風)

おそらく、今後の人生でもほとんどやることが無いエア抜き作業に、5,700円の作業キットを購入するのはもったいない(しかもシンプル版とかぶって、かなり無駄・・・)。

そこで、似たようなツールを自作することにしました。

蓋を開けたリザーバタンク。これにピッタリの蓋ができればいいんですが・・・

蓋を開けたリザーバタンク。これにピッタリの蓋ができればいいんですが・・・

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

偉そうに「ブリーディングツール」とか名乗っていますが、こんなことができればいいのです。

  • リザーバタンクの蓋になる
  • じょうごと接続できる
  • 油が漏れない

1週間ほど色々悩んだのですが、100円均一ショップで見かけた、「消しゴム版画用のゴム版」を加工してみることにしました。

厚さ4mmほどのゴム板を、リザーバタンクの蓋となるような大きさで切り出し、じょうごの先っぽより少し小さめの穴を開け、じょうごを接続します。

作業はここからスタート。本当に自転車メンテなのか?

作業はここからスタート。本当に自転車メンテなのか?

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

蓋のサイズ、ネジ穴の位置・径などを勘案し、試行錯誤中・・・。

蓋のサイズ、ネジ穴の位置・径などを勘案し、試行錯誤中・・・。右端の黒いのはリザーバタンクの蓋。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

おお、うまく嵌ってくれた。

おお、うまく嵌ってくれた。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

おぉ、すごい密着感! これなら漏れなさそう。

おぉ、すごい密着感! これなら漏れなさそう。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

これで、「蓋+じょうご」=「ブリーディングキット」の完成です(^^)

あとは、本物のリザーバタンクの蓋を外し、代わりにこの「蓋+じょうご」をクランプで固定してあげればいいのではないか、と思われます。

クランプは2個必要でした。こんな適当ツールで大丈夫なのか・・・?

クランプは2個必要でした。こんな適当ツールで大丈夫なのか・・・?

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

純正なら5,700円もかかるはずのところを、1/57の100円で済ませるという荒業ですが、本当にこんなツールで上手くいくのでしょうか・・・?

でも、上手くいくんだな~、これが(^^)

つづく。

ブリーディングツールもどきの材料たち。真ん中の、クランプはいろんな作業で役に立っています。

ブリーディングツールもどきの材料たち。真ん中の、バークランプはいろんな作業で役に立っています。

SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
 
記事下用336×280
記事下用336×280
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

パーツ紹介記事(一覧比較)

おかいもの情報



古いコンポにはこちらのツール


ロードも含め、最近のコンポにはこれだけでいいそうです。けっ・・。


いろんな作業で役に立ちます。2本あるとさらに便利。

コメント

  1. 名前:DCLは使ったことないなぁ 投稿日:2018/09/20(木) 14:53:48 ID:000a0bb06 返信

    >DCLが風前の灯火(というか、失われた黒技術)と化しているのは残念です。
    >機能もデザインも嫌いじゃない!

    ラピッドファイヤープラス モノ があるではないですか。
    DCLと同じ使い勝手なのかは分かりませんけど(^^

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/09/20(木) 18:02:49 ID:69231b420 返信

      初めまして~
      コメントありがとうございます!!

      ラピッドファイヤープラス、確かにありますね。
      2ウェイリリースなので、リリース側操作がレバーを押しても引いてもできます。

      が、しょせんはシフトレバーですので、DCLさまとは比較にならないでございます。

      DCLは、たった1本のレバーで、

      ・ブレーキ
      ・シフト(リリース)
      ・シフト(プル)

      の3挙動ができるという、素晴らしいレバーなのです。

      ロードのSTIは、よく見ると2本のレバーで構成されていますが、MTBのDCLは完全に1本です。

      まぁ、そこが素晴らしいところでありつつ、最大の欠点でもあるのですが・・・(^^;

  2. 名前:はしもつ 投稿日:2018/09/13(木) 20:15:03 ID:301498aac 返信

    自転車始めた頃に9速化&DCL化で出会ったサイトで、またこのネタに遭遇する不思議(笑)
    今フラットバーロードのDLC化を検討しているのでまた参考にさせていただきます!
    DCLが風前の灯火(というか、失われた黒技術)と化しているのは残念です。機能もデザインも嫌いじゃない!

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/09/14(金) 21:12:20 ID:33c4a640e 返信

      おぉぉ、SIX号のDCL化+9速化がきっかけでしたか!!
      まさか、12年もたって同じネタを書くことになるとは・・・(笑)
      長きにわたってのご愛読、ありがとうございます(^^)

      にしても、DCL、なんで人気が無いんでしょうねぇ・・・?
      普段乗りには最高に楽だと思うのですが。
      レース向きか?というと厳しい気もしますが。

      デザインもすっきりしているし、いいですよねぇ・・・?

  3. 名前:sramred 投稿日:2018/09/13(木) 07:37:16 ID:2aba5b01d 返信

    消しゴム版画用のゴム板っ!!!
    …ってそもそも売ってる人!
    作ってる人!!
    作るのを思い付く人!!!
    全然別の用途に使ってる人(≧∀≦)

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/09/14(金) 21:10:02 ID:33c4a640e 返信

      自分も、消しゴム版画用のゴム板が売られていること自体に驚いてしまいました(笑)

      普通のゴム板でもよかったのですが、フニャフニャとして強度が足りないので、クランプで抑えている以外の場所から油が漏れだしそうな気がしました。

      その点、消しゴム板はそこそこの強度があり、かつ、表面はかなり柔らかいのでリザーバタンクに食い込んでくれて、油を食い止めるのには最適でした。

      もう、このため専用に開発されたとしか思えません(笑)

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


Warning: file_get_contents(index.php): failed to open stream: No such file or directory in /home/garneau/www/wp/wp-includes/plugin.php on line 423