これがなぜ,ヒヤリ・ハットなのか・・・?
SONY NEX-5N + E18-55mm, +1/3EV, ISO=2000
過去に何度か,ロードバイク(というかスポーツバイク全般)におけるヒヤリ・ハット事例を紹介してきました。
いまさらながら説明しておくと,「ヒヤリ・ハット」とは,事故に至らなかったものの,一歩間違えば事故になってもおかしくなかった事例のことです(語源は,まさに「ヒヤリした」「ハットした」からだと思われます。英語だと,incidentかな?)。
おいらはロード人生5年で,前方を走る車が急に左折して巻き込まれそうになったり,路肩の段差に引っかかったり,ブラインドコーナーの浮き砂に滑ったり,いろんな経験をしてきました。
そろそろ,そんなに新しいヒヤリハットには遭遇しないんじゃないかなぁ?と思い始めてもいるのですが,やっぱり,まだまだ甘い。
ヒヤリ・ハットは,いつでも,どんなところにも潜んでいることを,新年早々2連発で体験しました。
名づけてHHAA(またはH2A2)(Hiyari-Hatto Anytime Anywhere. いつでも,どこでも,ヒヤリハット ©2011 Shiro)です。
【HHAAその1】前方を走る(というか止まる)ママチャリにヒヤリ
新年はまだ1回しか自転車に乗れていないのですが,いきなりのヒヤリです。
海沿いをひとっ走りしてきた帰り道,境川CRに入ろうとして,境川にかかる橋を越えようとしたときです。
前を走るママチャリ(推定15km/h,45才,女性)を追い越そうとしたのですが,そんなに急いでいなかったので,橋を渡ってから追い越すことにしました。
こちらは25km/hくらいは出ていますから,あっという間に車間距離が詰まり,3mくらいになりました。
そのまま,スリップストリーム(じゃないよ。笑)で橋の手前のほんの僅かな勾配に差し掛かったとき,前車のおばちゃんが予想外の行動に出たのです。
ストリートビューをパクッテみたら,ちょうど自転車のオジサンが上り始めていました。
(おいらが遭遇したのは,オバチャンでしたが)
なんと,自転車を急に降りて押し始めたのです。
確かに橋の手前は坂にはなっていますが,勾配はおそらく1%くらいで,距離は5mくらいしかありません。
たったこれだけの坂を越えるだけで,ママチャリのおばちゃんは降りてしまうことがあるのです。
運悪く前方からは細い橋を渡って対向車が迫ってきていて,おいらの状況は,
- 前方→歩くおばちゃん(推定2km/h)
- 右側方→対向車
- 左側方→ガードレール
- 両足→ビンディング
という四面楚歌の状況でした。
幸い,左ペダルの固定力を最弱にしている(ガングリオン対策)ので,すぐに左足をステップアウトして足を付くことができたので,おばちゃんに追突したり,車に轢かれたり,真冬の境川で泳ぐことは回避することができました。
このオジサンのように,ダンシングしてでもいいから,止まらないで乗り越えていってほしいなぁ・・・。
自転車でほんの数秒で通過できる坂でも,ママチャリには荷が重く,降りてしまうことがあるいうことを改めて思い知らされました。
たま~に,自分の真後ろに別のロードバイクがくっつくことがありますが,このようなインシデントの可能性を考えれば,よほど信頼できる相手じゃない限り,人の後ろにくっつくことは止めたほうが良いでしょうね。
もちろん,自分のためだけじゃなく,下手すれば追突してしまう,相手のためにも。
事例1からの教訓
ロードバイクのブレーキ性能はびっくりするほど高く,ほんの数mで止まることができますが,その後が問題。
両足ビンディングでは止まった後に第2の危険が迫ってきますので気を抜くことができません。
そこで1句。
いつも,十分な車間距離を持って走るように気をつけましょう。
【HHAAその2】作業しててもヒヤリ・ハット
スポーツバイク生活でのヒヤリ・ハットは,バイクに乗っているときだけに限られたことではありません。
Anytime, Anywhereと言っているだけあって,いつでもどこでも起こりえます。
2件目の事例は,1件目と同じ日の早朝に起きました。
朝,新年初乗りに出陣するため,まずはタイヤにエアを充填しようとしていました。
いつものようにフレンチバルブのナットを緩めようとしたのですが,そのとき,同時にエアゲージを探していました。
目線と左手で工具箱でエアゲージを探しつつ,右手ではフレンチバルブのナットを緩め始めました。
こういう風に,バルブのナット部を緩めているつもりだったのですが・・・。
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このとき,バルブのナットを緩めただけなのに,バルブから「シューッ」とエアが漏れ始めました。
「ん? まだバルブの頭を押していないのに,エアが出ることもあるんだ。ふ~ん。」
