年代の方なら,「あぁ懐かしい」となるデザインだそうです。とても懐炉には見えないですよね(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
突然ですが,カイロを紹介します。
カイロと言ってもエジプトの首都ではなく,温まるほうのカイロ。ホカロンやホッカイロでおなじみの,あの「懐炉」です。
今回紹介するのは,使い捨てのカイロではなく,燃料を注入して繰り返し使える,『ZIPPOハンディウォーマー』です。
「ZIPPOハンディウォーマー」って何?
こんなパッケージで売られています。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
ZIPPOハンディーウォーマーは,プラチナを触媒により気化した燃料(オイル)をゆっくりと燃焼させる懐炉の一種です。
「燃焼」といっても,炎をボボボ~!と出すのではなく(当たり前),ゆっくりと酸化させ,そのときの発熱を利用するものです。
ある年代以上の方であれば,戦前・戦中の「ハクキンカイロ」と言えば,すぐに分かるようです。
燃料を入れれば繰り返し使え,また,使い捨てカイロの10倍以上というすごい発熱量で,かつ,最大で24時間も発熱し続けるという,古いのになかなかすごい性能の懐炉なのです。
そして,ハクキンカイロのOEM(らしい)で作られているらしい,ZIPPOのハンディーウォーマー。性能もさることながら,その見た目がiPhoneみたいに,なかなかスマートで気に入っています。スマート懐炉?(笑)
わざと,iPhoneっぽく撮ってみる(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
大きさはこんな感じ。平ぺったい形状です。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
内容物は,ウォーマー本体,専用フリース袋,計量用ジョウロ,燃料(130ml)です。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
ハンディウォーマーは,懐炉本体,燃料(ZIPPOオイル),専用フリース袋,燃料計量用ジョウロ,がセットになっていて,だいたい2000~3000円くらいで入手できます。
使い方
燃料(オイル)を使うハンディーウォーマーは,使い捨てカイロに比べて,ちょっと始動に手間がかかります。
【手順1】燃料を計量する
まず,その日の使用時間に合わせて燃料を入れます。
外気温などによって持続時間はかわりますが,およそ,「1ml=1時間」が目安のようです。おいらは,室内で使うことが多いせいか,1mlで1.5時間くらい持続している気がします。
計量用ジョウロにオイルを入れます。満タンで12ml,半分のラインで6mlです。
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計量は,セットに付属する,小さなジョウロを使って行います。ジョウロに満タンで12ml(=12時間)です。ウォーマー本体には最大で24ml入るので,24時間持続することが可能になっています。
【手順2】本体内にオイルを入れる
ウォーマー本体のふたを開け,触媒部分を取り外します。
カバーを開けると,触媒部分(バーナー)が出てきます。
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バーナーを外すと本体内部が見えます。中に詰まっている綿にオイルを染み込ませます。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
すると,本体内部の「綿」が見えるようになりますので,ここに,先ほどのジョウロで計量済みのオイルをちょろちょろと注いであげます。
あんまり急いで注ぐとこぼれちゃうので,ゆっくりと染み込ませてあげます。
【手順3】ライターで触媒部分をあぶる
燃料を入れ終わったら,触媒部分を取り付け,ライターの炎で触媒部分を暖めます。
別に,火をつけようとするわけではなく,触媒反応がスタートするきっかけを与えるだけなので,数秒火を当てればOKです。
ライターで,バーナー部分を数秒あぶってあげます。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
バーナー部分です。ここを,軽くライターであぶるとエンジン始動です(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
【手順4】カバーを付け,専用のフリース袋に収納する
火であぶってから,そのまま放置すると,触媒部分が冷えてしまって反応が止まってしまうことがあります。
そうならないように,金属製のカバーを付けたら,すぐに専用のフリース袋に収納します。
カバーを付け,フリース袋に入れます。
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すると,ジワジワーっと反応が進んで行き,1分もしないうちにポカポカになってきます。
使い勝手(良いところ)
上に示したように,始動には多少手間がかかりますが,慣れてくると1分程度で作業は終わりますので,朝の忙しいときにも特に問題にはなりません。
さて,肝心の懐炉機能(?)のほうですが,まず,良い点をまとめてみました。
長持ち!
