シーラント剤NOTUBES。最高です!(^^)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
GW最終日に敢行したヤビツ3回目のタイムアタックの帰り道,4年半ぶりの大事故に遭遇してしまいました。
「大事故」といっても,峠から名古木までのダウンヒルで,ガードレールを越えて崖下に落ちたり,対向車に正面衝突などという華々しい(?)な事故ではありません。
もっと地味~な,でも,多くのロードバイク乗りにはおなじみのアレです。そう,それは・・・。
長いけど,要するにこんなお話です(^^)
- 無パンク10000kmを超えて喜んでいたら,パンクしました(TT)
- だいぶ摩耗したRecordを乗り続けていたら,平地でいきなりプシュ~
- シーラント剤(NoTubes)を入れようにも,バルブコアが外せなくて超難儀・・・
- 色々工夫して,なんとか家までかえれましたとさ。めでたし,めでたし(めでたくない)
55ヶ月,10,613kmブリのパンク事故遭遇!
超~久しぶりにパンク事故に遭遇してしまいました。
幸い,ダウンヒル中ではなく,秦野から金目川沿いを通る平地のR62を走行中。いつものように,車道左端の白線の上あたりを走っていたのですが,少し砂が散らかっている部分があり,運悪くすぐ横をバスが走っていたため,そのまま砂の上を通過してしまいました。
「やばいか?」と思ったのですが,案の定,リアタイヤから「シュー」という小さな音が聞こえ始めました。
すぐに停車,歩道に上がってリアタイヤを見てみると,トレッド面に小さな穴がくっきりと開いていて,そこから「シュー」という音とともに,エアー(&おいらの気力)が漏れ出ているのが分かりました。
この日は夏日でバカ暑かった~。少しでも日陰に隠れて作業しているつもり・・・。
SONY DSC-TX10
さ~て,4年ぶりの出先パンク修理,そして,初めてのチューブラータイヤ修理。
うまくできるものかどうか・・・。
超難航! 無いもの尽くしのチューブラーパンク修理
この日はヤビツタイムアタックだったので,ホイールはカーボンチューブラー(MV32T),タイヤは超軽量のVeloflex Record。また,パンク修理セットは極限まで削られていて,ツール缶に入っていたのはこれだけ。
- シーラント剤(NOTUBES)
- CO2ボンベ+バルブ
- バルブコア回し
- バルブエクステンダー
- 英⇔仏バルブ変換アダプタ
本来なら,予備タイヤを持っていって交換すればいいのですが,重い&すごい手間という理由から,シーラント剤にすべてを託していたのです。
おいらの場合,MV32Tはヒルクライム専用であり,人里はなれた場所まで遠出することはありえないので,これはこれで合理的なパンク修理方針ではあるのですが・・・。
さっそく,シーラント剤を注入して,エアを入れようとしたのですが,おいら史上では最大級の苦労をすることになりました・・・。
以下,当日の作業手順です。
【1】パンク箇所を探し,原因を除去する→OK
これは簡単。
小さな穴(直径1mm程度)からのスローパンクだったので停車時点ではまだエアーが吹いていて,すぐにパンク箇所を特定できました。
また,パンクと同時に吹き飛ばされたのか,穴の内側や周辺に異物は見つかりませんでした。
【2】バルブコアを外す→外せない
シーラント剤を注入するため,バルブコアを外します。
が! リアホイールに使用しているタイヤ(Veloflex Record)は,モデルチェンジによりバルブ長が以前より短くなっていて,バルブが完全にリム内にめり込んでいるのを忘れていました・・・。
こんな風に,バルブコアがめり込んでいるので,普通のバルブツールでは外せないのです・・・。
Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
【3】バルブエクステンダー経由でシーラント剤を注入する→大量漏出
バルブエクステンダーはTOPEAKのシンクロタイプ。
単なるスルータイプならシーラント剤を通すことができるのに,ヘッドのせいで入れることができません・・・。
しかし,ヘッドの部分をよ~く見ると,小さな穴が開いていて素通しになっていることを発見!
おぉ,バルブの天辺に穴が開いている。ここから注入してみよう!
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ここにNOTUBESのノズルを当てて,シーラント剤を注入することに挑戦したのですが,いかんせん,穴が小さすぎて全て外に漏れ出してしまいました・・・。
失敗して,路上にNOTUBESをぶちまけてしまった・・・。
SONY DSC-TX10
【4】英仏変換アダプター経由でシーラント剤を注入する→OK!
