左がSHIMANOの『SM-CA70』,右がJagWireの『ミニ・インライン・アジャスタ」
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
小さな,実に小さなパーツの紹介です。
シフトケーブルの途中に入れて,微調整をするためのインラインアジャスタです。
先日の,(プチ)フルメンテ2015時に,それまで使っていたJagWire製から,Shimano製に取り替えました。
交換から2ヶ月ほど経ちましたので,その使用感(?)を紹介しましょう。
ケーブルアジャスタって?
MTB用のコンポをいじっていたときは,シフター側にワイヤテンションを調整するアジャスタバレルが付いていました。
なので,シフトの微調整(SISインデックス調整)をするときは,シフター側のバレルをクルクル回すだけで簡単にできました(走りながらでも!)
LGS SIX号はDeore LXのコントロールレバーですが,ちゃんとアジャスタバレルが付いています。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
また,ロードであってもシフトワイヤが「フレーム内蔵型」ではない普通のフレーム(最近は「内蔵」の方が普通か?)なら,「アウター受け」に付いたアジャスタで調整ができます。
LGS RHC号。フレームの「アウター受け」にアジャスタが付いています。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
しかし,595号はシフトワイヤが「フレーム内蔵型」であり,7900系のDURA-ACEではSTI側にアジャスタを付けることもできません。
リアディレイラ(RD)にはアジャスタがあるからいいのですが,フロントディレイラ(FD)にはアジャスタがありませんから,微調整は全然できません。
ひょっとすると,超スーパーテクニックで,一発で最適な位置にケーブルを固定できる人もいるのかもしれないのですが,ケーブルはある程度の伸び(初期伸び)もありますし,やっぱり,どこかに調整機構を持たせてやる必要があります。
そこで,ケーブルの張りを調整することができる「ケーブルアジャスタ」の登場となります。
原理はたいしたことはなく,アウターケーブルを切断してケーブルルートの間に噛ませます。アジャスタを捻ってやると,その長さが伸び縮みしてアウターを押すので,結果としてインナーケーブルの微調整が可能になります。
文字で書くと分かりにくいですが,MTBのシフターやRDについているアジャスタを,ケーブルの中間に入れるだけのものです。
JagWire「ミニ・インライン・アジャスタ」の欠点・・・
595号では,FDのシフトにだけJagWireの「ミニ・インライン・アジャスタ」というケーブルアジャスタを使っています。
595号ではFD側にのみ,インラインのアジャスターを入れていました。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
アジャスタという製品の性格上,頻繁にイジるものでもないし,どんな製品でもいいのかと思っていたのですが,わりと致命的な欠陥を抱えていました・・・。
それは,「徐々に緩んでしまう」という欠点です。
具体的に言うと,せっかくケーブルの張りを最適に調整しても,数回走ると,アジャスタが縮まってしまい,ケーブルが緩んでしまうのです。
毎週のように,テンションが増す方向にアジャスタを回すのですが,翌週にはまたケーブルが微妙に緩んでいるのです(もちろん,FDの動きはとろくなる)。
ケーブル張力を微調整するためのアイテムのせいで,ケーブルが微妙に緩んでしまうという,本末転倒の状態でした・・・。
シマノのアジャスタ『SM-70CA』登場!
長年(といっても3年ですが)595号に乗っているうちに,上で書いた,JagWireアジャスタの特性は分かってきていたので,「乗車前にタイヤに空気を入れる」のと同様に,「乗車前にFDの調整をする」のは当たり前のようになっていました。
しかし,フルメンテ時の消耗品購入の際に,ふと目に入ったのが,シマノのアジャスタ『SM-CA70』。
純正のアジャスタがあるなんて知らなかった(不勉強ですよね・・・)ので,これ幸いと購入してみたのですが,実に良くできています。
Jagwireは2ピース構造になっていて,調整する際には2つのパーツがねじれるように回すのですが,片一方のパーツが小さすぎて掴むのがすごく難しいんです。
JagWire(右)は,ほんのちょっと見える黒い部分を掴んで回さないといけないんです。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
一方,Shimanoは3ピース構造になっていて,2つのパーツの真ん中にダイヤルが付いています。
両端のパーツは内部でねじれないように連結されていて,どちらを掴んだ状態でも,真ん中のダイヤルで調整ができ,その扱いやすさは段違いです。
上がシマノ。3ピース構造で,左右どちらの黒い部分を掴んでも大丈夫。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
左右の黒いパーツは,「D型」に削られたネジ部分で連結され,空回りしないようになっています。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
また,JagWireの方は常にクルクルと軽く回るのですが,シマノSM-70CAは,ヌメーっとした動きを出すため(雨水浸入防止も兼ねている?),ゴムリングが付いていて回転に適度な硬さがあります。
これによって,簡単に緩んでしまうことがないのだと思います。
ダイヤルと接する部分には,ゴムのO-リングが付いていて,回転に適度な固さがあります。
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
重量も1個6gと超軽量にできています。
また,一番肝心なことですが,使用から2ヶ月ほどたちますが,まったく緩みは発生していません。
ケーブルの初期伸びも微小だったせいもあり,最初の調整からほとんど触っていません(触る必要が無い)。
取り付け状態はこんな感じ。コンパクトに収まっています(^^)
Nikon D90 + Nikkor Micro 60mm F2.8
小さなパーツですが,実に気持ちよく使っています(っていうか存在を忘れている)。
こういうところに,長年培った,小さな,でも大事なノウハウが詰まっているんでしょうねぇ・・・
おしまい(^^)
気に入った点
- 調整がしやすい(掴みやすい,回しやすい)
- 緩みは発生しない
- 軽量
- 雨水浸入防止加工まで
イマイチな点
- 全然無し(^^)
>Noguさん
そうなんですよ~
毎週のように,FDワイヤのテンションが下がっているので,「しかし,無限に初期伸びするなぁ」と思っていたのですが,そんなわけないですよね(笑)
そうそう,ターマックのJagWireのやつ,だいぶコンパクトでしたね!
緩まないのであれば,それでもいいのかなぁ。
しかし,シマノは安いくせに芸が細かいです。こんな小さなパーツも手を抜かないんだなぁ,と感心してしまいました。