職場で使う(足元がすごく寒い・・・)ことが多く,使用条件がいいせいか,非常に長持ちします。
公称では満タン(24ml)で24時間持続することになっていますが,ジョウロに半分(6ml)で確実に10時間は温まり続けます。
24ml満タンにすれば,さらに4倍も持続するわけですから,「途中で冷えてきちゃった・・・」という悲しい思いをしないのがウレシイです。
温かい!
ZIPPOの公称では「使い捨てカイロの13倍」という発熱量。
専用のフリースに入れていても,かなりの温かさで,フリースから出してしまうと熱くて触れられないくらいです(後述)。
また,温かさの質が使い捨てカイロと違って,体の心までジンジンと届く温かさで,これまたウレシイ限り。
ジャージの背中ポッケにちょうどいいい!
ジャージの背中ポッケに入れておくと,腰周りが温まります。
使い捨てカイロを背中に入れてもいまいち温かさが伝わらないのですが,ハンディーウォーマーは熱量があるので,かなり温まります。
バックパックを背負って,背中から押してあげればさらに温かさ倍増です(^^)
いろんな場所に使える
付属のフリース袋は,ベルトを通せるようになっているので,おいらはズボンクリップで脚に縛り付けたりしています(ガングリオン対策)。
また,使い捨てカイロと同じく,ポケットに入れているだけでも,相当な熱量が伝わってきます。
専用袋には,ベルトを通せるようになっています。もちろん,ズボンクリップも通せます。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
おいらは,左脚のガングリオン手術痕を温めています。
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イマイチな点
イマイチな点としては,その発熱原理(=オイルを使う)に起因しているところですが,こんな感じです。
ちょっとオイルくさい
燃料としてオイル(ZIPPOオイル)を使っているため,その臭いがうっすらと漂います。
燃焼しているわけではないので,焦げ臭いとかはなく,もともとのオイルが揮発するときの臭いがしてしまうのです。
ま,よほど狭いところで,かつ,においに敏感な人じゃない限り,まず気がつかないとは思いますが。
フリースカバーから出すと危険
フリースカバーから出すと,触媒反応が活発化するのか,ものすごく熱くなっていきます。
もう,「目玉焼きでも作れるのでは?」というくらいに。知らないと,ちょっと危険かもしれません。
維持費はびみょ~
繰り返し使えるのが,ハンディーウォーマーの美点のひとつなのですが,燃料費が意外とかさみます。
一日6mlとして,130mlのオイル缶で20回ほど使うことができます。
130mlのオイル缶は400円ほどでコンビニで売っていますので,一回(10時間)当たり20円ということになります。ライバル(?)のホカロンが10個で200~500円くらいですから,「圧倒的に経済的!」とは言えない感じです。
また,触媒部分(バーナー)は100回くらいで交換になり,これが1000円ほどしますので,維持費では,本当に,使い捨てカイロとどっこいどっこいといったところです。
まとめ
冒頭に書いたとおり,ちょっと,季節を逸した記事になってしまい,申し訳ない限り。
それでも,早朝ポタや夜桜見物のように,この時期でもまだまだ寒さを感じる場面はあり,ハイパワー&長時間持続の,ハンディーウォーマーの出番はたくさんあります。
一度,自転車走行中にむき出しで落としてしまいました。
が,これ以外に傷は皆無でした。傷つきやすい仕上げだけど,意外と頑丈!?
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
また,なんと言っても,原理も見た目も珍しい物品ですので,会社で見せびらかしたり,合コンで披露すれば間違いなくヒーローになれることでしょう。場合によっては,オヤジ呼ばわりされるリスクも十分ありえますが・・・(笑)
おしまい。
>satoruさん
お役に立てて何よりです~(^^)
燃料が残っている状態で,継ぎ足し補充を繰り返していると,
そのうち,中身が燃料タプタプになってしまい,
火をつけたときに炎上することがありますのでご注意を~!
まぁ,火がついてもライターと同じなので,
ふっと一息で消えるので大丈夫ですが。