10月に読み始めた本書。
分量が結構あるのと、浮気して他の本をいろいろ読んでいたせいで、完読まで時間がかかってしまいました。
時間はかかりましたが、(生き物や進化論が好きな人には)とっても面白い本でした。
哺乳類、特に霊長類の知性について多く書かれていますが、我らが愛するカメの知能はどうなのかなぁ・・・?(^^;
またまた、動物系、進化系のお話
もともと、生き物関係の本が好きで、よく読むのですが、今年は比較的多く読んでいる感じがします。
夏以降だけでも、生き物本限定でこれだけ読んでいました。
著者 | プチ感想 |
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『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』 川上 和人 評価:★★ |
生き物の本か?と問われるとチト悩みますが、立派な鳥類学者の本です。ただ、ほぼ全編、オヤジギャグ満載で書かれていて、そういうのが大好きな自分としてはツボにはまってしまいました。いずれ紹介予定。 |
『やわらかな生命』 福岡 伸一 評価:★★★ |
「動的平衡」シリーズで有名な(?)著者の短編集。いつもの動的平衡ネタに限らず、生物学全般の面白ネタが書かれていて面白い。 |
『眼の誕生』 アンドリュー・パーカー 評価:★★★ |
今年読んだ中では一番面白かったカモ。そうか、眼が原因だったのか・・・! |
『理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ』 吉川 浩満 評価:★ |
逆に、一番ふつ~だった本。でも、初めて進化論を読むなら面白いか? |
『わたしのげぼく』 上野 そら 評価:★★ |
これは違うか(^^; 猫好きの母へ。 |
だんだん、どの本に何が書かれていたかがわからなくなってきています。
(1番だけは別格なので混同の心配はないですが・・・笑)
で、今回のはそういうおじさんが読むと面白い、生き物の認知科学を扱った本です。
フランス・ドゥ・ヴァール 『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』
「人間以外の動物に知能はあるか?」という問題は生物の歴史初期からずっとあるのですが、同じくらい長い間、「人間様には遠く及ばない」「反応するだけであり、思考はしていない」という定説が続いていました。
しかし、著者であるフランス・ドゥ・ヴァールが取り組む動物行動学によって、さまざまな動物の驚くべき知能が明らかになっていきます。
論より証拠、以下の動画を見れば分かります。
本当に面白いTEDの動画で、特に13:40からの実験動画は、見せた人全員が大笑いでした。
(3分30秒からの動画もおススメ)
人間だけに備わっていると思っていた「公平さ」という概念がサルにもあり、他者より不当に損しているという理解がサルにはあります(隣の奴と同じ作業をしているのに、報酬に差があることに不満)。
上のケースとは逆に、他者より不当に得をしている場合に、そのことを拒む場合もあるというから、本当に驚きです。
別の実験では、自分だけが餌のありかを見つけた場合、上位のサルが傍にいるときは、決してそちらの方向を見ないようにするそうです(そちらを見ることによって、上位のサルに気が付かれてしまうことを回避)
著者らがこのようにして明らかにしてきた様々な動物の知性を紹介しつつ、どうして、過去の動物学ではたどり着けなかったのかも、徹底的に書かれていて容赦がありません。
多少難解なところもあるかしれませんが、動物好きにはたまらない一冊です(^^)
我が家の亀太郎も知性が・・・?(^^)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ただ、全般を通して、旧来の(=動物の知性を認めがらない)研究者・学派に対する攻撃が厳しすぎて、少したじろいでしまうようなところもあります。
科学とは、常に構成の人々によって書き換えられるリスクを背負っており、それこそが科学が信頼たる学問である理由の一つですので、ここはひとつお手柔らかにお願いします(^^)
にしても、サルの動画、面白かったなぁ(5分50秒あたりのゾウも面白いです)
おしまい。
nagabondさん:
「サピエンス全史」は昨日買いました。
NHK BS1 1/1(tue) 21:00~22:50 関連番組やりますね。
元旦ブルベから帰って見られるかな?