ZWIFT内の仮想パワー、zPowerの精度を調べてみる(後編)

いよいよ、Flex3を選択して実験開始! でも、落とし穴が・・・?

いよいよ、Flex3を選択して実験開始! でも、落とし穴が・・・?

大変お待たせいたしました m(_ _)m

ZWIFT内の仮想パワー「zPower」と、リアルパワーメーターの精度を比較するシリーズの後編です。

前回は、ZWIFTの非推奨ローラー台での実験でしたが、今回は正式に推奨されているローラー台、GROWTAC社の『GT-Roller Flex3』で試してみました。

さて、その結果は・・・?



ZWIFTが推奨するローラー台とは・・・?

ZWIFTが推奨するローラー台には、大きく分けて以下の4種。

  1. スマートローラー台 (パワー計測できるし、ZWIFTから負荷を調整できる)
  2. ANT+対応ローラー台 (パワー計測してANT+でZWIFTに送信できる)
  3. zPowerで動作するローラー台 (速度・ケイデンスからzPowerを算出する)
  4. なんもないローラー台 (パワーメーターで遊ぶ)

前回の実験のElite Super Crono Fluid ElastGel Digitalは4.に該当し、今回のGT-Roller Flex3は3.に該当します

ZWIFT始めました! (5.GT-Roller FLEX3編)

ZWIFTを始めましたシリーズ」4回目の今回は、いよいよ、Shiro家3台目のローラー台、GROWTAC社の「GT-Roller FLEX3」の紹介です。

すでに我が家にある、固定(ELITEなんとか)、3本(ELITE Arion)のローラー台と比べてどうなのか、そこを中心に紹介していきましょう。

3.と4.のローラー台はどちらも自力ではパワーを計算できません(もちろん送信もできない)が、3.は速度・ケイデンスとパワーの関係を表す負荷特性である「バーチャル・パワー・曲線(VPC)」がZWIFT内に用意されていて、速度・ケイデンスから正確にパワーを算出できることになっています。

「だったら、4.のローラー台にもVPCを用意してあげればいいじゃん?」という、もっともな疑問も沸いてきますが、いろいろと大人の事情があるのでしょう、残念ながら、単身赴任先で使っているEliteにはVPCは用意されていません。

比較実験開始!

前置きが長くなりましたが、実験に取り組みましょう。

実験では、以下の2系統のデータを計測して比較します。

  • ペダモニ → GARMIN fenix 5s (リアルなパワー)
  • 速度・ケイデンス → ZWIFT(zPower)
意外と設定が難しくて、ついケイデンス情報を入れ忘れるポカも・・・。

意外と設定が難しくて、ついケイデンス情報を入れ忘れるポカも・・・。

また、zPower計測時のお約束もちゃんと守ります。

  • タイヤ空気圧は100psiに設定
  • タイヤサイズは700×23c(これはもともと)
  • 負荷設定ノッチを「3」に設定(GT-Roller Flex3の場合)
実験セッティング完了! ・・って、ケイデンス入れ忘れてる(笑

実験セッティング完了! ・・って、ケイデンス入れ忘れてる(笑

【実験1】速度のみで計測

最初、ZWIFTにケイデンス情報を設定し忘れ、速度情報のみでの計測になりました。

パワーメーターの方を見ながら、100W、200Wを2分ずつ漕いでみました。

速度情報だけのzPowerで実験。

速度情報だけのzPowerで実験。

100W運転時は、リアルなパワー(赤線:ペダモニ)に比べて、zPower(青線)は低めに計測されています。

100Wに対して75Wくらいですから、割と誤差が大きいです。

一方、200Wまでパワーを上げると、今度はzPowerの方が30Wほど高めに出るようになりました。

100→200W遷移時の細かい変動を反映できないのはzPowerの宿命(パワーは瞬時変動しても、速度は変化しない)ですからしょうがないとしても、低出力・高出力ともに誤差が多い(しかも逆方向にでる)のは、あまりよろしくない結果でした。

【実験2】ケイデンス情報を追加

忘れていたケイデンス情報をZWIFTに取り込み、それ以外は【実験1】と同じ条件でやってみました。

ケイデンスもZWIFTに取り込んだ結果。

ケイデンスもZWIFTに取り込んだ結果。

100W付近は見事に一致するようになりましたが、200WになるとzPowerの方が40Wほど大きくでるようになり、250Wではさらに差が拡大し100W近く大きく計算されるようになってしまいました。

また、250Wだと1分しか出せないというのは、ZWIFTのせいではなく、被験者の脚力の問題です(涙)

【実験3】負荷設定ノッチを「4」に変更

「zPowerの方が大きく出てしまう」のは、逆に言えば、実パワーの方が低いことを意味します。

であれば、ローラー台の方の負荷設定を少し重めにしてあげればよかろう、ということで、GT-Roller Flex3の負荷設定ノッチを「3」→「4」に変更してみました。

負荷設定ノッチを「4」に変更してみました。

負荷設定ノッチを「4」に変更してみました。

100Wは少しだけ低めに出ましたが、200W、300Wはほぼ一致しました!!(^^)