万策尽きた感があったのですが,ほとんど意味なく持ち歩いている「英仏変換アダプター」を何気なく見ると,その穴はエクステンダーのヘッドの穴よりは大きいことを発見。
エクステンダーの先っぽに,さらに変換アダプタを重ね,そこにNOTUBESのノズルを当ててやると,ほんの少しずつですがシーラント剤がタイヤ内部に入っていってくれました。
本来の使い方とぜんぜん違うけど,英仏変換アダプタ経由で注入してみました。
SONY DSC-TX10
流した量の半分くらいしか入らない感じでしたが,パンク箇所は明確に分かっていますから,そこに溜まるようにして,ほんの数10cc程度でしょうけどシーラント剤を入れることができました。
あとは,本当にシーラント剤なんかでパンク穴がふさがるのか,そこが一番心配でした・・・。
【5】携帯ポンプでエア注入→エクステンダーから漏れまくる
英仏変換アダプタを外し,エクステンダーを経由して携帯ポンプ(TOPEAK マイクロロケット マスターブラスターAL)でエア注入を始めました。
が,このTOPEAKのバルブエクステンダーは,どういうわけか工作精度が恐ろしく低く,入れているそばから,根元(タイヤ側)からどんどんエア漏れして,ちっともエアが注入できません。
外側のアルミは高精度かもしれないですが,内側はやわいプラで,ここから漏れやがります・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
パッケージには「宇宙工学レベルのアルミボディ」みたいなことが書いてありますが,こんな適当なつくりでは,キット打ち上げ時に大量の燃料漏れを起こすことでしょう・・・。
Panasonicの奴,持ってきていればな~(涙)
【6】CO2ボンベでエア注入→全量放出
エクステンダーからエアーが漏れてしまって注入できないので,虎の子のCO2ボンベ(TNIの優れものネ)を出して,一気にエア注入することにしました。
CO2ボンベのバルブを開くと,一瞬でタイヤがパン!と膨らみ,一見成功したかに思えたのですが,このボケナスエクステンダーの根元から,せっかく注入したCO2が全量,大気放出してしまいました。地球温暖化が心配です(うそ)。
エクステンダーが,せめてシンクロ式じゃなくて,スルータイプならいいのですが,なまじシンクロ式なのでタイヤ側のバルブヘッドを押し込んで開いているので,あっさりと空気が漏れてしまうのです。
Panasonicの奴,持ってきていればなぁ~(涙)
【7】フロントからOリングを移植する→少し改善
目下,最大の問題は「TOPEAKのボケナスアダプターの根元側からエアーが漏れてしまうこと」です。
そこで,フロントの健全タイヤのバルブ部分から,エア漏れ防止用に装着しておいたOリングを取り外し,リアのバルブに付けてみました。
これにより,ボケナスエクステンダーとの気密がよくなり,エア漏れが解消するのではないかと考えてです。
実際にやってみると,今までの漏れ量の半分くらいには低下したのですが,やはり,携帯ポンプでは漏れ量に追いつく速さでエア注入することができませんでした・・・。
(上のリンクを見れば分かりますが,PanasonicのエクステンダーはちゃんとOリングと組で気密を保つ構造になっています)
Panasonicの奴,持ってきていればなぁ~(涙)
【8】エクステンダーをシーラント剤で固める→あと一歩で振り出しに!
シーラント剤は最初は粘度の低い(さらさらしている)液体ですが,大気に触れているうちに,ゴムの塊のように硬化していきます。
そこで,ヘッポコエクステンダーの内部にシーラント剤を貯めた状態でバルブに装着し,日なたに5分ほど干して硬化させてみました。
この状態でポンピングを繰り返すと,Oリングとシーラント剤固めの合わせ技で,エア漏れすることなく実用的なエア圧まで注入することに成功しつつりありました。
が,ちょっと気が緩んだのか,ポンプを支える手が滑ってしまい,エクステンダーが少し傾いたところで,またもすべてのエアーがエクステンダーの根元から「ブファ~!」と大気放出されてしまいました。
ここまで約1時間。おいらの,気力も限界に近づきつつありました・・・
あぁ,Panasonic持ってきていればなぁ・・・(号泣)
【9】ポンプを超慎重に固定してエア注入→成功!(^^)
ここまで「この,クソエクステンダー野郎!」というセリフを,100回くらい繰り返してきましたが,最後の挑戦です。
先ほどは実用強度までエアを注入できたにも関わらず,ちょっとエクステンダーを傾けたがために,すべてを失ってしまったおいら。
今度は,絶対にポンプもエクステンダーを傾けないように,バルブ下にちょうどいい高さのミニ工具を敷いて,ポンピング200回です。
揺らさないように,バルブの下にミニ工具を敷いてみました。
SONY DSC-TX10
本日10,000回目くらいのポンピング(多少誇張あり)によって,6気圧程度に膨らんだところで,今度はウルトラ慎重にクソエクステンダーをそう~~~っと外します。
ここまで1時間半ほどかかりましたが,よ~やく,実用強度を保ったままエクステンダーを外して,バルブヘッドを占めることができました。あぁ,長かった・・・。
偉大なり,NOTUBESシーラント剤!(^^)
結局,ほとんどの時間を「屁たれエクステンダーからのエア漏れを防ぐか」に費やしてしまいましたが,よくよく考えたら,修理らしい修理をまったくやってないことに気が付きました。
