とりあえず完成(^^) いつかちゃんとした箱に入れたいなぁ・・・。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
先日紹介した、Raspberry Piによる「お手軽CO2濃度測定実験」。
試作ボードにちょいちょいと配線&プログラムしただけですが、意外と便利で室内換気の目安に活躍してくれています。
せっかくなので、ディスプレイを付けたり、電池駆動にして持ち運びできるポータブル型を試作してみました。
いつかは、ちゃんとしたケースに入れたいな、とは思うのですがなかなかいいのが見つからず、試作品に毛が生えた程度のブツになってしまいましたが・・・(^^;
いつでもどこでもCO2
前作(というか試作)は、在宅勤務中の部屋(六帖一間)での使用を前提にしていたので、持ち歩くにはいろんな課題がありました。
これらの課題を一つ一つ解消して、ポータブルCO2濃度計測機に仕立て上げてみましょう(ローコストで)
- 電源がAC供給前提(micro USB経由)
- 画面表示が電力消費の大きい液晶画面(バックライト付き)
- 電源スイッチが無い
- ネットワーク経由で他PCからの操作を前提
さすがに、この物体を通勤電車に持ち込むのは勇気がいる。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
ハードウェア的な改善
ラズパイ(Raspberry Pi)で電子工作するときは、ハード・ソフト両面の設計が必要ですが、とりあえず、ハードウェア面から。
面倒だったので、手書きで設計。一応、そっくりになってる・・・?
【その1】表示画面をePaperに!
せっかく持ち歩くなら、ビットマップディスプレイにグラフを描いてみんなに自慢したくなるのが人のサガ(諸説あります)
液晶画面(TFT)だとカラフル&高速でいいのですが、電力を大量消費してしまうのが欠点。
そこで、ウルトラ低消費電力がウリの、ePaper画面にしてみました。
Kindleと同じタイプで、表示内容の更新時以外はほとんど電力を消費しないので、こういう、ゆっくりした計測値を表示するには最適です。
1個2,000円で仕入れ、ドライバーや使用方法は、メーカー(waveshare社)のサイトにあるソースコードをよく読んで勉強です。
【その2】リチウムポリマー電池駆動に!
モバイルバッテリーとセットで持ち歩くのもアリなんですが、せっかくなので、リチウムポリマー電池(LiPo)での駆動にしてみました。
800mAhのLiPoにしてみたのですが、だいたい、1時間で150mAhくらい消費するので、5時間くらいは持ちそうです。
銀色のがLiPo電池(800mAh)。一応、安全回路付き。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
USBで充電するための充電回路と、LiPoの3.7Vをラズパイの5Vに昇圧して供給する回路の両方が必要。
ご存じの通り、リチウムイオン系(もちろん、ポリマーも同じ)の電池は、短絡や過充電などで火を噴いたりするなど、結構怖い高エネルギー体なので、いつもの怪しいチャイナ製品ではなく、定評のあるSparkFun社の「Lipo Chager/Booster」を購入(1,800円)
赤い基板が充電・給電回路。絶縁処理せねば。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
【その3】操作スイッチ類を装備!
家にいるときは、Windows PCからルータ経由でリモート接続して操縦できますが、外に持ち出すとなるとそうもいきません。
そこで、最低限の操作ができるように機械的なスイッチ類を装備してみました。
- 【電源SW】オフにするとLinuxのShutdownを発行します
- 【照明SW】LED(低濃度=青・高濃度=赤が点滅)が眩しいと妻が怒るので消灯スイッチ
- 【レンジSW】グラフの横軸を長時間・短時間に切り替える
おぉ、かわいいスイッチ! このサイズで、カチカチ動きます(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
普通、電子工作で使うスイッチは1個50円とかそんなお値段ですが、見た目や操作性もイマイチなので、超奮発して1個310円もする超高級品を使ってしまいました(合計930円)。
【その4】全部を5層構造の基板に押し込む
使い古したラジオかなんかの箱に入れようかと思ったのですが、残念ながら粗大ごみの日に大量廃棄されてしまい、手ごろな箱が見当たらず・・・
しょうがないので、手元に転がっている基板やスペーサを組み合わせ、縦方向に重ねて連結してごまかしました。
持ち運びはできますが、もうちっと何とかしたいところです・・・。
巨大(1.5cm角ですが)な金色箱が、CO2センサー。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
五重塔建設中。試行錯誤しつつ積み上げ方を考えてます(^^;
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
基板が小さいのでルーペスタンドが必須です(^^;
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
ソフトウェア面での改善
続いて、ソフトウェア面での改良です。Python、全然わからないので大変です・・
【その1】トレンドグラフ搭載!
