伊坂幸太郎『AX』

「この帯は盛りすぎでしょう(笑)」と思ったのですが、本当でした。

「この帯は盛りすぎでしょう(笑)」と思ったのですが、本当でした。

SONY α7II + Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA

伊坂幸太郎の小説なのに、感動してしまった。

伊坂幸太郎の小説なのに、涙が出そうになってしまった。

伊坂幸太郎の小説なのに・・・。



冷静?鈍感? 伊坂幸太郎小説の主人公たち

伊坂幸太郎の小説といえば、どこか浮世離れした、ドライな登場人物が特徴の一つかと思います。

日本語の(?)「ドライ」というと「冷たい」という意味のほうが強いかもしれませんが、そこまでではなく、客観的というか冷静というか、重大な物事に対しても「わ~、大変!」と感情を露わにする登場人物がほとんどいません。

例えば、『モダンタイムズ』という小説の主人公、渡辺は、理不尽な拷問(理不尽じゃない拷問は無いか・・・)を受けるのですが、その際も「痛いな」「嫌だな」という感想を漏らしていて、いよいよ指を切断するという段になって、「それは困る」という感じで少し慌て始める、というドライ(?)ぶりです。

結構読んでいますが、どの主人公も落ち着いていて好きです。

結構読んでいますが、どの主人公も落ち着いていて好きです。

SONY α7II + Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA

この、感情の起伏が抑えめの表現は人によっては面白くないと感じるかもしれませんが、自分の場合は非常にマッチしていて、とても気に入っています。

なので、伊坂幸太郎の小説読んで「感動と共感」とか「涙する人」とかありえず、「また随分と盛った帯を作ったなぁ、大丈夫か?」と心配していたのですが・・・

暖かい血が流れ、父のやさしさが通う殺し屋ストーリー

『AX』の主人公である「兜(かぶと)」は、最強の殺し屋であると同時に、最強の(?)恐妻家です。

殺し屋のスマートぶりは普通の小説でもよく出てくる話ですが、恐妻家の最強ぶりはものすごいものがあります。

そのすごさは、こんな表現にも表れています。

朝起きて、妻に顔を合わせると同時に、「今日もすみませんでした」と謝るくらいでないと真の恐妻家とは言えない。

以前、どこかの落語家が喋っているのを聞いたことがある。

私からすればそれは、笑い話どころか非常に共感しうる悲話に近かった。

子供の学校が弁当持参にも関わらず、ふと「給食だっけ?」と聞いてしまって妻の猛攻撃を受けた後には、

心の歯車を停止させ、何も考えぬままに、「確かに、俺はあまり、息子のことに注意を払っていないかもしれないな」と相手の批判を受け入れるほかない。

欠点を認め、反省をし、改善を約束する。それがもっとも、円滑に解決する道筋だった。

最後には、「自分では、それなりに息子のことに気を配っているつもりだけれど、君に指摘されてみると、全然足りていないんだな、と痛感するよ。君のおかげで、また成長できた」と相手への感謝を、あまりへりくだることなく、伝えるのも重要なポイントと言えた。

妻の問いかけに対して、的外れな相槌を打ってしまってピンチに陥ったときは、

兜はこういった場合、ただ一つのこと、どういう返事をしたら妻の怒りは和らぐだろうか、どう答えたら平和に終われるのか、それだけを考える。

が、「あれは生返事だった」と答えようが、「あれは別人だった」と主張しようがどちらも妻を怒らせるのは間違いない。

・・・中略・・・

助け舟を出してくれたのは、克己だ。

・・・中略・・・

「ああ、そうだったかもしれないな」兜は、息子の言葉に穏やかに答えた。

内心は感謝の思いで泣き崩れるほどだった。

船首が折れ、船内に浸水がはじまり、もはやわが命もここまでかと諦めかけたところに、息子の乗ったヘリコプターが梯子を垂らしてくれた、まさにその思いだ。

克己の背後に光が差し、玉蜀黍(トウモロコシ)に反射し、輝くかのようだ。

ありがとう、と息子に抱きつきたいところを必死にこらえ、せめてもの思いで、克己にだけ見えるように親指を突き出し、グッド!の印を見せた・・・

最強の殺し屋の弱点が最恐の妻」という設定からして面白いのですが、先述の『モダンタイムズ』の妻(佳代子)もものすごく怖かった(&武闘もべらぼうに強い)ですが、伊坂幸太郎の描く恐妻家はいつも面白いのです。

兜のもう一つの弱点は、息子(克己)を心から愛していることであり、もちろん妻も(怖いけど)愛しているわけであり、要するに、家族をこよなく愛するという殺し屋にとっては割と致命的な弱点を持っています。

そんな兜が、殺し屋稼業から足を洗おうとして・・・、後はネタバレになってしまうので、読んで感動しましょう(手抜き?)

ラストに近い場面で、以下の一文を目にしたときは不覚ながらも微妙に泣けてしまいました。

・・・妻と息子の顔が頭を埋め尽くし、いったん、浮かんだまま時間がとまった・・・(中略)・・・家族の思い出が次々と眼前に浮かび上がるものだから、胸に暖かい空気が満ちていく。

伊坂幸太郎作品はほぼ全部(だと思う)読んでいますが、自分の中では最高に面白いと思っています(次の『フーガはユーガ』も面白いそうですが・・・)

もちろん、最新作も手配済み(^^) こちらも面白いらしい。

もちろん、最新作も手配済み(^^) こちらも面白いらしい。

SONY α7II + Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA

今までの作品は、どれも非常によく考え、緻密な計算と伏線回収が素晴らしく、どれも「よくできた小説」でしたが、『AX』は(もちろんよくできているのですが)、感動できる小説になっています。

以上、大部分が引用という手抜き記事ですが、これにてAX賛歌は終了。あとは、実物を読んでみましょう。

ご清聴ありがとうございました。

おまけ

これだけたくさん読んでいると、もちろん、こういうことも起こります(進歩無し・・・)

これだけたくさん読んでいると、もちろん、こういうことも起こります(進歩無し・・・)

SONY α7II + FE 28-70mm F3.5-5.6

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伊坂幸太郎なのに・・・!

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