D70のエライところシリーズの第3回(たぶん,最終回)。今回は,「RAWの扱いやすさ」です。
D70は,一般のガンデジと同様,JPEGとRAW,そしてRAW+JPEGの同時記録,という3つの保存形式があります。
買った当初はJPEGで撮っていました。その理由は,「RAWは現像が必要」「RAWは連写枚数が減る」「RAWはファイル容量がでかい」「RAWはなんか難しそう」といったものでした。
しかし,3ヶ月目あたりからはRAWの一点張りです。それは,「連写枚数が減る」以外はほとんど問題にならなく,とても使いやすいものであることが分かったからです。(^^)
D70のRAWファイルが扱いやすい理由はたくさんあります。
- 現像しなくても,縮小画像が見られる
- 普通,RAWファイルは現像処理をしないと中身を見ることができません。そのため,RAW+JPEG形式というのが用意されていたりしますが,実はNikonのRAWファイルは,WindowsのExplorerやMacのFinder上で,普通に縮小画像を見ることができます。保存・管理を考えると,これは果てしなく便利です。おいらは特別なソフトは使わず,「20051012-運動会」のようにフォルダを作って,RAWファイルを入れておくだけで管理しています。
- NEFファイルの便利さ
- NikonのRAWファイルは,NEF(Nikon Electric Image Format)というファイル形式で,拡張子もずばり,「.nef」です。NEFファイルの優れているところは,中身が「原画+現像パラメータ」となっているところです。現像作業では,露出補正,トーンカーブ修正,カラーモード変更,ホワイトバランス調整など,さまざまなレタッチを行いますが,いくら補正を加えても原画は残る,という仕組みです。いちいち,原画用のファイルをコピーして使う手間がないので,とても便利な上に複数のバージョンが残ることもなく,管理も簡単です。
- 圧縮RAWであること
- 「RAWファイルはサイズがでかい」というのは世の中一般の認識となっているようです。しかし,そもそもはRAWだからでかいのではなく,「圧縮をしていないからでかい」のが正解です。
D70は600万画素なので無圧縮であれば,600万×8bit×3色=18MBです。D70の場合,一番高画質な「Fine」モードを設定していると,これが,だいたい3~4MBに圧縮されます(圧縮率=80%前後)一方,RAWは12bitなので,600万×12bit=9MBです。もともと,RAWは単色なのでコンパクトなのです。D70は圧縮RAWを採用していて,これをだいたい4~5MBに圧縮されます(圧縮率=50%前後)。
圧縮後のRAWをCFメディアに書き込むので,連写用バッファがフルになった後の連写も,まぁまぁ早いほうです。つまり,D70の場合,JPEGとほとんど変わらないファイルサイズでRAW撮影ができるのです~! CFメディアの容量にも,パソコンのHDD容量にも優しい圧縮RAWなのでした。
- 現像ソフトがとてもすばらしいこと
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Nikonのデジカメには,一応,普通のRAW現像ソフトは無料で付いてきます。Nikon Viewというソフトで,露出補正・ホワイトバランス調整など,普通のRAW現像ソフトと同じようなことはできます。
しかし,Nikonには,カメラとは別売り(約10000円)で,Nikon Captureというすんばらしい,現像ソフトがあるのです。こいつは,普通のRAW現像ソフトにPhotoshopを合体させたようなソフトで,非常に高機能なソフトです。しかし,Nikon Captureのすばらしいところは,機能だけではなく,なんと言っても操作が非常にわかりやすいというところです。
その理由は,すべての画像調整を「パネル」で行うというインターフェースにあります。Photoshopでも,メニューからコマンドを選べばダイアログが出てきますが,Nikon Captureは,すべてのフィルタダイアログが画面上に出っぱなしのPhotoshopという感じのインターフェースです。画面上にたくさんあるパネル上の,スライダや数値入力ボックスをいじるだけで,画像がリアルタイムに変化していきます。画像調整だけではなく,調整の結果(ホワイトバランス,トーンカーブなど)をカメラに逆転送し,カメラのデフォルト値を変更することもできます。
さらに,真っ白画像を撮影してCCDのゴミ付着状況を調べ,レンズ・絞り情報に基づいて各画像のゴミ部分を除去して補完する機能や,レンズ情報から周辺光量低下を補正する機能,レンズ情報から色収差を除去する機能など,「本来はハード側で対策するべきでは?」といった特殊な機能まで盛り込んでいます。
とにかく,「Nikon Captureのためだけに,Nikonのデジカメを選択してもいい」と言ってもいいくらい,すばらしいソフトです。Nikonは,も~っとこのソフトをアピールしたらいいと思うんだけどなぁ~。
以上が,D70でRAWを使い続ける主な理由になります。これ以外にも,そもそも12bit RAWなので撮影後の露出補正もJPEGよりはるかに有利ですし,ホワイトバランスの調整などJPEGでは不可能なこともできることから,やっぱり,RAW以外は考えられません。
ただし,D70でRAWを使う場合の唯一にして最大の欠点,「連写枚数が減る」だけはどうにもなりません。JPEGなら無限連写なのに,RAWではせいぜい4枚。ここら辺は,次期機種に期待ですかねぇ・・・。
今年の4月に,HDD=200GBのデスクトップ機を導入するまでは,HDD=20GBのノートしかなかったので,圧縮RAWは神のような存在でした。
カメラ内パラメータは,ホワイトバランスやトーンカーブを転送できます。おいらは,ちょいと明るめにでるように,トーンカーブを調整しています。(が,黒のしまりが無くなるので,再考中です・・・)
現像ソフトは,異常に速いです。ほぼ全部リアルタイムです。スライダを動かすと,それに合わせてリアルタイムで画像が変化します。
しかし,残念ながら,いくつか,絶望的に遅いパラメータがあります(おいらが知っているのは2つ)。
一つは,画像全体を評価して,黒つぶれしかけているところを強引に明るくするツール(D-Lighting)です。こいつは,逆光で真っ黒に写った顔を,フラッシュを焚いたように強引に明るくします。しかも,かなり普通な感じで補正できる魔法のツールです。
もう一つは,E-300ではまったく不要のツールですが,画面上のゴミ削除ツールです・・・。真っ白な画用紙とかを撮影し,それをCCDのゴミ情報として保存します。その情報を元に,撮影した画像のゴミ削除をしてくれるのです。まぁ,Photoshopのスタンプやパッチツールの自動版といった感じです。
この二つのツールは絶望的に時間がかかります。パラメータをいじるたびに,30秒は待たされます。(3GHz,Pen4)
ノートPCの時は,3分くらいかかったので,使っていませんでした・・・
あ,保存はすごーく時間がかかります。苦肉の策として,保存はモーダレスのダイアログが出てきて,非同期で行えます。
そのため,保存中でも,次のファイルをいじったり,保存したり,ができます。これだけでも,助かります・・・