LOOK純正のソーガイド。
使いやすいけどアルミ製。お前まで削れちゃってどうする!(笑)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
しばらく前になりますが,「LOOK号の組み立てで使った工具類を紹介してほしい」とのご要望がありました。
最近は,LOOK号に乗ることばかりに夢中になっていましたが,これから数回に分けて,使った工具,ケミカル,そして,フレームから組み立てる際の注意事項(教訓)などについてまとめてみたいと思います。
第1回の今日は,「LOOK号組み立てで使った工具一覧」です。
LOOK号に限らず,フレームから自転車を組み立てるとなると,いろんな工具を必要とします。わずか80円程度の工具(HOLLOWTECH IIの着脱工具,TL-FC16)から,10万円もする工具(タップ切りツール等。もちろん,持っていません)まであります。
すでに手持ちだったもの,新たに用意したものもあわせ,LOOK号組み立てで使った工具を(ほぼ)全部紹介します。
これが全工具です。多いようでいて,意外と少ないか・・・?
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
(1)トルクレンチ (BBBの「トルクフィックス」)
組み立て開始直前に,みなさんからの「トルクレンチは必須だよ!」との温かいコメントに押されて購入。
実際,使ってみると,あまりの便利さに「なぜ今まで持っていなかったんだ」と懺悔(?)してしまいました。
指定トルクを設定したら,後はギコギコ回すだけで適切な締め付けが得られます。
ハンドル(柄)が長いですから,力は非常に少なくて済むし,なんといっても,「カーボンパーツを壊してしまうかも・・・」という不安から解放される,精神的な効用が大きいです。あらゆるスポーツバイク乗りに,必須の工具と思います。BBBであれば,そんなにお高くないですし(^^)
ただ,トルクフィックスはハンドル部を回してトルクを設定するので,締めているうちにハンドル部が回転しないように気を付けないと,とんでもない設定値になる可能性があります。気を付けましょう~!
(2)ヤスリ
以前から持っている普通の大工用具ですが,ISPカットをしたときの仕上げに使いました。
鋸で切断した面はギザギザになっていますから,きれいに仕上げるためにヤスリが必要です。
ここでさぼってしまうと,LOOKのISPの場合は,切断面の上に乗せる形になる「シート高調整スペーサー」にかかる力が不均一になって,スペーサーが破損してしまいます。
(3)クランク外し工具 (シマノTL-FC16)
シマノの左クランクのには,プラスチック製のキャップが付いています。
アヘッドステムのてっぺんのキャップのように,左右のクランクを引っ張りあってガタをなくすためのキャップなのですが,これが特殊形状をしているため,専用の工具が必要になります。
が,お値段は80円ほど。最近のクランクセットにはおまけで付いてくるみたいです。他には何の役にも立たない工具ですから,まぁ,当然かなぁという気がします。
(5)BB取り付け工具 (シマノTL-FC32)
シマノのBBを取り付け(or 取り外し)には,この手のレンチが必要です。
しかし,ここで指摘されているように,はっきり言って,このレンチは工具の「質」としては残念ながら低いと言わざるを得ません。
BBは強大な力(おいらの場合,そんなでもない?)が加わる場所だけに,その締め付けトルクは非常に大きく(50-70Nm)なっています。その大きな締め付けトルクに比べて,レンチの「厚さ」が足りなさすぎるため,どうしてもBB側の狭い範囲に応力が集中し,アルミでできているBBの方は傷ができる(=へこむ)し,工具の方もY型になっているために,若干広がってしまいます。最悪,ナメてしまうこともあるようです。
Y型となっているのは,取り付け後にもクランクを外さなくても調整できるというメリットがあるのかもしれませんが,やはり,パークツールのように,ボックス型にしておいた方が無難と思われます。ただ,TL-FC32はLOOKのHEAD FITの玉あたり調整用工具としても使えるため,この用途としては最適です(玉あたり調整のために,ハンドルを外す必要がありません)。
というわけで,LOOK以外のフレームの方は,純正のTL-FC36やパークツールのBBT-9あたりをおすすめいたします。
(6)金ノコ (HOZANのK-129S)
ISPのポスト部分(っていうか,フレームそのものなんですが)をぶった切るために使用。
今後,フォークコラムのカットでも登場願う予定です。今回は,自転車ショップの通販で購入しましたが,普通の金ノコであればなんでもいいらしいので,ご近所のDIY店のものでもいいでしょう。
