濃霧で霞むゴールに無事生還! 視界が利かない下山は怖かですたい。
SONY アクションカム HDR-AS200V
富士ヒルクライム2018参戦記の3回目は、下山・大会運営編です。
残念ながら雨となってしまった下山地獄、去年は地獄のような対応に非難GOGO轟々だった大会運営。
どちらの地獄も大幅に改善され、ほとんど不満のない状態で帰ってくることができました(^^)
雨&低温下での下山修行
ヒルクライマーなら、一度は必ず周囲の人に「自転車で山登るの?辛いでしょう!あ、でも下りは爽快で楽しいか♪」という感じで話された経験があることでしょう。
こういう不勉強な輩(悪意はないと思うが・・・)には、一度でいいので、「10℃未満の気温で24km、1時間以上にわたって、生身の体を風雨にさらし続ける過酷な極地耐久試験」を体験してもらいたいところです。
とにかく寒いし、前は見えないし、ブレーキは効かないし、滑って転びそうだし、猛烈に苦労した割にはTSS(Training Stress Score)はほぼゼロだし、いいことは何もありませぬ。
しかし、その地獄を何度も経験(試走を入れて17回目です)しているなら、下山装備を充実させることで、かなりの部分を改善することができます。
今年は、事前に雨が予想されていたため、以下の装備で地獄下山に臨みました。
アイテム | 雨対策 | 寒さ対策 | 使用結果 |
---|---|---|---|
シャワーキャップ (Noguさんホテル) | ● | パールのツバ付きを置き忘れた | |
レインジャージ (Rapha) | ● | 完全防水のジャケット | |
冬用ジャケット (Castelli) | ● | これだけでも十分暖かい | |
サーマルジャージ (Rapha) | ● | 着込みすぎて暑かった・・・ | |
冬用グローブ (Perl Izumi) | ● | 寒さ対策ならこれで十分 | |
台所用ゴム手袋 (ダイソー) | ● | 今回、一番の活躍(^^) | |
レッグウォーマ (KAPELMUUR) | ● | 真冬もこれでいける、とても便利なウォーマ | |
カッパ下(ゴルフ用) | ● | 父からもらったゴルフ用(だぼだぼ) | |
レインシューズカバー (SHIMANO) | ● | ● | 暖かく、かつ、防水 |
泥除けフェンダー (TOPEAK) | ● | フル装備だと、要らないかも・・・ |
これらの装備はどれも大事ですが、とにかく雨水の浸入を防ぐことが最も大事です。
どんなに暖かい恰好をしていても、時間(&距離)が長いので、雨対策が不十分だとウェアの内部が濡れてしまい、寒くて不快な状態になってしまいます。
今年は、若干、着込みすぎたような気もしますが(笑)、とにかく暖かく、ほとんど不快感無く下ることができました。
一番役に立ったのは、前日に100円均一ショップで購入した、「キッチン用のゴム手袋」です。
もともとグローブは真冬用を装着していますが、防水ではないので、その上からゴム手袋を装着したところ、雨水の浸入は皆無だし、グリップがとても良い(オールゴム、笑)のでハンドル・ブレーキタッチも非常に安定していました。
おすすめは、ダイソーのニトリルゴム手袋です。
濡れない&滑らない。最高に便利な自転車グッズです。しかも108円(^^)
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
ただ、今回の下山地獄では、雨のほかに濃霧が発生していて、前方視界が非常に悪くなっていました。
アイウェアは曇り止めを塗っていたので、「曇って何も見えない」という状況ではなかったのですが、10m先の前走者はまったく見えないくらいの視程でした。
賢明なライダーはテールライトを点滅させてくれていたので見やすかったですが、テールライトの無い選手が路肩に停まっていたりすると、直前まで気が付かず非常に危険な状態でした。
下山時にはテールライトの装備も義務付けたほうが良いかもしれないと思いました(自分も付けていませんでした)
こんなの、富士ヒルじゃない?大会運営編
ここ数年の富士ヒルの状況を知っている人からすると、今年の大会は
「こんなにスムーズなの、富士ヒルじゃないよ」
と感じたでしょうし、いろんな場所で、このセリフを聞きました。
去年までの富士ヒルは、とにかく、やたらと長い列に並ぶことを強いられ、行列我慢大会2017 in Mt.Fujiのような状況になっていました。
去年までの富士ヒルの様子(イメージ)
ところが、今年は何もかもがスムーズで、ほとんどストレスを感じない、まったくもって富士ヒルらしくない大会になってしまっていました(笑)
以下、素晴らしかった順に記載です。
【第1位】 やっぱり、前日荷物預けは素晴らしい!
