下町運台(?)梅本製作所の自由雲台『高精度自由雲台SL-40ZSC』

カメラの真下で支えているのがUMEMOTOの運台。まさに,縁の下の力持ち!(^^)

カメラの真下で支えているのがUMEMOTOの運台。まさに,縁の下の力持ち!(^^)

Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8

昨年末,22.3%という高視聴率で最終回を迎えたTBSの『TBSへ下町ロケット』。

ロケットのバルブシステムというキーテクノロジーを持つ小さな会社が,遥かに規模が大きい同業他社や親会社を相手に,その高い技術力を武器に戦う痛快ストーリー。

おいらは,4年くらい前に原作の『下町ロケット』(池井戸潤)を読んだのですが,ちょうどその頃に購入したのが,今回紹介する梅本製作所の自由雲台『高精度自由運台(SL-40ZSC)』。

カメラマニアの間では「UMEMOTOの雲台は本当に凄い」と噂されていたのを聞きつけて購入したのですが,日本の小さな会社(失礼)が持つ,高い技術と熱意とサービスを実感しました。

「雲台」自体は自転車とはあまり関係無い(^^;)ので,この運台を購入した経緯とその時のプチ感動を中心にまとめてみました。



【雲台のイライラ】 お辞儀しない(&軽い)雲台が欲しい!

カメラと三脚との接点でカメラを支えているのが「雲台」というコンポーネント。

一般的に,カメラというのは重量バランスが悪く,特に望遠レンズを装着したときには,「でかいレンズの端っこにカメラがくっ付いている」という状態になります。

この「レンズ+カメラ」という長尺・重量な物体を端で支えるので,雲台にはものすごいチカラがかかっています。

改めて見ると,ものすごく苦しい位置で固定していますよね。(レンズに付ける「三脚座」というパーツもあります)。

改めて見ると,ものすごく苦しい位置で固定していますよね。(レンズに付ける「三脚座」というパーツもあります)。

Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8

こういう不安定な固定のため,多くの雲台では,撮影アングルを調整したあとに雲台をロックしても,手を放すとズルッとカメラが前方にお辞儀してしまうのです。

安い雲台ならズル~っと盛大にお辞儀していしまいますし,高級雲台(数万円レベル)でも,やっぱり下がってしまいます。

結局,アングルを調整している段階で,ちょっと上向きに合わせて固定するという原始的なやり方で対応していました・・・

【UMEMOTO購入前夜】 本当に買って大丈夫なのだろうか・・・?

カメラ仲間やネットの(マニアックな)情報で「梅本製作所の雲台の強度はハンパ無い」という噂を聞き,「雲台お辞儀現象」で悩まされてきたおいらは,藁をも掴む思いで梅本製作所のドアをノックしたのでした(HPをクリックしただけですが)。

お値段は16,500円と,一般の人からしたら,「こんなパーツで16,500円? そんな金あったらカーボンステム買うよ」とか聞こえてきそうですが(違うか),前述の通り,国内外の有名メーカーの耐荷重が高い雲台は2~3万円くらいするのです。

おいらは「雲台お辞儀現象」が大嫌いなので,16,500円で解消できるのならお安いものだったのですが,以下の2点が気になりました。

  1. あまりにコンパクトで軽すぎる
  2. 梅本製作所という会社をまったく知らない

我が家には,なんだかんだ言ってたくさんの運台が転がっているのですが,UMEMOTOはびっくりするくらい小さくて軽いんです。

我が家の運台(の一部)。左下の一番小さいのがUMEMOTO。その右横が,GITZO,Manfrott。

我が家の運台(の一部)。左下の一番小さいのがUMEMOTO。その右横が,GITZO,Manfrott。

Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8

メーカー UMEMOTO GITZO Velbon Manfrott
運台 SL-40ZSC GH1781QR PHD-51Q ジュニアギア401
重量 230g 350g 670g 1400g
お値段 16,800円 25,000円 20,000円 25,000円