なんて思いながら,バルブナットを緩めていくと(目はまだエアゲージを探している),「シュパーン!」という景気の良いシャンパンのような快音がタイヤから発生しました。
そして,何かが高速で天井にぶつかり,床に落ちてきました。
で,落ちてきたのはコレ。
天から降ってきたのはコレ,バルブコアです。後ろはペッチャンコになったFUSION3・・・(笑)
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シャンパンのコルクではなく,バルブコアでした。
つまり,ずっとバルブナットを回しているつもりだったのですが,実はバルブコア全体を回していたため,途中でエアが漏れ始め,それでもやめなかったため,最後にはバルブコアが景気よく発射されてしまったのでした。
幸い,天井の照明には当たらず,また,少し斜めに発射されたおかげで,ホイール・フレームにも当たらず,そして,おいらにも当たらずに済みました。
砲弾を発射した後の筒。あ~あ。
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このHHAAの直接の発生原因は,もちろん,手元を見ないでバルブ操作をしたことにあります。
しかし,途中で明らかな異変(エアが漏れ始めた)に気が付いているのに,それでも作業をやめなかったため,「バルブコアの発射」という世にも珍しいインシデントに進んでいってしまいました。
興味深いのは,途中で異音を聞いたときに「こんなこともあるんだねぇ」という具合に,心理的な正常化バイアス(=なかなか異常を認めたがらない,万人に共通の心の動き)が働いていることです。
今回は運が良かったですが,一歩間違えたら,フレームやホイールに傷をつけたり,おいらの目に刺さるなどの災害に発展する可能性は十分にありました。
さらに,飛ぶ方向が悪ければ,天井照明を壊したり,ツマのタンスに傷をつけてしまい,半殺しの目に遭うという大災害になる可能性も少なからずありました。
バルブが右方向に飛んでいったら,たぶん,半殺しの目に遭っていました・・・。
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やっぱり,少しでも「あれ?」と思ったら,そちらに注意を向け,いったん作業をやめる余裕が必要ですね。
事例2からの教訓
ここでも1句。
普通に,工事現場に掲げてある標語と似ている気もしないではないですが,作業をしていて変な状態を見つけたり,音を聞いたら,すぐに作業を中断して一休みしよう,という句です。
いつもと違う状態には,いつもと違う理由があるはずです。
今,気が付きましたが,出先でバルブコア飛ばなくて良かったなぁ。紛失したら帰れないよよ・・・。
まとめ
たま~に,おいらのことを,「とても几帳面で,物知りで,めったにミスを犯さない人」と勘違いされる方が居ます。
しかし,実際にリアル本人に会った人なら5分で分かると思いますが,実に大雑把で,物を知らず,ミスを犯しまくっている,典型的なおっちょこちょい野郎です。
(よくNoguさんが呆れずにお付き合いいただけてると感謝しています。仕事の同僚にも・・・笑)
冒頭にも書きましたが,「俺様レベルなら,もうミスやヒヤリハットは無いだろう」という過信は決してしてはなりませんね。実に油断のならない人です(笑)
作業にもミスが無いように気をつけないと!(^^)
SONY NEX-5N
これからも,HHAAを起こすたびに,ちょこちょこ記事を載せていき,自分への戒めにしようと思っております。
みなさんも,事故・トラブルの無い,いい年になりますように!
>まきさん
はじめまして。
コメントありがとうございます!(^^)
写真については,数年前の過去記事の方が,
よっぽど力を入れて撮っていた気がします。
背景や光の写りこみを一生懸命考えて,撮っていました。
最近は,とりあえず,キッチン台(人口大理石)の上に乗せ,
横方向からフラッシュを当てているだけなので,
いつも同じ写真ばかりになってきています。
もうちょっと,頭を使って,いろいろ試してみないと(^^)
さて,ヒヤリハット(それにしても,面白い用語ですよね)
やっぱり,バルブコアを飛ばしてしまう事件って,結構多いんですね。
しかも,レース直前にチューブ交換なんて,不安倍増ですね。
それでもDNSにならなくて良かったですねぇ(^^)
おいらは,例年FHCのときは狂ったように荷物を満載していくのですが,
さすがにバルブコアの予備は持っていかなかったなぁ・・・。
同じチューブを使い続けていれば,
交換のときに外して予備にすることができるのですが,
2年前からチューブレスにしてしまったので,まったく増えません。
朝の急いでいるときにグローブなんかしていると,
バルブの頭を回しているのか,バルブコアを回してしまっているのか,
分かりにくいですよね。
それ以前に,定期的にバルブコアの締め付け確認を
しておいたほうがよさそうですね。
定期メンテナンスの一項目にしておこうっと(^^)