クリンチャーなら,チューブを交換したり,パッチを貼ったりして,メカ的な修理が必要です。
ところが,今回は,要するに「シーラント剤を入れただけ」なんです。
バルブコアさえはずせれば,NOTUBESを注入して即完成!のはずでした。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
最初は,こんなので直るかどうかすごく不安でしたが,途中からボケエクステンダーと格闘しているうちに,すっかり忘れていました。
パンクの様態(穴の大きさ等)にもよるのでしょうが,偉大なり,シーラント剤です。
もし,使えるバルブコア回しや,スルータイプのエクステンダーを持ってきていれば,きっと5分で修理完了していたと思います。すごいなぁ・・・。
今回の反省点
こうやって振り返ってみると,よくも,まぁ無事に修理できて帰ってこれたもんだと呆れてしまいます。
途中にも書きましたが,適切な工具類を持っていれば,おそらく5分,長くても15分もあれば修理完了できたと思います。
【教訓1】適切なバルブコアツールを持ってこなかった
バルブコアツールは,シーラント剤を注入するためだけの目的に持ってきているのに,肝心のときに役に立ちませんでした。
Recordチューブラーのモデルチェンジで,バルブ長が短くなって使えなくなっていたことを忘れていました。
もっとも,スルータイプのエクステンダーさえ持っていれば,バルブコアを外す必要すらないので,今後は持ち歩くかどうか微妙~です。
【教訓2】エア漏れするエクステンダーしか持っていなかった
ず~~っと,Panasonicのエクステンダーばかり使っていて,TOPEAKのはツール缶に入れっぱなしになっていました。
まさか,こんなに駄目なエクステンダーだとは思いもよりませんでした・・・。
この馬鹿者が~! レゴ人形も怒ってます (笑顔だけど・・・)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
よく考えると,シンクロタイプのエクステンダーはエア圧を測定するためにある(と思う)ので,出先でパンク修理したときなどに,シンクロタイプを使う必要はありません(ゲージ持ってないし)。
超シンプルな,スルータイプのエクステンダーで十分でした。これなら,エア漏れはないし,シーラント剤を流すときにも使えます。
今後は,スルータイプのエクステンダー(なぜかたくさん持っている)を持ち歩くことにしました。
【教訓3】タイヤ交換はお早めに
実は,リアタイヤのトレッド面が磨耗していることはGW前から把握していました。
もともと,超軽量タイヤのRecordはトレッド面の厚みが1mmくらいしかないみたいで,荷重がかかるリアはすぐに磨耗してしまいます。
GW前には一部に磨耗が激しい部分を見つけ,接着剤でごまかしつつ,「GW明けにはストックしてある予備に張り替えよう」と思っていました。
しかし,GW中はずっとMV32Tを使い続けることになり,普段は年間で100kmくらいしか使わないRecordをたった1週間で300kmくらいも走ってしまいました。
もともと磨耗していたのに,固め走りしちゃったから,ぼろぼろに・・・。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
おかげで,写真のとおり,かなりの部分でトレッド面が磨耗しきってしまい,ケーシングがむき出しになっていました。
これじゃぁ,どこでパンクしてもおかしくない状態です。
ケチらず,早めに交換ですね・・・。
【よかった点】
駄目駄目な点ばかりですが,そんな中でもよかった発見もありました。
- シーラント剤の有効性が確認できた
- CO2ボンベだけでなく,手動のインフレーたーもちゃんと持っていた
- (本来の目的と違うけど)英仏変換アダプターが役に立った
- ビニール手袋が役に立った(両手が完全にベトベトになりました)
こんな感じで,4年半ぶりのパンク修理は無事(?)に終了しました。
10,600kmまで伸びていた無パンク走行記録はリセットされてしまいましたが,また10,000km目指して再スタートです!(^^)
おしまい
パンク修理後,金目川CRを走る。いやぁ,癒されるなぁ~(笑)
SONY DSC-TX10
【補足】
あまりの駄目ぶりに怒られてしまいそうですが,普段のSHAMALを使っての練習やツーリングでは,ちゃんとパンク修理キットを(必要以上に)持って行くようにしていますのでご安心を(?)
標準的に,チューブ×2,CO2×1,ポンプ,レバー×3,パッチ×3~5くらいを持ち歩いています。どんだけパンクするつもりなんだか・・・。
>EXEさん
おひさしぶりです。
おいらも,最初は「中継ぎ」タイプのエクステンダーを考えたのですが,
MV32Tみたいなロープロファイルだと,
あまりにバルブが長くなりすぎなんですよね・・・。
あと1cmだけ伸ばせれば最高なんですが。
2cmだと,かなり出っ張りすぎ感があります。
リムが40mmくらいあればちょうどいいのかも。
まぁ,今後は,
家で使うのは,シンクロタイプ(もちろんPana),
出先で使うのは,スルータイプにしようと思います。
ふと思うのですが,
そもそも,クリンチャーのように,
複数バルブ長のバリエーションがあってもいいと思うんですよね。
やっぱり,数が売れないからなのかなぁ?
ヒルクライムブームで,ロープロファイルも増えていると思うんだけど・・・。