とにかく、これが最高に素晴らしかったです。
下山用荷物(防寒着、レインウェア等)を、前日に大会事務局に預けてしまうのですが、これだけで、こんなメリットがあります。
- 当日の朝、1時間もゆっくり寝てられる
- 会場の大混雑が回避され、昨年のような、大勢の選手が殺到して転ぶなどの危険がなくなる
- 朝の心配事が一つ減るので、爽快なお通じが得られる(個人差があります)
前日までに下山ウェアを確実に決めなくてはならないデメリットもあり、天候不順の大会(っていうか、いつもだけど)の場合は、悩ましいこともありますが、手持ちウェア類を全部詰め込んでも下りだけなので苦にはならないので、大きな問題ではないでしょう。
また、人によっては当日まで参加が危ぶまれる場合もあり、「当日預け」制度が残されている点も◎です。
「当日預け」を選択した仲間によると、多くの選手がが「前日預け」を選択しているからか、昨年のメッカ状態とは違い、閑散としていて数秒で預けられたのこと。
なぜ1回目の大会からできなかったのか、それだけが謎ではありますが・・・?
【第2位】 出走ウェーブが適正化
昨年までは、出走ウェーブ(出走枠)は各人の自己申告タイム順に決められていましたが、「前の方で走りたい」「後方からガンガン抜きたい」とか、いろんな思いがあって、まったくデタラメなものでした(自分も適当でした)。
さらに、すべての女子選手は事実上の先頭スタート(招待選手の直後)になっていたため、常に後方から迫りくる、鬼の形相のおっさんたちに恐怖し、コースの左端は女子専用となっていました。
去年までの富士ヒルの様子。コース全域に広がり、とにかく混んでいる。
SONY アクションカム HDR-AS200V
結果として、とにかくやたらとコースが混んでいて、たくさんの選手を抜いてたり抜かれたりという、ヒルクライムにしては危ない状況でした(コースアウトする人も良く見かけました)
今年は、前年までの実績タイムによってウェーブが決まるため、基本的にはほぼ同じ走力の選手たちと一緒に走ることになり、追い抜き・追い抜かれがかなり減り、とても走りやすくなりました。
【第3位】 五合目での荷物返却が手際よい
五合目にゴールすると、下山用荷物を受け取るのですが、これも参加人数が多いため、例年結構大変です。
が、今年はヘルメットに貼られたゼッケンシールをスタッフの方が読み取り、ささっと素早く荷物を手渡してくれました。
しかも、荷物を並べていたブルーシートが開放され、その上でのんびりと着替えることができました。
去年までのでたらめな出走ウェーブだと到着順がバラバラでしたが、今年はほぼゼッケン順にゴールしてくることが見込まれることから、ここでも「正しい出走ウェーブ」が役になっているのだと思います。(ちゃんと、小さい番号の荷物置き場から順に空き地になっていました)
【第4位】 その場でリング!
この写真、実はすごいことなのです。
第15回大会(FHC2018)のリングがすでに手元に!!