梅本製作所の雲台(SL-40ZSC)は僅か230gという驚異的な軽さ。

「本当にこんなで支えられるのか?」「お辞儀する前に折れちゃうんでは?」という不安がありました。

また,三脚業界では,Velbon,SLIK(ケンコー・トキナー),GITZO,Manfrottなど,資本金が億単位のグローバル企業が名を連ね,どこの量販店に行っても,まともな三脚・雲台はこの4社しか扱っていないのが現実。

それに比べて,梅本製作所は資本金300万円の有限会社。

帝国重工(下町ロケット)の富山じゃなくても,「そんな小さな会社の製品で大丈夫か?」と思ってしまうところです。

しかし,ここからが驚きでした(^^)

【UMEMOTO購入】 驚きの連続!

注文したのは,一番小さい自由雲台の『高精度自由雲台SL-40ZSC』。

藁をもつかむ思い,半信半疑での注文でしたが・・・。

【驚き①】 素早い発送・到着

小さな会社だからAmazonみたいにはいかず,早くて1週間,下手したら1ヶ月くらい待たされることを覚悟していました。

ところが,代金を振り込んでから3日目の午前中には我が家に,「UMEMOTO」の輝かしいエンブレム(シール)が付いた箱が送られてきました。

この時点で,小さな驚きでした。

段ボールには,「UMEMOTO」のメタリックなエンブレムが誇らしげに貼られていました。

段ボールには,「UMEMOTO」のメタリックなエンブレムが誇らしげに貼られていました。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

「たいしたもんだなぁ。でも,中身がダメじゃ話にならんからな」と,またも帝国重工の富山のような減らず口をたたきながら箱を開けてみて,またもビックリ。

【驚き②】 手書きのお手紙入!

小さな雲台を丁寧に梱包した箱の中からは,こんなものが出てきました。

箱の中には直筆のお手紙! 社名や社長じゃなくて,「スタッフ一同」というところも◎です。

箱の中には直筆のお手紙! 社名や社長じゃなくて,「スタッフ一同」というところも◎です。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

手書きフォントでもないし,コピーでもない,直筆です。

手紙の差出人は「スタッフ一同」

この言葉を見たら,なんだか,目頭が熱くなってきてしまいました。

会社名でも,社長名でもなく,「スタッフ一同」なんです。

黄色い靴を購入したときはフルームからのお手紙が入っていましたが,それよりも5倍くらい感動です。(イメージ的には「従業員一同」の方がより好きですが)

【驚き③】 圧倒的な製品クオリティ

発送の早さや,自社製品にかける熱意に驚かされましたが,肝心の雲台の性能が悪ければ話になりません。

しかし,その不安は1回目の実戦使用で杞憂だと分かりました。

記念すべき,UMEMOTO雲台の第1回目の実戦使用は,いつもの鵠沼海岸での夕焼け撮影。

使用機材は,フルサイズのデジタル一眼レフ(Nikon D600,800g)と標準レンズ(Nikkor 24-70mm F2.8,900g)と,我が家のカメラでは比較的重い装備でしたが,懸案の雲台お辞儀現象はまったく起きず,快適に撮影できました。

デビューから,ずいぶん過酷な場所で使っている気もしますが,頑張れ,UMEMOTO!

デビューから,ずいぶん過酷な場所で使っている気もしますが,頑張れ,UMEMOTO!

SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9

もちろん,普通の地上の写真でもがっちりカメラを支えます。

もちろん,普通の地上の写真でもがっちりカメラを支えます。

SONY NEX-5T + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

バカ長い望遠レンズを,さらに横向き(!)に倒して固定しても,まったく問題なし。

バカ長い望遠レンズを,さらに横向き(!)に倒して固定しても,まったく問題なし。

Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8

こんなに小さく,か細いコンポーネントで,1.5~2kgもの重量ブツを全くブレることなく支えているのです。

雲台のサイドにある小さなハンドルを緩めると,ムニュ~っというトルクを伴って動いてくれ(←これすごく楽なんです),ちょっとハンドルを締めればガチッと固定されます。

ものすごく感動してしまい,涙でファインダーが曇って,これ以上写真を撮ることができませんでした(ウソですが)

まとめ

自分で選んで発注しておきながら,会社の知名度の低さや規模の小ささから,半信半疑だったUMEMOTO雲台。

しかし,その性能の高さはまさに驚きでした。

  • とにかくブレない(一度固定したら動かない)
  • 簡単に固定できる(ハンドル半回転。力も要らない)
  • 緩めた時の動きがいい(一気に倒れず,ムニュ~っと動く)
  • 小さい・軽い(信じられないくらい小さいし軽い)
  • 比較的お安い(同レベルの強度を他社で求めたらもっと巨大・高額に)

佃製作所のバルブシステムのように,少なくともおいらにとっては,非の打ちどころがない雲台でした。

末永く使えるよう,お手入れ用のグリースもついてきます。

末永く使えるよう,お手入れ用のグリースもついてきます。

Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8

なにより,佃,いや,梅本製作所の技術に対する自信と,顧客に対する誠意を感じました。

記事では「驚き①」などと書きましたが,今風の言葉で書けば「サプライズ」でしょう。

顧客の想像や期待を上回るところにサプライズが生まれ,喜びにつながるのだと思います。

おいらは非製造業に勤務なのですが,

「モノづくり」ってこんなに格好いいんだ

と,少しあこがれてしまいました

実際の技術開発はものすごく大変なようで,梅本製作所のHPでは,その一端を垣間見ることができます(↓応力解析の様子とか載っていてすごく面白い!)

製品だけはなく,小さな感動も買うことができた,とてもいいオカイモノでした(^^)

会社規模が大きくなったり,製品バリエーションが増えていくと,それはそれで別の苦労もあるのでしょうし,やりたくもできないこともあるのかもしれません。

それでも,こういう,技術への自信と顧客への誠意は,すばらしなぁ,と思いました。

以上,自転車とは全然関係ないけど,日本の小さな雲台メーカーについての一方的な賛辞でした(笑)

(記事化するのに4年もかかったのは,ごめんなさいです)

おしまい(^^)

耐水構造ではなさそうなので,濡らさないように気をつけなきゃ!(^^)

耐水構造ではなさそうなので,濡らさないように気をつけなきゃ!(^^)

SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9

ありがとう,UMEMOTOさん!

ありがとう,UMEMOTOさん!

Nikon D600 + Nikkor VR 16-35mm F4

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おかいもの情報


コメント

  1. 名前:市川のチャリダー 投稿日:2016/02/02(火) 17:00:13 ID:714eff869 返信

    はじめまして。カメラの方はあまり詳しくないのですが、読んでいて、自転車関係だとヒラメのポンプヘッドを思い浮かべました。国産で大きな会社でなく、製品のクオリティや補修パーツが揃っていて永く使えますよね。空気を入れた後にカムレバーを開ける時の”バシュ”という音がなんとも言えず好きです。

    • 名前:Shiro 投稿日:2016/02/02(火) 21:53:37 ID:c92c8434c 返信

      初めまして!コメントありがとうございます!

      あ,そうそう,「ヒラメのポンプ」なんて,そうなのかもしれませんね!
      残念ながらおいらは使ったことがない(TOPEAK)のですが,一度でも使った人は必ず絶賛していて,ほかのポンプヘッドは使えない,と聞きますよね。