(9)(12)ソーガイド(grundge,LOOK純正)
LOOK純正のソーガイドはISPをカットするときに,切断面がまっすぐになるように使います(使用の様子はこちら)。
また,grundgeの方は,ステアリングコラムをカットするために購入しましたが,まだ,切っていないので未使用状態です。
いずれの工具も,極めて用途が狭いのですが,おそらくですが,専用品でなくても他のもので工夫すれば代用がききそうな気がします。
たとえば,園芸用ホースを固定するバンドを2個用意して,上下並べてコラムに締め付け,その隙間を鋸で切るとか・・・。ただ,ISPの方は,非常に緊張を強いられる作業だけに,できれば,専用品を使った方が安心できそうですね。ただ,LOOK純正品はなぜかアルミで作られていて,鋸で一緒に切れてしまうので,プロショップではgrundgeのような汎用品を使ってやっているところもあるようです。
(13)ワイヤーカッター (シマノTL-CT11)
RHC号の分解,LOOK号の組み立ての両方でたくさん使用しました。
一般的なカッターでも,ブレーキアウターは比較的簡単に切断できますが,シフトアウターはかなり手こずります。ブレーキの方は1本のワイヤを螺旋状に巻いているのに対し,シフトの方は多数のワイヤをまっすぐ並べているため,切断本数が多いからです。
組み立て作業においては,長さ調節のために何度もワイヤを切断することになりがちですので,専用のワイヤーカッターがあるとないとでは作業効率が全然違ってくると思います。
今回の作業では,RHC号の分解時に,インナーごと適当にバンバン切断していたら,スパッと切断できなくなってしまいました。どうやら,2枚の刃に隙間ができてしまったようで,おかげでLOOK号組み立て時にはかなりのストレスを感じました(2~3回切らないと,切断できない・・・)。専用工具とはいえ,無理な切断をしないよう,大事に使いましょう。
(10)ラチェットバータイプのクランプ
フレーム組み立て作業をやっていると,「ちょっと押さえておきたい」「もう一本手があると助かる」という場面に出くわします。
たとえば,ケーブルの長さ合わせのときに両手で作業をして長さを合わせた後,その状態で止めておきたいときがあるのですが,テープやタイラップを持ち出そうにも,片手では固定することができません。
そんなとき,片手で操作できるラチェット式のクランプがあると,右手でケーブルを押さえつつ,左手だけでニギニギするとキリキリと締めあげることができます。おいらのは,DIY店で買ったエンプラ製で400円ほどでした。
自転車以外にもいろんな場面で使えます(接着するときの固定など)ので,1個持っておいても損はないと思います。
こんなコトは絶対にしちゃダメです! 横方向には弱いんだから・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
(11)プラスチックハンマー
自転車組み立てでは,このような「大工工具」の出番はあまりないのですが,固渋したボルトを外す時や,いろんなパーツのハメコミが固いときに,出番があります。プラスチックの方で叩けばパーツやフレームを痛めることがありませんから,やっぱり一個は持っていた方がいいかな?と思います。
(14)アーレンキーセット (タイオガ)
まぁ,自転車乗りならアーレンキーを持っていない人はいないと思いますので書くほどではないのですが・・・。
おいらが愛用しているのは,先っぽが「ボールポイント」になっているTIOGAのアーレンキーセットです。ボールポイントのおかげで,多少斜めになっていてもさくさく回すことができます。
しかし,ボールである以上,ボルトの接触面積は小さく,トルクをかけるとボルトを壊してしまうおそれがありますから,最終的にトルクをかけるときには,短い方(ボールじゃない方)で締め付けるか,トルクレンチを使いましょう。
まとめ
以上,LOOK号をフレームから組み立てるときに使った工具一覧でした。
ソーガイドは二度と使わない気もしますが,トルクレンチは一生使いそうです(笑) 今回揃えた道具の中では一番気に入っています。
一方,壊してしまったワイヤーカッターの方は,どうするか悩んでいます。買うと4000円近いので,やっぱり,なんとかして修理するか・・・。困ったな~
陰の立て役者(笑) ネジやちょっとした部品を並べるお皿。ダイソーで購入(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
>Mカルさん
こんばんは~
そうなんです。
自転車業界では割と有名どころのHOZANですら,
すご~く安いのです。
次にワイヤーカットするのは,
10速化の時ですが(?),
そのときの備えて,ゆっくりと準備します~