CO2濃度の変化を、過去にさかのぼってトレンドグラフを描けるようにしました。
Linuxで絵を描くプログラムは初めてなので、最初は手こずりましたが、matplotlibという偉大なグラフライブラリのおかげで何とかできました。
おぉ~、トレンドグラフが描けた! ePaperなのできれい!(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
難点は、画面表示のePaperの反応速度がものすご~く遅い(Kindleと同じ)ので、1分に1回だけの更新にしています。まぁ、そんなに激しくCO2濃度は変化しないでしょうから、ま、いいか。
グラフの横軸は、切替SWを上にすれば30分、下にすれば3時間(内部では12時間保持)さかのぼって表示できます(^^)
また、試作の時と同じく、マイクロSDカードにはCSV形式で濃度記録を続けてくれます。
レンジを3時間に切替。。やろうと思えば12時間前までできます。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
マイクロSDにエンドレスで記録してくれます。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
【その2】lineに通知を飛ばす
まぁ、たいした機能ではありません(&使い道が謎)が、CO2濃度が基準値である1000ppmを超えたら、自分のLineのアカウントに通知を飛ばすようにしてみました。
さらに、Androidのホーム画面上に、CO2濃度を表示するウィジェットを配置できます。
絶対不要だけど、Androidホーム画面にウィジェットも置けます。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
もちろんグラフも。こうしてみるとRakuten mini大きいな(笑)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
ちゃんとネットワーク(WiFi)に接続されているかどうかなど、無駄にいろんな確認コードを書く羽目になりましたが、使い道が自分でもよくわかりません・・・。
そもそも、スマホをほとんど使わないから見ないし・・(ーー;
【その3】ネット上にデータ表示させる
こちらは、プチIoT的な感じでちょっと目新しい感じです。
計測したデータをクラウドサービス(ThingSpeak)に飛ばし、濃度変化のグラフをウェブブラウザでリアルタイムに確認できます。
パソコン上のブラウザでも確認できます。なんか、今風で格好いいかも!(^^)
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
まぁ、目の前に画面付き計測装置があるのに、ネット経由でブラウザで見る理由もわかりませんが・・・(^^;
あちこち測ってみよう~!
これで、ポータブルCO2濃度測定装置が完成。
市販品だと万円単位のようですが、5000円ほどで作ることができました。
さっそく、これを持ち出して、通勤電車や会社会議室など、いろんなところで計測しまくろう!
電池込みでこのサイズならどこにでも!と思ったのに~
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
・・・と思ったのですが、ちょうど完成と同じタイミングで東京が非常事態宣言。
自動的に、在宅勤務100%となってしまい、せっかく「ポータブル」にしたのに1日のほとんどを六畳一間で過ごす日々になってしまいました・・・
というわけで、満員電車やオフィスビル、カラオケボックス、パチンコや、ホストクラブなどでのCO2濃度測定は5月以降になりそうです。とほほほ・・・
しょうがないのでご近所ライド。外でCO2測ってもしょうがないのよねぇ・・・。
SONY DSC-RX100m3 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
凄いスキルです!
趣味でIoT機器を開発しちゃうなんて素敵過ぎ^^
液晶と本体のサイズもマッチしていてスマートですね!