      あのレバーの長さや,カムの形状に工夫があるのでしょうか。

      現在,新カメラ登場によりかつてないほどん財政危機で試せないのですが,そのうち使ってみたいな~と思っています。

      やっぱり,いいんだなぁ・・・。

  2. 名前:Nogu 投稿日:2016/01/23(土) 01:28:25 ID:e86ea041f 返信

    和風総本家に出て来そうです。
    こういうもの造り憧れます。

    • 名前:Shiro 投稿日:2016/01/23(土) 21:56:04 ID:61485db16 返信

      ねぇ,やっぱり,こういうモノづくりって憧れますよねぇ・・・。

      世の中,なんでもネットで,ちょっとしたアイデアで稼ぐ,みたいな話が多いですが,こういうガチが「技術屋さん」を見ると,単純にすごいなぁ,と思ってしまいます。

  3. 名前:びすぽーく 投稿日:2016/01/23(土) 00:29:20 ID:cfd2c3a8c 返信

    Shiroさん、こんにちは。
    いいですね~、梅さん雲台。僕もF6+24-70mmF2.8用に、SL-50ZSCがいいかなあ、と計画しているところです。何せ、マンフロット雲台3ウェイ804RC2は、重くて持ち出すのが面倒になってしまいました。
    梅さんHP「製品選びにお困りの時はご相談を」の案内他を見ると、ご自身がカメラ好きで、お客さん目線で、お客さんを大切にしているのだなあと、感動した記憶があります。
    こういうメーカー、販売者の心意気こそ、日本の誇れるものなのかなと思っています。

    • 名前:Shiro 投稿日:2016/01/23(土) 21:52:56 ID:61485db16 返信

      804RC2,でかいですよねぇ・・・。
      おいらも持っていますが,イマイチ使いにくくて,最近は出番が全くないです。
      どうも,マンフロットは雲台が苦手なのかなぁ。
      ただ,ギア雲台だけは,物撮りでは最高の逸品です(^^)

      で,F6なんですね!!!
      なんて,格好いいんだ・・・。
      おいらは,フィルムはCONTAXしか使ったことがなく,デジタルになってからNikonで固めたので,F6は憧れでした。

      24-70mmF2.8の巨大ボディだと,50ZSCの方が余裕があっていいかもしれませんね!
      40ZSCでも大丈夫ですが,ここまで軽量化しなくてもいいかもです。
      どうせ,レンズがどえらく重いので,40ZSCと50ZSCの差は誤差の範囲かも?(笑)

      ただ,軽量なミラーレスでは40ZSCが最高です(^^)

      梅本さんは,HPを読むだけでも楽しいですよね。
      こういう,見えないサービスだけでも好感です。

  4. 名前:nagabond 投稿日:2016/01/22(金) 22:19:22 ID:debe57c0e 返信

    実は中高と写真部に在籍していましたが(銀塩カメラ全盛期)、最近はめっきり写真を撮っていません。前回の小型PCの記事で「T90」の字を見て思わず「むむっ、ルイジ・コラーニがデザインしたアレか?」などと反射的に連想する程度にはかつてのカメラ少年です。

    自由雲台は固定を解除すると、全力でお辞儀するのが煩わしいと思って敬遠していましたが、精度がよければムニューと動くのですね。

    自分は構図を決定する過程として、横方向と縦方向の動きを分けて考える癖があるので、一眼レフでがっつり撮る場面では2パン棒雲台ばかり使っていました。
    梅本製作所の自由雲台は水平パンのみの操作は出来るようで素晴らしいですね。

    • 名前:Shiro 投稿日:2016/01/23(土) 21:47:13 ID:61485db16 返信

      写真部だったんですか! いいなぁ・・・。
      おいらは中高(大も)は全然写真に興味がなかったのですが,今だったら入りたいなぁ。
      T90はCanonのですよね。あの,少し変形した一眼レフ。

      梅本の自由雲台はなかなかよくできていて,固定を緩めていくと,まず水平パンができるようになり,さらに緩めると,完全に自由になります。
      慣れるまでは,うっかり緩めすぎてしまうのですが,慣れればなかなか快適です(^^)

      水平パン専用につまみを付ける自由雲台はよく見かけますが,これを一つのつまみでやらせているのですが,これも精度が高いからできるんだろうなぁ,と感心です。

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