さらに、超短時間ですが500Wの超大出力(か?)でも、ほぼ一致しています。

どこの場面でも、パワーをかけてから速度が上がるには時間差があるので、数秒遅れではありますが、いい感じで実パワーにzPowerが追従しています。

まとめ

今回の実験では、GT-Roller Flex3では負荷設定ノッチを「4」にすると、実用上問題ない誤差の範囲に収まる、ちょうどいい計算になることが分かりました。

ZWIFTの機器設定画面では「Use Setting 3」(=負荷設定3を使え)としか書かれていませんが、今回使用したのは、「4」と思える設定です。

普通、「3に設定しろ」と言われれば、3番目の設定にしますが・・・。

普通、「3に設定しろ」と言われれば、3番目の設定にしますが・・・。

どうやら、ZWIFTのこの表記は、「一番軽い状態から3番目の負荷設定を使ってね」ということのようです。

表にするとこんな感じに。

Flex3の負荷状態 普通の人(?)の
数え方
ZWIFTの
数え方
備考
最も軽い負荷 ゼロ?  
2番目に軽い  
3番目に軽い これでは軽すぎ
4番目に軽い これがZWIFT推奨設定

なので、GT-Roller Flex3をZWIFTで使う人は、「初期設定から3クリック目に設定する」と覚えればよいでしょう(^^)

・・・と、割と適当な実験でしたが、意外と(?)役に立つ結果になりました。

というわけで、zPower vs. リアルパワーメーターの比較実験はおしまいです。

それでは~(^^)

おまけ

「もしかして体重も考慮しているのでは?」と思って、体重を100kgほど増やしてみましたが、特に何も変化しませんでした。

ダウンヒルだと速くなったりするのかな・・・?

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コメント

  1. 名前:blue fish 投稿日:2018/10/01(月) 11:39:34 ID:4b2f71d6c 返信

    実はグロータックに聞いたんですが、
    Flex3の負荷3と言う設定は、
    負荷装置で言うと負荷無しを0、
    そこから3回カチカチカチと変化させたのが負荷3だそうです。 
    つまり記事でご指摘されてる負荷4がそもそも想定した負荷3だと言うわけですね。
    メーカーにも分かりづらいから訂正してほしいと言ったんですがそのままですね。。

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/10/02(火) 21:01:32 ID:e19354320 返信

      初めまして!
      コメントありがとうございます。

      おぉ、ちゃんとグロータックからの公式回答をもらっているとは、すばらしい!(^^)
      レバーのところに、数字・目盛りを書いてもらえれば間違いないんですよねぇ。
      いっそ、4つ目のところに「Z」マークでもいいかもです(^^)

  2. 名前:まるてす 投稿日:2018/03/16(金) 21:55:36 ID:f480f6273 返信

    GT-Roller Flex3で3番で使用しています。
    4番にすれば良いのはわかりました。
    でもリアルでは遅いので
    せめてZWIFTの世界だけでも夢を見たいから
    しばらくは3番のままでいいかな。

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/03/17(土) 22:33:23 ID:c99c77e98 返信

      気持ちわかりますねぇ・・・(^^)

      富士ヒルやヤビツでも、終盤辛くなると、電動アシストあったらなぁ、なんて思ったりしていますから(笑)

      ZWIFT内では、明らかに設定を誤っていると思われる、べらぼうに速いライダーをよく見かけます。
      8W/kgとか、リアルでもそのくらいの速さで走れたら嬉しいなぁ・・・。

  3. 名前:のらねこ♪ 投稿日:2018/03/15(木) 12:46:24 ID:353ad4919 返信

    うちも同じローラーを使用しているので参考にさせてもらいます!
    今までのzPowerは盛られた数値だったのね・・・(泣)

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/03/15(木) 20:33:50 ID:d77fd0c4f 返信

      そうなんですよ~

      気が付かないでノッチを「3」にしてしまっていると、かなり盛られた数字になります。

      そういえば、Eliteの方にも仮想でパワー表示する機能があるのですが、こいつが盛大に持ってくるタイプです(笑)
      パワメを付ける前はそれに気が付かず、「ずっと500Wで走れるぜ」のように、盛大な勘違いをしていました・・・。

  4. 名前:M Itoh 投稿日:2018/03/15(木) 11:19:57 ID:6ec3fbd74 返信

    検証記事、ありがとうございます!
    zPowerの数値を使ったPWRは、ほぼ真実の姿を見せてくれてるわけですね(^ ^)

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/03/15(木) 20:31:24 ID:d77fd0c4f 返信

      いいえ~、どういたしまして!

      正しく4番目のノッチを使えば、ほぼ一致した数値になりました。
      各社のローラー台のVPCがちゃんと作られていることが前提ですが、ZWIFTがチェックしているのでしょうから、大丈夫そうですよね。

      くれぐれも、負荷設定を誤りなく~

  5. 名前:sramred 投稿日:2018/03/15(木) 10:03:19 ID:1fc22b6ad 返信

    素晴らしい!
    右足・左足補正は入った状態でしたか?

    • 名前:Shiro 投稿日:2018/03/15(木) 20:29:36 ID:d77fd0c4f 返信

      おぉぉ、、、左右補正はまったく忘れていました。

      自宅では右脚のみの計測で、おいらの場合、左は右より10Wくらい低いパワーです。
      なので、今回の実験では本当のパワーよりも、10Wくらい高めに計測してしまっている可能性が高いです。

      となると、ますます、zPowerとペダモニの正しい計測値は近づきそうですね!
      恐るべし、zPowerです。

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