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
富士ヒルでは、タイムに応じた色のコラムスペーサーが記念品として配られるのですが、例年、2か月くらいたって忘れたころに郵送で届けられました。
今年は、下山後の計測チップの返却と引き換えに、当日の大会会場で受け取るシステムになっていました。
2ヵ月→1日ですから、例年よりも60倍くらい高速化しました。
去年は屈辱のブルースペーサーだったので、五合目までブン投げてしまったかもしれませんが(笑)、今年は幸いにもブロンズ賞であり、笑顔のお嬢さんから、ありがたく受け取ることができました(^^)
下山後の大会会場で、計測チップと引き換えにリングがもらえます。
SONY NEX-5T + Carl Zeiss Vario Tessar T* E 16-70mm F4 ZA
ただ、この仕組みのアナウンスが少なく、また、会場内の導線が若干悪かったため、気が付かないで帰られてしまった選手もいるようで、この点は要改善ですね。
来年以降の改善要望
「こんなの富士ヒルじゃないよ」というくらい改善された、富士ヒルクライム2018。
おおむね満足していますが、来年以降に向けて、もう少し改善要望もあります。
【その1】下山安全対策(特に雨天時)
上にも書きましたが、雨天時の下山走行は、視界が悪い&滑りやすい&寒い、で非常にリスクの高い走行になります。
例年、馬鹿みたいにかっ飛ばしていく馬鹿がいて呆れていましたが、雨天となると、そんな獣に突っ込まれたりする可能性もあり、なかなか怖い走行でした。
自分もそうですが、みんなヒルクライマーなので、基本的にスピード走行の技術は持っていないと思うのです。
できることに限界はありますが、こんな対策はどうかと。
- テールライトの装着を義務付ける(濃霧ではかなり有効)
- 全員30km/hに加え、40km/h下山組も作ってみる(30km/hに耐えられない人も多い)
- 悪質な獣は来年以降、アザミラインを下ってもらう
【その2】参加賞
例年、ゴールタイム別のスペーサーとは別に、全員に配られる参加賞があるのですが、これが、毎年のように不人気。
- ホイールバッグ(←自分はとても重宝)
- アームカバー(ダサい)
- Tシャツ(だいぶダサい)
- ベスト(超ダサい)
- 各種ドリンク系(飲んだことないな・・・)
などなどですが、大きな大会の割にはイマイチな感じが否めません。
というか、年によっては「富士ヒルクライム」のロゴすらなく、どうも「在庫処分」的な物品が多いような・・・(笑)
今年は、シューズカバーとゴムスプレー(?)でしたが、どちらも使うアテがなく、お蔵入りしてしまう可能性が大です。
全員が満足するものはほぼ不可能ですので、ここは、無難にタオルやTシャツなどでよいのでは?という気もします。
また、今回はトイレをホテルで済ませてくることができたのですが、相変わらず長い大便行列だったようで、こちらも、そろそろ改善すべきかと思います。
まとめ
最悪だった昨年の大会運営から、大幅に改善された富士ヒルクライム2018。
「前日の下山に持つ預かり」と「前年実績による出走枠決定」は多くの人が昔から主張していましたが、これだけで、ここまでよくなるとは思いませんでした。
たったこれだけのことで、朝は混乱しないし、余裕で迎えられます。
SONY NEX-5T + Carl Zeiss Vario Tessar T* E 16-70mm F4 ZA
いや、実際には「これだけ」ではないのかもしれません。
もしかすると、運営会社が変わったのではないか?というくらいの改善でしたが、もっと、経験豊富な会社に変更になったのかもしれませんね。
まだまだ小さな改善点はありますが、今年のような悪天候でも、大きな混乱を出さなかったのは素晴らしいと思います(去年の運営なら死人が出てもおかしくないような)。
これで、富士ヒルクライム2019を欠席する理由がなくなりました(^^
次回は、お待ちかね(?)、恒例のポカ紹介と自分自身の今後についてです。
つづく。
貰ったばかりのリングは、別のバイク(フフフ・・・)に使用しちゃいました。
SONY α7II + FE 90mm F2.8 MACRO G
遅くなってしまい申し訳ございません。ご返答有難うございます。
もう一つお聞きしたいのですが
耳まで覆って(目尻付近まで上げる)走りたいと思ってるのですが
ずり下がりなどは気になりますでしょうか?